薬学部シラバス2024

基礎薬学実習Ⅰ(基礎生物学実習)
Laboratory Course in Basic Science Ⅰ(Introductory Laboratory Course in Biological Science)

 1年 後期 実習科目 1単位
濵田 圭佑、山田 雄二、林 明子、吉川 大和、山口 宜秀、大滝 博和、稲葉 二朗

すべて開く

すべて閉じる

授業の目的(ねらい)

ヒトのからだでは、細胞が互いに影響し合いながら統制の取れた機能を発揮する器官を形成し、さらに個体としての正常な生命活動を維持している。本実習においては、培養細胞を用いて遺伝情報の本質や細胞周期について観察し、実験動物を用いて細胞、器官を観察することにより、個体構築に関する基礎的な知識を習得する。さらに、ヒトの各器官系の構造について組織学的な観察を通じて、機能調節および生体のダイナミックな調節機構に関する基本的知識・技能・態度を習得する。

学修到達目標

1)人体の構成について説明できる。
2)人体の構成要素が、相互に連携しながら機能していることが説明できる。
3)循環器系を構成する器官の構造と機能が説明できる。
4)消化器系器官の構造と機能が説明できる。
5)泌尿器系器官の構造と機能が説明できる。
6)生物体の基本的な構造と機能について説明できる。
7)染色体の構造について確認することができる。
8)細胞周期と体細胞分裂について説明できる。
9)麻酔薬の作用メカニズムを、生理反応と関連付けて説明できる。

授業概要

次の項目について、実習する。
1)染色体構造の観察 
2)細胞周期と制御機構 
3)人体の階層構造(細胞・組織・器官・器官系) 
4)主要な器官の名称と解剖学的位置を確認する方法 
5)主要な組織を構成する細胞やそれらの特徴的配列を確認する方法 
6)血圧とその調節機構、及び血圧の測定法 
7)心臓の構造と機能、及び興奮と心電図 
8)腎臓と尿路を構成する器官の組織の観察 
9)消化管と主要な付属器官の組織を観察(小腸・肝臓・膵臓) 
10)全身麻酔薬の効果を確認

授業計画

回数 担当 内容 コアカリとの
関連コード
1-1 担当教員全員 基礎生物学概説、染色体標本の作製 C-6-1-1~2 C-6-2-1,3 C-6-7-1
1-2 染色体標本の観察、動物組織標本の観察 C-6-1-1 C-6-2-1,3 C-6-7-1
2-1 実験動物概論、外部形態の観察、骨格の観察、保定・投与法 C-7-1-4 D-2-3-1 G-1-1-1 G-1-2-6
2-1 麻酔、採血、系統解剖 C-7-1-4 D-2-3-1 G-1-1-1 G-1-2-6
3-1 ヒトの成り立ちとその働き-血圧と心電図の測定- C-7-8-2,5
3-2 人体の主要な臓器の肉眼的および顕微鏡的観察 C-7-10-1~2 C-7-12-1
3-3,4 実習試験と人体解剖概説 C-7-1-1,4

授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

本実習では、2名/1班で実習を行い、多くの体験ができる。また、常に相互に意見交換をしながら実習を進める。班ごとに雌雄が異なる系統解剖を行い、隣の班に教えることによって、より理解を深めることができるように工夫している。すなわち、自ら観察し、理解したことを教授することによって、さらに確かな知識になる。これらによって、コミュニケーション能力やチームワークの大切さについて気付くことができる。
・実習専用の実験書を作成し、実験方法、実験の注意点を明示にしている。
・実習の課題について、実験書の中に書き込めるページを作っている。このページに課題の結果を書き込み、それを評価しながら口頭試問を行う。
・これによって、実習に対する理解度を確認した上で、フィードバックを確実に行う。
・心電図や血圧を測定することで、基礎知識として心電図の意味や血圧値が、不整脈や高血圧症を学ぶ上で重要であることが分かる。すなわち、基礎知識と臨床薬学との繋がりについても理解できる。

成績評価方法

<試験、レポート・課題とそれ以外の方法でも評価する>
1)形成的評価
a) 知識:各項目の課題をチェックする時に、口頭試問を行い、フィードバックする。
b) 技能:実習時間中に、実験手技についてフィードバックする。
c) 態度:実習期間中を通じて観察を行い、その場でフィードバックする。
d)パフォーマンス:口頭試問にて、実験結果を報告させ、質疑応答を通じてフィードバックする。
2)総括的評価:日々の課題(技能)と態度(60%)、実習試験の結果(40%)から総合的に評価する。ただし、それぞれの項目(知識・技能・態度)が独立して到達点(60%)以上であることとする。
a) 知識:実習試験が60%以上で合とする。
b) 技能:実習期間中の形成的評価で改善が認められれば合とする。
c) 態度:実習期間中の形成的評価で改善が認められれば合とする。
d)パフォーマンス:実習期間中の形成的評価で改善が認められれば合とする。パフォーマンスの総括評価としては、実習期間中の技能及び態度の積み上げで評価する。

教科書

生物系実習1実験書 基礎生物学実習(薬学基礎実習教育センター編)

参考書

グラフィカル機能形態学(馬場広子編 京都廣川書店)
入門人体解剖学 (藤田恒夫著 南江堂)

オフィスアワー

本実習担当教員 いつでも可(原則として実習終了後)
大滝 博和、山口 宜秀、林 明子、石橋 智子 機能形態学教室 研究1号館201号室
吉川 大和、山田 雄二、濵田 圭佑 病態生化学教室 研究2号館504号室
稲葉 二朗 薬学基礎実習教育センター 教育2号館3階2306号室

準備学習(予習・復習等)

実習のスケジュールを確認して、該当する実験書の範囲を1時間程度予習して実習に望むこと。また、実習で行ったことを、関連する授業の教科書やプリントで必ずその日のうちに1時間以上復習すること。

学生へのフィードバック

実習中、手技および臓器などの機能についてその場で、こまめにフィードバックを行う。実習終了時に、口頭試問にて実習結果に対するフィードバックを行う。

備考

実際に体験することによって、技能を習得し、知識を深めることを目標とする。また、命について自ら考える大切な機会である。
疾病のメカニズムを理解するためや、薬が体内でどのように作用しているかを理解するために、生物学・機能形態学的な知識が必要である。また、実習は自ら体験することによって、知識が深まる。自ら積極的に実習を行い、知識・技能の習得するように努めること。

ナンバリングコード

RG11201

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

科目検索について

検索するキーワードを入力して、検索ボタンをクリックします。
条件を指定した「AND検索」または「OR検索」が可能です。
 ・AND検索は指定したキーワードをすべて含むものを検索します。
 ・OR検索は指定したキーワードのいずれかひとつでも含むものを検索します。
※1つの入力欄に複数の条件を指定することはできません。

※1 キーワード検索は、3つまで同時に入れられます。
※2 検索がヒットしない場合は、キーワードを短縮してください。