薬学部シラバス2024
化学入門
Introduction to Chemistry
1年 前期 自由科目 1単位 | |
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古石 裕治、吉田 君成 |
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授業の目的(ねらい)
初年次前期に学修する「基礎有機化学」と「無機化学」、及び「化学平衡論」は、生体分子・医薬品などを「化学」の視点から理解するための大変重要な基盤となるため、確実に修得することが求められる。本演習では、これら必修科目の学習・修得をサポートするために、初学者が感じやすい「化学の難しさ」に対して、できるだけ平易かつ論理的な考え方を示しながら理解できるよう演習形式の授業を行う。よって、これら必修科目を理解するための化学の礎となる重要な基礎的事項を学修する。
学修到達目標
今後の薬学を学んでいく上での最も基本的な化学の知識・考え方を習得する。
授業概要
第1~4回:物質の物理的性質、化学的性質を理解するために、物質を構成する原子・分子の構造、及び化学結合に関する基本事項を修得する。具体的には、まず、混成軌道・共鳴構造式の書き方および官能基による電子効果について修得する。続いて、物質の酸性度・塩基性度が修得できるように授業内容を組み立てている。
第5~8回:生体物質としての様々なカルボニル化合物の構造と性質について、基本的な知識を習得する。糖、脂質、ペプチドの構造と性質を理解することで、今後の細胞生物学、生化学、その他臨床系科目の学習に役立つ内容としている。
第9回:到達度確認のための演習試験を30分程度で実施した後、解説を行う。残りの時間は質疑応答の時間とする。
授業計画
回数 | 担当 | 内容 | コアカリとの 関連コード |
---|---|---|---|
1 | 古石 | 混成軌道と結合角 | C-1-1-1 C-3-1-2 |
2 | 古石 | 共鳴理論の基礎:「極限構造式」を複数用いて表される構造 | C-1-1-1 C-3-1-2 |
3 | 古石 | 共鳴理論の基礎:官能基による電子効果を考えた共鳴構造式の表現 | C-1-1-1 C-3-1-3 |
4 | 古石 | 酸性度・塩基性度 | C-3-1-5 |
5 | 吉田 | ケトン及びアルデヒド:活性メチレンの酸性度、ケト・エノール互変異性、アルドール反応、gem-ジオール、アセタール | C-3-1-2,4~6 C-3-3-9 |
6 | 吉田 | 糖:グルコースの鎖状構造と環状構造、フィッシャー投影式、α-グルコースの変旋光、α-グルコースとβ-グルコース、グリコシド結合 | C-2-2-3 C-3-1-2,5~6 |
7 | 吉田 | エステル:トリグリセリドの構造と性質、細胞の脂質二重膜、リパーゼ | C-3-1-2,5~6 C-3-3-10 |
8 | 吉田 | ペプチド:ペプチド結合の構造と性質、アミノ酸及びその双性イオンの構造と性質 | C-3-1-2~3,5 C-3-3-10~11 |
9 | 古石、吉田 | 到達度確認のための演習問題および質疑応答 | C-1-1-1 C-3-1-2~3,5~6 C-4-2-1 |
授業で行っている工夫(アクティブラーニング、思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
配布プリントは、空欄が設定されており、授業説明中において、解法のポイントや軌道図、反応機構などを書き込む形式となっており、より理解ができるように工夫している。問題を解く時間も設定しているので、質問を受けながら適切なアドバイスができるようにしている。さらに、オフィスアワー、学習相談を原則常時受け付けていて、学生の自学習を補佐している。
成績評価方法
1)形成的評価
知識:各講義終了後に WebClass 上に復習用の資料を掲載する。適宜演習問題とその解答・解説を掲載するなどして学生がそれぞれのペースで自学習を行い、自身の形成的評価を自分で行うことを補佐する。
2)総括的評価
知識:1~4回および5~8回講義について、それぞれの終了後の課題レポート(100%)にて評価する。
教科書
マクマリー有機化学 第9版上巻、中巻及び下巻(J. McMurry 著 伊東ら 訳 東京化学同人)
ベーシック薬学教科書シリーズ4 無機化学(青木 伸 編 化学同人)第1版 第16刷以降
参考書
前期に開講されている他の化学系科目の教科書なども参考としてください。
オフィスアワー
古石:いつでも可 薬学教育推進センター 教育2号館1階2109または2110
メールでも質問を受け付け可:kosekiy@toyaku.ac.jp
吉田:いつでも可 薬学教育推進センター 教育2号館1階2109
メールでも質問を受け付け可:kyoshida@toyaku.ac.jp
準備学習(予習・復習等)
すでに「無機化学」「基礎有機化学」の授業が行われておりますので、授業を受けた内容を必ず復習しておいてください。WebClass に掲載された資料の内容や例題に目を通し、できれば問題に取り組んでおくとよいでしょう。復習としては、授業で行った問題はもう一度必ず解き直し、自分の間違えた問題とその解法のポイントを確認しておくことが大事です。不明な部分は授業後に質問してください。
学生へのフィードバック
本科目は、どちらかというと、化学が苦手な学生が履修するように設定されております。よって、不明な部分はなるべく質問して、授業時間または授業後に解決できるように配慮いたします。
備考
ナンバリングコード
OJ11103