薬学部シラバス2024
倫理学
Ethics
1・2年 前期 (選択)一般教養 1単位 | |
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櫻井 浩子、猪俣 敦夫、加藤 大弥、本間 丈士 |
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授業の目的(ねらい)
現代社会においては、情報の漏洩などが発生すると盗難や窃盗とは異なり完全に元の状態に戻すことはほぼ不可能である。このため「情報」を適切に保護し、維持・管理し、運用をするといったことを網羅的に学んでおくことは私たちの生活において必須であり、そこに潜むリスクを見つけ出すことは喫緊の課題である。講義前半では、情報セキュリティを学ぶ上で特に医療全体において必要となるインターネットの技術的側面から、システムの安全性、リスクマネジメント、サイバーリスクといった幅広い領域を扱うこととする。後半では、医療現場における患者の個人情報について取り上げる。薬局における患者情報の取り扱い、情報システムとセキュリティ対策、今後のICT化の流れについて知る。そして、臨床現場で働く薬剤師に必要とされる倫理観について考え、多角的視点から臨床事案に対応できる知識を身につける。
学修到達目標
1)情報セキュリティに関する基礎的な知識の概説ができる。
2)インターネット上の情報について情報倫理、情報セキュリティに配慮して活用できる。
3)インシデントの概要を理解し対応策の概説ができる。
4)講義で得た知識を応用して医療現場における情報セキュリティ対策に役立たせることができる。
授業概要
次の項目について、講義する。
1)インターネットの仕組みとリスク対応
2)情報セキュリティに関する法制度
3)インシデント
4)薬局における患者情報の取り扱い
5)薬局における情報システム
授業計画
回数 | 担当 | 内容 | コアカリとの 関連コード |
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1 | 猪俣 | 情報セキュリティ基礎:インターネットとその裏に潜むリスクインターネット技術を概観するとともに、サイバーリスクとして過去に起きたサイバー事件や情報セキュリティに関わる法律に触れる | B-5-2-1~2 |
2 | 〃 | 情報セキュリティ基礎:暗号技術共通鍵暗号と公開鍵暗号の仕組みを理解し、インターネットとの関わりを概観する | B-5-2-1~2 |
3 | 加藤 | サイバー攻撃の脅威とその歴史:ネットワークを介した攻撃(サイバー攻撃)の脅威や歴史を実例を交えながら紹介する | B-5-2-1 |
4 | 〃 | 身の周りの情報の取り扱い、発信とその脅威:個人情報等の取り扱いや、SNS等での情報発信を行う際に起こる脅威を紹介し、そこで扱われる情報についてまとめる | B-5-2-1 |
5 | 〃 | 医療情報システムとサイバーセキュリティ:これまでの講義を踏まえ、医療情報システムを扱う上でのリスクについて実例を交えながら考える | B-5-2-3~4 |
6 | 〃 | セキュリティインシデントへの対応:医療現場で発生しうるセキュリティインシデント(事故)を想定し、その対応方法を学ぶ | B-5-2-5 |
7 | 本間 | 薬局における情報の取り扱いについて:薬局における調剤の流れや在宅医療、使用する調剤機器などについてまとめる、また、今後はじまる電子処方箋、マイナンバーについて紹介する | F-5-1-10 |
8 | 櫻井 | まとめ | B-5-2-1~5 |
授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
グループワークや発言の機会を設け、講義内容を主体的に考え理解するよう促す。
WebClassにて講義資料をダウンロードできるようにし、授業外学習を促す。
成績評価方法
<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:授業内における質疑応答により到達レベルを評価する。
2) 総括的評価
a) 知識:試験(100%)にて評価する。
教科書
参考書
オフィスアワー
櫻井 浩子(生命・医療倫理学研究室・教授):いつでも可。但し、メール(sakurai@toyaku.ac.jp)による予約が必要。
準備学習(予習・復習等)
情報セキュリティに関するニュースなどを読み、現状や背景を調べておくこと。
学生へのフィードバック
学生から寄せられた質問や感想などに対して、必要に応じて次回授業中に全学生に対してその内容を伝え、解説を加える等の対応を行っている。
備考
ナンバリングコード
EJ11109 / EH1104