薬学部シラバス2024

基礎有機化学
Basic Organic Chemistry

 1年 前期 1年必修科目 1単位
宮岡 宏明(7~12)
太田 浩一朗(1~6)

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授業の目的(ねらい)

医薬品の性質を類推するためには、化学構造式に基づいて医薬品を物質として捉えることが必須である。有機化合物について、名前、構造、官能基の基本的性質を理解することは、医薬品や生体分子の性質を説明するための第一歩である。基本的な有機化合物を炭素骨格や官能基に基づいて分類し、それぞれの構造、性質等を体系的に関連付けるとともに、有機化学反応の基本的事項を学修する。それにより、有機化学的観点から医薬品の性質と作用を説明するための基盤的能力を養成する。

学修到達目標

1)有機化合物を炭素骨格や官能基ごとに体系的に分類できる。
2)有機化合物の名前と構造表記、化学構造を関連付けて説明できる。
3)有機化合物の基本的な性質や反応様式を化学構造に基づいて説明できる。
4)極性共有結合について説明できる。
5)分子中の原子に形式電荷を付けることができる。
6)代表的な化合物やイオンの共鳴構造と電子の移動を示す矢印を書くことができる。
7)ブレンステッド酸・塩基を定義することができる。
8)酸性度定数、pKa値から酸、塩基の強さを判断することができる。
9)誘起効果と酸・塩基の強さの関係を説明することができる。
10)pKa値から酸塩基反応を予測することができる。
11)ルイス酸・塩基を定義することができる。
12)非共有結合性相互作用について概説できる。
13)周期表に基づいて原子の電気陰性度を説明できる。
14)分子の極性について概説できる。
15)代表的な化合物の名称と構造を列挙できる。
16)酸と塩基の基本的な性質および強弱の指標を説明できる。

授業概要

次の項目について、講義する。
1)有機化合物のIUPAC命名法
2)有機化合物の化学構造表記
3)飽和炭化水素(アルカン・シクロアルカン)と構造異性体
4)不飽和炭化水素(アルケン・アルキン)
5)有機ハロゲン化合物
6)アルコール・フェノール
7)アルデヒド・ケトン・カルボン酸及びカルボン酸誘導体
8)原子の電気陰性度と分子の極性
9)極性共有結合
10)共鳴・電子の動き
11)ブレンステッド酸・塩基
12)酸と塩基の基本的な性質および強弱
13)酸性度定数と酸塩基反応の予測
14)ルイス酸・塩基
15)非共有結合性相互作用

授業計画

回数 担当 内容 コアカリとの
関連コード
1 宮岡・太田 有機化合物の構造式の書き方と官能基 C-3-1-1~2 C-3-3-1
2 アルカン、シクロアルカンの命名法 C-3-1-1 C-3-3-1
3 ハロゲン化アルキル、アルケン、アルキンの命名法 C-3-1-1
4 アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルの命名法、医薬品の基本骨格 C-3-1-1
5 極性共有結合、形式電荷、共鳴構造と電子の移動を示す矢印 C-1-1-1 C-3-1-3~4
6 ブレンステッド・ローリーの定義、酸と塩基の強さ C-4-1-1~2
7 pKa値を用いる酸塩基反応の予測、有機酸と有機塩基 C-4-1-1~2
8 ルイス酸とルイス塩基、非共有結合性相互作用 C-1-1-2~5 C-3-1-4~5

授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

あらかじめ目標とするキーワードを提示し、目標を明確にしている。講義の進捗に合わせて、課題、小テスト等による演習、解説を行い、理解を深めるよう努めている。

成績評価方法

1)形成的評価
 a)知識:中間テスト、演習、小テスト等を行う。
2)総括的評価
 a)知識:定期試験(100%)で評価する。
 定期試験の得点率により、以下のように評価する。
 ・S(85%以上):合格
 ・A(70~85%未満):合格
 ・B(60~70%未満):合格
 ・D(60%未満):不合格(再試験受験)
 ※再試験
 ・C(60%以上):合格
 ・D(60%未満):不合格

教科書

マクマリー有機化学 第9版(上、中、下)(J.McMurry著 伊東ら訳 東京化学同人 ISBN978-4807909124、9784807909131、978-4807909148)
マクマリー有機化学問題の解き方 第9版 英語版 (S.McMurry著 東京化学同人 ISBN978-4807909155)
日本の医薬品 構造式集 2024 (日本医薬情報センター編 丸善 ISBN978-4865152319)

参考書

化合物命名法 ―IUPAC勧告に準拠― 第2版(日本化学会 命名法専門委員会 編 東京化学同人 ISBN978-4807908882)
「有機化学」ワークブック (奥山 格 著 丸善 ISBN978-4621081792)
電子の動きでみる有機反応のしくみ(奥山 格、杉村高志 著 東京化学同人 ISBN978-4807906192)
困ったときの有機化学 第2版(上,下)(D.R.クライン 著 竹内敬人、山口和夫 訳 化学同人 ISBN978-4759819458、978-4759819465)
ウォーレン有機化学 第2版(上、下)(W.Warrenら著,野依ら監訳,東京化学同人ISBN978-4807908714、978-4807908721)
ボルハルト・ショアー現代有機化学 第8版(上、下)(K.P.C.Vollhardt、N.E.Schore著 古賀ら監訳 化学同人 ISBN978-4759820294、978-4759820300)

オフィスアワー

宮岡 宏明(生物分子有機化学講座・教授)いつでも可。但し、メール(miyaokah@toyaku.ac.jp)による予約が必要。
太田 浩一朗(生物分子有機化学講座・講師)いつでも可。但し、メール(otak@toyaku.ac.jp)による予約が必要。

準備学習(予習・復習等)

高校で学習した『化学基礎』の「物質の構成と化学結合」、「物質の変化」、『化学』の「有機化合物」の項目が、本講義の基礎になりますので、良く復習をしてから、講義に臨んでください。授業ごとに予習と復習を各々90分以上行うこと。授業を受ける前に講義予定項目の学修到達目標を確認し、教科書の該当範囲を読んでから講義に臨むようにしてください。また、講義の後は必ず復習してください。分からないことをそのままにしないで、参考書等で調べてください。自分で調べることがとても大切です。それでも理解できなければ、オフィスアワーや次回の講義のときに質問してください。

学生へのフィードバック

学生から寄せられた質問や感想などに対して、必要に応じて授業中に全学生に対してその内容を伝え、解説を加える等の対応を行っている。定期試験後にフィードバック講義を実施し、知識の定着を図る。

備考

ナンバリングコード

RC21101

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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