医薬品をはじめとする様々な物質の試料中の濃度を正確に知るために行われる定量分析の基本的知識を習得する。化学平衡論で身につけた知識を活用して、化学量論に基づいた化学分析法である容量分析法（酸塩基滴定、沈殿滴定、キレート滴定、酸化還元滴定、ジアゾ滴定）の基本的原理と操作法を習得する。更に、日本薬局方収載医薬品の定量法に基づいて測定した定量値の取り扱いや、分析法バリデーションに関する基本的知識を習得し、分析データの評価へ応用する技術を身につける。

１）医薬品の品質管理や医療現場での検査において、分析結果の信頼性を保証するために、用いる器具、測定値の取扱い方法、方法の評価を説明できる。
２）物質の量を測定するための様々な方法の原理を理解し、操作法と応用例について説明できる。
３）医薬品の性状及び品質の適正化への日本薬局方の役割を説明できる。
４）日本薬局方の試験法の原理と特徴及び操作法を説明できる。
５）無機イオン分析の目的と方法を説明できる。

次の項目について講義する。
１）測定値の取扱い、分析法のバリデーション
２）容量分析法（中和滴定、非水滴定、キレート滴定、沈殿滴定、酸化還元滴定)の原理
３）容量分析法の代表例
４）日本薬局方で規定される代表的な一般試験法、純度試験、定量法
５）代表的な無機イオンの分析法

東海林：　講義のねらいや予定、他教科との関連について、講義初回に概説する。講義は毎回、板書とスクリーン投影を併用して行う。容量分析の原理や仕組みを視覚的に理解させながら、計算演習（主に板書）をくり返すことで学習効果を高めている。スクリーンで解説する説明内容はPDF資料にして前週までにWebClassに掲載し、授業の予習や復習ができるようにしている。
小谷、山本：　各回の講義に関連した小テストを行い、問題を解くことを通じて理解を深めるようにしている。初回の授業で、授業内容や小テストの課題の範囲を明示した予定表を配布し、予習と復習に役立てるようにしている。毎講義時間で習熟すべき点を、「本日のキーワード」として明示して目標を明確にしている。動画等で反応や呈色変化を直に観察させ、滴定反応などの理解が進むように工夫している。WebClassによる課題や質問の提出を通じて、学生の理解が及ばぬ点などをモニターしながら講義の展開を図っている。

1) 形成的評価
　　a) 知識： 講義期間中を通じて演習問題や小テストを繰り返し行う。
2) 総括的評価
　　a) 知識： 定期試験の結果（90%）に、演習問題や小テストなどを加味して（10%）評価する。

薬学生のための分析化学、第4版、楠文代／渋澤庸一 編集、廣川書店、2017年、ISBN 978-4-567-25583-7
薬学生のための分析化学問題集、四宮一総 編集、廣川書店、2019年、ISBN 978-4-567-25800-3

第十八改正日本薬局方解説書、廣川書店、2021年、ISBN 978-4-567-01544-8
なるほど分析化学－数字となかよくする本、楠文代／渋澤庸一 編集、廣川書店、2012年、ISBN 978-4-567-25680-3

東海林　敦（生体分析化学教室・准教授）　いつでも可。　居室：研究2号館4階406室
小谷　明（分析化学教室・准教授）　いつでも可。居室：研究4号館5階4505室
山本　法央（分析化学教室・助教）　いつでも可。居室：研究4号館5階4503室

１年必修科目「化学平衡論」で学習した内容を十分に復習し、理解した上で講義に臨んで下さい。授業ごとに予習と復習を各々90分以上行うこと。
東海林：　授業開始前にWebClassに掲載した資料を予習し、印刷して持参して下さい。さらに授業の板書ノートとあわせて復習して下さい。
小谷、山本：　予定表に記載した授業内容の範囲を予習して講義に臨んで下さい。教科書、ノート、WebClassに掲載した講義用スライド、小テストを活用して復習を必ず行なって下さい。

東海林：　講義で出題や解説した問題のリスト、およびまとめ事項をWebClassに掲載してフィードバックをしている。
小谷、山本：　小テストの解説をWebClassに掲載してフィードバックをしている。

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