薬学部シラバス2024
法学
Jurisprudence
1・2年 前期・後期 (選択)一般教養 1単位 | |
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田中 祥之 |
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授業の目的(ねらい)
ある著名な法学の研究者が、「われわれは、無数に電波のとびかう中で暮らしている。いつもは気がつかないでいるが、テレビやラジオのスイッチを入れてみると、目にみえ耳にきこえて来る。それと比較するのはおかしいかも知れないが、われわれは、無数の法規範がはたらいている中で生活している。そうして、何かの折に触れて、法による規制をうけていることを意識する」と述べています。この文章は1996年のものですが、現代社会においても妥当します。
医療従事者となる皆さんは、日々の生活だけでなく、職業人として特別な法の規制をうけることになります。
この講義では、法とは何か、法的思考とは何かを学ぶことを通じて、皆さんが医療従事者として社会で活動する際に理解しておくべき「法」についての知見を獲得することを目的とします。
学修到達目標
1)薬剤師の法的責任、遵守すべき法規範を理解し、患者・生活者の健康な生活を確保するという薬剤師の任務と法的な責任を自覚することができる。
2)薬剤師の任務を適正に遂行するために必要な法規範を理解し、薬剤師の業務と関連付けて説明することができる。
3)医薬品等による健康被害の重大性や被害者本人、家族等の全人的苦痛について理解し、薬害や医療事故防止に薬剤師が果たすべき法的役割や法的責任の重要性を説明することができる。
授業概要
次の項目について、講義する。
1)法学の基本事項
2)法学の思考枠組
3)公法と私法の概念
4)実体法と手続法の概念
5)具体的な社会事象に対する法適用のあり方
6)薬剤師の任務に関わる法律の規定
7)薬剤師の業務に関わる民事責任、刑事責任の規定
授業計画
回数 | 担当 | 内容 | コアカリとの 関連コード |
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1 | 田中 | 法学の基礎 | B-1-1-4,6 B-1-2-1 B-1-3-2~5 |
2 | 〃 | 憲法と人権 | B-1-2-1,4~6,11 B-1-3-2~4 |
3 | 〃 | 民事法 | B-1-2-1 B-1-3-3~6 |
4 | 〃 | 刑事法 | B-1-2-1,5~6,11 B-1-3-3~6 |
5 | 〃 | 手続法(民事訴訟法と刑事訴訟法を中心に) | B-1-2-5~6,11 B-1-3-3~6 |
6 | 〃 | 行政関連法令(薬機法・薬剤師法等を含む) | B-1-2-5~6,11 B-1-3-3~6 |
7 | 〃 | 労働法とその関連法令 | B-1-2-5~6 B-1-3-3~5 |
8 | 〃 | 調剤過誤と医療過誤について | B-1-2-5~6,11 B-1-3-3~6 |
9 | 〃 | 社会の出来事と法 | B-1-2-1,5~6,11 B-1-3-2~6 |
授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
学修した法学の知識を踏まえて、具体的な社会の出来事に対する法適用のあり方、その是非を考える時間を設けることにします。
成績評価方法
1)形成的評価
a)知識:ペーパー試験、課題レポート
2)総括的評価
a)知識:定期試験(50%)、課題レポート(50%)にて評価する。
教科書
指定しません。教員が毎回資料を配付します。
参考書
特にありません。講義で扱った事項について興味関心を持って貰える新書等の書籍を適宜紹介する予定です。
オフィスアワー
講義終了後に毎回質疑応答の時間を設けることにします。
準備学習(予習・復習等)
予習は必要ありません。復習としては、講義で扱った事項について学生同士や家族と具体的な社会の出来事を意識して考えてみることが望ましいです。
学生へのフィードバック
講義内でフィードバックを行います。
備考
ナンバリングコード
EJ11107