薬学部シラバス2024
薬理学入門
Introduction to Pharmacology
1年 後期 1年必修科目 1.5単位 | |
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草間 和哉、吉江 幹浩、田村 和広 |
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授業の目的(ねらい)
薬理学は、生体と薬物の相互作用を研究し、薬物療法を可能にする科学である。薬物の作用の基本的原理やメカニズム(作用機序)を理解することは、薬物治療における適切な医薬品の選択と適正使用に必須である。薬理学の入門として、神経伝達物質やオータコイドなどの生理活性物質の作用の理解とそれに関連する主な治療薬の作用機序及び主な疾病の概要を学ぶ。
学修到達目標
1)細胞内情報伝達及び細胞間コミュニケーションおよび神経系の仕組みについて説明できる。
2)基本的な薬の作用のメカニズム、医薬品の安全性について説明できる。
3)自律神経系、循環器系の疾患、免疫・炎症・アレルギー系の疾患における生理活性物質および薬物の作用について概要を説明できる。
授業概要
次の項目について、講義する。
1)基本的な薬の作用のメカニズム、胞内情報伝達及び細胞間コミュニケーション、医薬品の安全性
2)神経系の仕組みおよび自律神経系や循環器系の疾患における神経伝達物質、生理活性物質の生理作用
3)免疫・炎症・アレルギー系の疾患における生理活性物質および薬物の作用
授業計画
回数 | 担当 | 内容 | コアカリとの 関連コード |
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1 | 吉江 | 薬物の作用様式、薬物の用量・濃度と作用との関係 | D-1-1-3,5 |
2 | 吉江 | 受容体、アゴニスト、アンタゴニストの概念、薬物の併用効果、薬理学的拮抗作用(競合拮抗、非競合拮抗) | D-1-1-4 |
3 | 吉江 | イオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、酵素内蔵型受容体とその関連受容体、細胞内受容体、細胞内Ca2+レベルの調節と細胞応答 | C-6-6-1~5 |
4 | 吉江 | 薬理作用に影響を与える要因、薬物の体内動態、薬物の投与方法、薬物の相互作用、薬物依存、耐性 | D-1-3-3 D-4-1-2~4 |
5 | 草間 | (自律神経系に作用する薬物の基礎)、末梢神経系の形態的特徴と機能、神経伝達物質の生成と分解経路 | C-7-2-2~3,5~6 D-1-1-1 |
6 | 草間 | アドレナリン受容体の特徴と機能、ノルアドレナリン、アドレナリン、イソプレナリンの作用と構造活性相関 | D-1-1-1~2 D-2-1-1~2 |
7 | 草間 | ノルアドレナリン、アドレナリン、イソプレナリンの作用と構造活性相関、アドレナリン反転 | D-1-1-1~2 D-2-1-1~2 |
8 | 草間 | アセチルコリン受容体の特徴と機能、アセチルコリンの作用(ムスカリン様作用、ニコチン様作用) | D-1-1-1,4 D-2-1-1~2 |
9 | 田村 | 神経伝達物質、オータコイド、サイトカインおよびホルモンの概念、ヒスタミンの作用と関連薬の臨床応用 | D-2-10-1~3 |
10 | 田村 | セロトニンの作用と関連薬の臨床応用 | D-2-5-1~3 D-2-11-2 |
11 | 田村 | プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサンの作用と関連薬の臨床応用 | D-2-2-2 D-2-12-1 D-2-14-3 |
12 | 田村 | アンジオテンシンおよびキニン類の作用とアンジオテンシン関連薬の臨床応用 | D-2-8-1~2 |
授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
本科目は、機能形態学、生化学、有機化学などの基礎薬学と病態生理学の知識を必要とするため、それら教科との関連性を意識して講義をすすめる。単元ごとに学修到達目標を明示するとともに、演習問題を解くことにより理解を深める。自学自習を促すため、講義動画をWebClassに掲載し、いつでも視聴を可能とする。
成績評価方法
<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:演習と中間試験を行うことで学習到達度をチェックする。
2) 総括的評価
a) 知識:定期試験(90%)と中間試験(10%)で総合的に評価する。再試験を1回実施する。
教科書
薬理学要説 (田村編、学術図書出版社)
WebClassにて講義資料を事前に提示する。
参考書
薬系薬理学書(立川・田野中・弘瀬 編、南江堂)
オフィスアワー
草間 和哉(内分泌薬理学教室・講師) (kusamak@toyaku.ac.jp)
吉江 幹浩(内分泌薬理学教室・准教授)(yoshie@toyaku.ac.jp)
田村 和広(内分泌薬理学教室・教授) (hiro@toyaku.ac.jp)
原則いつでも可。事前にメールで連絡があれば確実です。
準備学習(予習・復習等)
授業を受ける前に講義予定項目を確認し、教科書の該当範囲を読んでから講義に臨むこと。予めWebClassに講義資料を掲載するので、有効に利用する。また、講義後の復習を必ず行うこと。
学生へのフィードバック
講義内容に関する質問に対して、必要に応じて講義中に解説を加えるなどの対応を行っている。定期試験後には、フィードバック講義を実施する。
備考
ナンバリングコード
RD11201