薬学部シラバス2024
量子化学入門
Quantum Chemical Calculations
1・2年 後期 (選択)一般教養 1単位 | |
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横島 智 |
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授業の目的(ねらい)
薬学では、薬の分子や生体分子を扱っていくが、それが働く場はミクロな世界になるため、量子力学の理解が必要な場面が多い。しかし、量子力学は通常の我々の感覚と異なる世界であり、数学的にも難しいこともあって、なかなか取り組みにくい。本講義では、量子科学計算ソフトを使うことで、少しでも身近に分子の振舞いについて理解してもらうことを目指している。
学修到達目標
興味を持った分子について、量子化学計算の手法を用いて、その性質を計算することが出来る。
授業概要
次の項目について、講義、演習する。
1)自身のコンピューターへの量子科学計算ソフトGAMESSのインストールと以下の内容の計算
2)分子軌道
3)構造最適化
4)振動解析
5)電子励起状態計算
6)遷移状態計算
授業計画
回数 | 担当 | 内容 | コアカリとの 関連コード |
---|---|---|---|
1 | 横島 | 量子力学と量子化学計算 | C-1-1-1 |
2 | 横島 | GAMESSの導入 | T-1-1-1 |
3 | 横島 | 分子軌道法 | C-1-1-1 |
4 | 横島 | 構造最適化 | T-1-1-1 |
5 | 横島 | 振動解析 | C-1-2-2 C-1-3-3 |
6 | 横島 | 密度汎関数法 | T-1-1-1 |
7 | 横島 | 励起状態計算 | C-1-2-2 |
8 | 横島 | 遷移状態計算 | C-1-4-3 |
9 | 横島 | 振り返りとまとめ | T-1-1-1 |
授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
各単元において、パソコンを用いて具体的な問題に取り組んでもらうことで、パソコンを活用するノウハウを段階を踏みながらその場で身につけることが出来る。また、プログラミングの基礎を少しではあるが学ぶことで、ソフトウエアをただ使うばかりでなく、その背景にあるものを意識できるようになる。
成績評価方法
<レポート・課題により評価する>
1) 形成的評価
知識、技能:授業中に個別に確認していく。
態度:コンピューターを使って計算をしていく上で心がけなければいけないことを授業中に指摘していく。
2) 総括的評価
知識:計算課題の提出物の内容を評価する。(100%)
技能:計算課題を実行し提出すること自体が技能評価の対象である。
また、課題は全て提出しなければならない。
教科書
特に教科書は指定せず、適宜資料を与える。
参考書
理論的な面については、やや難しいが
「量子化学入門(上)、(下) 米沢貞次郎、他著 化学同人 ISBN4-7598-0097-2, ISBN4-7598-0098-0」
がよく書けている。
オフィスアワー
いつでも可。
準備学習(予習・復習等)
計算などでコンピューターを使うので、必ず、毎授業コンピューターを持参して下さい。また、WebClassに授業で使うスライドを載せますので、予習、復習のために活用して下さい。授業前にスライドを確認し、ダウンロードする必要がある教材がある場合には、授業前にダウンロードを終わらしておくと、授業中に課題などに取り組みやすくなる。課題によっては、取り組むのに時間がかかるものもあるので、課題が出たら早めに取り組み、疑問点があるようならば、質問して疑問を解消しておくとよい。
学生へのフィードバック
課題提出締め切り後、提出された課題を示しながら、良かった点、問題点、課題の持つ意味や、薬学との関連、関連分野との関係などについて解説します。また、授業前、授業中、授業後すべてを通じて適宜受講生の疑問に答え、それを授業に反映します。
備考
ナンバリングコード
EJ11209