薬学部シラバス2024
コンピュータシミュレーションの基礎
Fundamentals of Computer Simulation
1年 後期 (選択)一般教養 1単位 | |
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横島 智、倉田 香織、山田 寛尚、篠田 恵子 |
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授業の目的(ねらい)
計算科学、コンピュータシミュレーションは様々な分野で利用され、実際に行うためには様々な知識、技能が必要となるため、分子モデリングソフトウェアを利用しながら学ぶ。また、医薬品となる有機化合物をコンピュータ上で観察し立体化学、医薬品に関する理解を深める。さらに、コンピュータシミュレーションを利用する際に必要なコンピュータの知識・技能(Information and Communication Technology(ICT))への幅広い理解を深める。
学修到達目標
1) 化学構造式描画ソフトウェアを用いて化学物質の立体構造をシミュレートできる。
2) 有機化合物をモデリングし、その安定コンホマーを分子力学法により探索できる。
3) 有機化合物をモデリングし、分子動力学法により分子運動をシミュレーションできる。
4) 構造異性体および立体異性体をモデリングし、異性体の特徴やキラリティについて説明できる。
5) カテコールアミン骨格やステロイド骨格を持つ医薬品をモデリングし、その化学構造に基づく性質について説明できる。
6) PDBから入手した構造データを用いて、 生体高分子と医薬品の相互作用における立体構造的要因について説明できる。
7) グラフィクスプログラム言語であるDesign by Numbers(DBN)を用いて画像をプログラミングすることができる。
8) 分子動力学計算ソフトNAMDと対応するビューアVMDの使用法を理解し、熱力学的な考え方を学ぶ。
授業概要
次の項目について、講義(演習)を行う。
1)化学構造描画ソフトウェアを用いた分子モデリングの実施
2)分子力学法を用いて有機化合物の安定コンホマーの探索
3)分子動力学法を用いて有機化合物の分子運動を観察
4)グラフィクスプログラム言語(Design by Numbers(DBN))によるプログラミングの理解
5)DBNを用いてグラフィクスやアニメーションの描画
6)コマンドによるコンピュータ操作法の理解と実施
7)分子動力学ソフトウェアと分子を描画するソフトウェアのインストール、操作、解析
8)分子動力学計算と薬学との関係
授業計画
回数 | 担当 | 内容 | コアカリとの 関連コード |
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1 | 倉田、山田 | ChemBioOfficeを使って分子モデリングを学ぶ(1) (分子力学法による安定コンホマーの探索および分子動力学法による分子運動の観察) |
C-4-3-1 C-4-4-2 T-1-1-1 |
2 | 山田 | ChemBioOfficeを使って分子モデリングを学ぶ(2) (構造異性体と立体異性体の観察) |
C-3-2-1~2 |
3 | 山田 | ChemBioOfficeを使って分子モデリングを学ぶ(3) (医薬品と生体分子の構造) |
C-3-2-1~2 |
4 | 山田 | Design by Numbers(DBN)を使ってプログラミングを読む、書く(1) | T-1-1-1 |
5 | 山田 | Design by Numbers(DBN)を使ってプログラミングを読む、書く(2) | T-1-1-1 |
6 | 〃 | コマンドによるコンピュータ操作 | B-5-2-1 T-1-1-1 |
7 | 横島 | 分子動力学プログラムとビューアのインストールと説明 | C-1-1-2~5 |
8 | 篠田,横島 | 分子動力学計算と薬学との関係 | C-1-1-6 |
9 | 横島 | RMSDの計算 | C-1-3-1~2 |
授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
毎回の授業では1つ以上の課題に取り組みます。授業後に理解度を自己評価していただきます。単位認定課題を実施した感想とルーブリックによる自己評価を行います。また、各自のeポートフォリオを作成します。
コンピュータシミュレーションの基礎は演習を主体とし、各テーマに沿って操作手順を示したプリントに従い、演習を行います。また、各テーマ終了時に単位認定課題を課し、各自で習熟度を評価できるようにしています。応用力を試す良い機会ですので、積極的に取り組んでください。
成績評価方法
<レポート・課題により評価する>
1)形成的評価
a)知識:演習課題毎にフィードバックする。
b)技能:演習課題毎にフィードバックする。
c)パフォーマンス:各演習課題内容の到達度をルーブリック評価表を用いて評価する。
2)総括的評価
a)知識:演習課題を総合的に評価する(20%)。
b)技能:単位認定課題を総合評価する(50%)。
c)演習内容全般の到達度をルーブリック評価表を用いて評価する(30%)。
なお、出席不良者(1/3 以上の欠席者)および課題提出不良者(1/3以上の未提出)に対しては単位を認定しない場合がある。
教科書
各テーマに沿って事前準備、操作手順、課題を示したプリント教材を作成します。
参考書
特に指定しません。
オフィスアワー
特に設定しませんが、前もって電子メール等で日時予約をしてください。
準備学習(予習・復習等)
プリント教材は、第1回目の演習の際に配布する。各回の操作手順には事前に目を通しておくと慌てずにすみますし、考えながら演習を行う余裕ができます。また、WebClass上にも必要に応じて資料を掲載するので、よく読んで理解に努めてください。
学生へのフィードバック
授業終了後に理解度調査を行い、その結果を授業翌日にフィードバックします。
フィードバックの内容をふまえて、単位認定課題を実施してください。
備考
ナンバリングコード
EJ11204