薬学部シラバス2024

化学平衡論
Chemical Equibrium

 1年 前期 1年必修科目 1.5単位
小谷 明(1~6)
栁田 顕郎(7~12)

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授業の目的(ねらい)

化学平衡論は化学物質の性質、化学反応、化学組成などにおける量的関係を解析するための基礎理論である。特に、物質の定性、定量を扱う分析化学において不可欠の概念である。ここでは、分析化学に関係の深い種々の化学平衡、特に溶液内化学反応を通して、化学平衡の基礎概念を理解し、それらの量的な解析的取り扱いに習熟することを目標とする。この化学平衡の概念が、分析化学の基本であるばかりでなく、薬学分野における様々な反応、薬剤の溶解と吸収、生体における薬物動態などの理解に重要であることを会得する。

学修到達目標

1)化学反応や酵素反応等に影響を与える溶液内の水素イオン濃度の測定の意義と方法を説明できる。
2)体液を含めた水溶液内で水素イオン濃度が一定に保たれる仕組みを説明できる。
3)様々な反応において、反応が起こっているにも関わらず反応に関わる物質の量の変化が現れな
くなる現象を説明できる。
4)無機イオン分析の目的と方法を説明できる。
5)物質の酸化還元反応とエネルギーとの関係を説明できる。

授業概要

次の項目について講義する。
1)活量と活量係数、イオン強度、溶液の濃度の表し方
2)水素イオン濃度(pH)、pHメーター
3)pHの調節、緩衝作用、緩衝液
4)可逆反応、化学平衡
5)酸・塩基平衡
6)電池と電極電位
7)化学平衡(錯体・キレート生成平衡、沈殿平衡、酸化還元平衡)
8)分配平衡

授業計画

回数 担当 内容 コアカリとの
関連コード
1 小谷・栁田 化学平衡論総論 C-1-3-11~12 C-2-1-2 C-2-2-3
2 溶液の性質と化学平衡 C-2-1-2 C-2-2-3
3 酸と塩基、酸塩基平衡 C-2-2-1,5
4 pHの調節、緩衝作用、緩衝液 C-2-2-2,5
5 多塩基酸と両性電解質の電離、
非水溶媒中での酸と塩基
C-2-2-1~2,5
6 沈殿の生成と溶解 C-2-2-7 C-2-3-2~3
7 沈殿平衡 C-2-2-7
8 錯体生成反応 C-2-2-7 C-2-3-2~3
9 錯体・キレート生成平衡 C-2-2-7
10 化学電池と電極電位 C-1-3-13 C-2-2-7 C-2-3-2
11 酸化還元平衡 C-2-2-7
12 分配平衡、イオン交換平衡 C-2-2-4~5

授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

小谷: 各回の講義に関連した小テストを行い、問題を解くことを通じて理解を深めるようにしている。初回の授業で、授業内容や小テストの課題の範囲を明示した予定表を配布し、予習と復習に役立てるようにしている。毎講義時間で習熟すべき点を、「本日のキーワード」として明示して目標を明確にしている。動画等で反応や呈色変化を直に観察させ、定性反応などの理解が進むように工夫している。WebClassによる課題や質問の提出を通じて、学生の理解が及ばぬ点などをモニターしながら講義の展開を図っている。
栁田: 毎回、オリジナル演習問題を出題し、講義時間内に各自解答させ、解説を加える時間を設けている。講義のねらいや予定、他教科との関連について、講義初回に概説する。講義は毎回スクリーン投影により行い、容量分析の原理や仕組みを視覚的に理解させながら、計算演習をくり返すことで学習効果を高めている. スクリーンで解説する説明内容はPDF資料にして前週までにWebClassに掲載し、合わせてWebClassによる課題や質問の提出を通じて、授業の予習や復習ができるようにしている。

成績評価方法

1) 形成的評価
  a) 知識: 講義期間中を通じて演習問題や小テストを繰り返し行う。
2) 総括的評価
  a) 知識: 定期試験の結果(90%)に、演習問題や小テストなどを加味して(10%)評価する。

教科書

薬学生のための分析化学、第4版、楠文代/渋澤庸一 編集、廣川書店、2017年、ISBN 978-4-567-25583-7
なるほど分析化学-数字となかよくする本、楠文代/渋澤庸一 編集、廣川書店、2012年、ISBN 978-4-567-25680-3

参考書

第十八改正日本薬局方解説書、廣川書店、2021年、ISBN 978-4-567-01544-8
薬学生のための分析化学問題集、四宮一総 編集、廣川書店、2019年、ISBN 978-4-567-25800-3

オフィスアワー

小谷 明(分析化学教室・准教授) いつでも可。居室:研究4号館5階4505室
栁田 顕郎(生体分析化学教室・教授) いつでも可。居室:研究2号館4階406室

準備学習(予習・復習等)

高校化学で学習した内容のうち、特に「溶液の濃度」「酸と塩基」「酸化還元反応」「水溶液中の化学平衡」などの項目を十分に復習し、理解した上で講義に臨んで下さい。授業ごとに予習と復習を各々90分以上行うこと。
小谷: 予定表に記載した授業内容の範囲を予習して講義に臨んで下さい。教科書、ノート、WebClassに掲載した講義用スライド、小テストを活用して復習を必ず行なって下さい。
栁田: 授業開始前にWebClassに掲載した資料に目を通しておいて下さい。さらに授業中に指摘したポイントについて、WebClassに掲載した講義用スライドや課題問題を活用して復習して下さい。

学生へのフィードバック

小谷: 小テストの解説をWebClassに掲載してフィードバックをしている。
栁田: 講義で出題や解説した問題のリスト、および重要項目のまとめをWebClassに掲載してフィードバックをしている。

備考

ナンバリングコード

RC11103

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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