薬学部シラバス2024
医薬品開発特論
Advanced Topics in Drug Development
6年 前期 (選択)専門科目Ⅱ 1単位 | |
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恩田 健二 降幡 知巳 田中 祥子 柴崎 浩美 横川 彰朋 鈴木 賢一 (講義順) |
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学習目標(GIO)
近年の医薬品開発技術の進展により、これまでにない医薬品として登場した分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は、がんを含む多くの難治疾患の薬物治療に変革をもたらした。その進歩は現在進行形である。本講義では、現在の臨床に欠かすことのできない存在となった分子標的薬等をテーマとして取り上げ、基礎と臨床にかかる医薬品開発の話題や関連情報を最新の情報を含めて広く取り上げる。
本講義により、5年次に実務実習で得た関連知識の復習や不足部分の強化を図るだけでなく、卒業後の進路として病院、薬局、製薬企業などを問わず、分子標的薬および免疫チェックポイント阻害薬の適正使用と安全性確保に関わる全ての薬剤師に共通する役割について理解と認識を深めることを目的とする。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 代表的なサイトカイン、増殖因子を挙げ、生理活性および作用機構について概説できる。 | C7-2-4-1 C8-1-1-1 C8-1-2-1~3 C8-1-3-4~5 C8-2-1-1 |
2 | モノクローナル抗体とポリクローナル抗体、抗体医薬、組換え体医薬品について説明できる。 | E2-8-1-1~3 |
3 | 生理活性物質の受容体、細胞内情報伝達について説明できる。 | E1-1-1-2~5 |
4 | 種々の疾患(免疫アレルギー疾患、関節リウマチ、膠原病、炎症性腸疾患、加齢黄斑変性、アトピー性皮膚炎、乾癬等)の病態生理、分子標的治療薬について説明できる | C8-2-1-2~5 E2-2-2-6 E2-2-3-1~2 E2-2-4-1 E2-4-1-1 E2-4-2-2 E2-6-1-3 E2-6-3-1,4 |
5 | 分子標的薬の主作用と副作用、毒性および有害事象について説明できる。 | E1-4-1-1 E1-4-2-1 |
6 | 代表的な副作用について説明できる。 | E1-4-3-1 |
7 | 抗悪性腫瘍薬の主な副作用(下痢、悪心・嘔吐、白血球減少、皮膚障害(手足症候群を含む)、血小板減少等)の軽減のための対処法を説明できる。 | E2-7-8-3 |
8 | 副作用の因果関係を評価するための方法(副作用判定アルゴリズムなど)について概説できる。 | E3-1-6-4 |
9 | リスク要因の評価として、オッズ比、相対危険度、寄与危険度および信頼区間について説明し、計算できる。(知識・技能) | D1-1-3-4 E3-1-6-9 |
10 | 医薬品リスクマネジメントについて説明できる。 | E3-1-1-5 |
11 | 医薬品の開発過程で行われる試験(非臨床試験、臨床試験、安定性試験等)と得られる医薬品情報について概説できる。 | E3-1-1-3 |
12 | データベースの特徴と活用について概説できる。 | X-8-2-5 |
13 | 抗悪性腫瘍分子標的治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用、相互作用、組織移行性)および臨床適用を説明できる。 | E2-7-8-1 |
14 | 代表的ながん化学療法のレジメン(FOLFOX 等)について、構成薬物およびその役割、副作用、対象疾患を概説できる。 | E2-7-8-4 |
15 | 白血病、悪性リンパ腫、消化器系悪性腫瘍、肺癌、生殖器腫瘍、乳癌、腎・尿路系悪性腫瘍等の薬物治療を説明できる。 | E2-7-8-3,5~13 |
16 | 分子標的薬の血中濃度測定法と体内動態について概説できる。 | E4-2-2-1~2 |
17 | 分子標的薬の薬物相互作用を列挙し、その機序を説明できる。 | E1-1-1-6,8 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1,2 | 恩田 | 分子標的薬の総論、自己免疫疾患等における分子標的薬 | 1-4 |
3,4 | 降幡 | がん分子標的薬の発展とがんゲノム医療 | 5,11-15 |
5,6 | 田中 | 分子標的薬の医薬品開発の事例から学ぶ | 7,11,15 |
7,8 | 恩田 | 分子標的薬の副作用と対応など | 5-12 |
9 | 柴崎 | 分子標的薬 (低分子) のTDMと相互作用 | 16,17 |
10 | 横川 | 分子標的薬 (高分子) のTDMと相互作用 | 16,17 |
11,12 | 鈴木 | がん薬物療法の臨床と開発(分子標的薬) | 13-15 |
13 | 鈴木 | がん薬物療法の臨床と開発(免疫チェックポイント阻害薬) | 13-15 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
講義の中で、教員から学生に質問したり、意見を求めることがある。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
成績評価方法
<試験、レポート・課題により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識: 講義内で確認試験を実施して知識の到達レベルを確認している。
2) 総括的評価
a) 知識: 講義内確認試験(80%)およびレポート(20%)にて評価する。
教科書
WebClassにて講義資料を提示する。
参考書
臨床薬理学 / 日本臨床薬理学会編集 ; 医学書院
オフィスアワー
いつでも可。但しメールでの予約が必要。
所属教室
恩田 健二 臨床薬理学教室
降幡 知巳 個別化薬物治療学教室
田中 祥子 臨床薬理学教室
柴崎 浩美 個別化薬物治療学教室
横川 彰朋 個別化薬物治療学教室
鈴木 賢一 臨床薬理学教室
準備学習(予習・復習等)
講義について事前の予習は必要ありません。講義後に内容を復習し、興味を持った内容については各自で関連情報を調べ、理解を深めること。
学生へのフィードバック
学生から寄せられた質問や感想などに対して、必要に応じて授業中に全学生に対してその内容を伝え、解説を加えるなどの対応を行っている。
教員からの一言
備考
実務家教員担当科目
ナンバリングコード
EH6101