薬学部シラバス2024

プライマリケアⅢ
Primary Care Ⅲ

 6年 前期 (選択)専門科目Ⅱ 1単位
岩瀬 哲(埼玉医科大学病院 緩和医療科)
山上 睦実(東京大学医学部附属病院 看護部)
三浦 恵美子(聖母会聖母病院 看護部)
山田 尚子(東京大学医学部附属病院 緩和ケア診療部)
黒田 誠一郎(東京大学医科学研究所附属病院 薬剤部)
坂本 岳志(あけぼの薬局)
杉浦 宗敏

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学習目標(GIO)

プライマリケアとは幅広く国民の健康福祉に関わる問題を総合的に解決していく活動である。超高齢化社会を向かえたわが国においてその一端を担う薬剤師への社会の期待は大きい。プライマリケアの実践におけるキーワードには地域、包括、協調、継続などが挙げられる。本講義では多職種によるチーム医療が展開される緩和医療を例にして、プライマリケアの視点を踏まえながらチームの中で各職種が効果的な医療を実現するために専門的な知識や技術を生かすためにどのようなアプローチを行っているかを知るとともに薬剤師に求められる知識や技術を習得することを目的とする。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 医療に関わる倫理的問題を列挙し、その概略と問題点を説明できる。 A-1-1-1
2 患者・生活者の健康の回復と維持に積極的に貢献することへの責任感を持つ。(態度) A-1-1-2
3 チーム医療や地域保健・医療・福祉を担う一員としての責任を自覚し行動する。(態度) A-1-1-3
4 様々な死生観・価値観・信条等を受容することの重要性について、自らの言葉で説明する。(知識・態度) A-1-1-7
5 現代社会が抱える課題(少子・超高齢社会等)に対して、薬剤師が果たすべき役割を提案する。(知識・態度) A-1-2-8
6 生命の尊厳について、自らの言葉で説明できる。(知識・態度) A-2-1-1
7 生と死に関わる倫理的問題について討議し、自らの考えを述べる。(知識・態度) A-2-1-3
8 科学技術の進歩、社会情勢の変化に伴う生命観の変遷について概説できる。 A-2-1-4
9 患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる。 A-2-3-3
10 意思、情報の伝達に必要な要素について説明できる。 A-3-1-1
11 対人関係に影響を及ぼす心理的要因について概説できる。 A-3-1-4
12 他者の意見を尊重し、協力してよりよい解決法を見出すことができる。(知識・技能・態度) A-3-1-9
13 チーム医療に関わる薬剤師、各職種、患者・家族の役割について説明できる。 A-4-3-1
14 チームワークと情報共有の重要性を理解し、チームの一員としての役割を積極的に果たすように努める。(知識・態度) A-4-5-1
15 在宅医療及び居宅介護における薬局と薬剤師の役割について説明できる。 B-4-2-2
16 麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用(WHO 三段階除痛ラダーを含む)を説明できる。 E2-1-3-2
17 がん終末期の病態(病態生理、症状等)と治療を説明できる。 E2-7-9-1
18 がん性疼痛の病態(病態生理、症状等)と薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-7-9-2
19 チーム医療における薬剤師の役割と重要性について説明できる。 F-4-1-1
20 多様な医療チームの目的と構成、構成員の役割を説明できる。 F-4-1-2
21 病院と地域の医療連携の意義と具体的な方法(連携クリニカルパス、退院時共同指導、病院・薬局連携、関連施設との連携等)を説明できる。 F-4-1-3
22 医師・看護師等の他職種と患者の状態(病状、検査値、アレルギー歴、心理、生活環境等)、治療開始後の変化(治療効果、副作用、心理状態、QOL 等)の情報を共有する。(知識・態度) F-4-1-5
23 病院内の多様な医療チーム(ICT、NST、緩和ケアチーム、褥瘡チーム等)の活動に薬剤師の立場で参加できる。(知識・態度) F-4-1-9
24 地域における医療機関と薬局薬剤師の連携の重要性を討議する。(知識・態度) F-4-2-2
25 現在の医療システムの中でのプライマリケア、セルフメディケーションの重要性を討議する。(態度) F-5-1-3

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1-3 坂本、杉浦 保険薬局における在宅緩和医療 1-25
4-6 山田、杉浦 終末期がん患者の臨床心理 1-25
7-9 岩瀬、杉浦 在宅移行ケア
遠隔診療システム
1-25
10-12 黒田、杉浦 緩和医療と薬剤師 1-25
13-15 三浦、山上、杉浦 終末期がん患者の看護 1-25

アクティブ・ラーニングの取り組み

講義の中で講師との質疑を積極的に盛り込み、医療現場の現状を実感できるようにしている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

臨床現場で活躍する各職種の講師により緩和医療の現状を紹介する。チーム医療に薬剤師が関わる場面をイメージできるように実症例を盛り込んだ講義内容としている。

成績評価方法

<レポート・課題とそれ以外の方法で評価する>
2) 総括的評価
a) 知識:課題レポートの提出状況と内容を総合的に評価する(75%)。
c) 態度:講師への質問や個々の意見等の発言状況を総合的に評価する(25%)。

教科書

講義開始時に毎回講義内容に関するレジメを配布する。

参考書

がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2020年版:日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン作成委員会編(金原出版)
臨床緩和医療薬学:日本緩和医療薬学会編(真興交易(株)医書出版部)

オフィスアワー

杉浦 宗敏 いつでも可。ただし、メール等で事前に連絡を入れること。

所属教室

杉浦 宗敏 医薬品安全管理学教室 医療棟3階 M304

準備学習(予習・復習等)

実務実習で緩和ケアに関連した経験をした場合はその内容や学べとことを復習しておくこと。
オピオイドを中心とした鎮痛薬に関する知識を整理しておくこと。

学生へのフィードバック

各講義で提出したレポートは全講義終了時までに各自に返却する。

教員からの一言

講義の際には疑問に感じたことや実務実習で緩和ケアに関して経験した内容等を積極的に講師に伝えること。

備考

実務家教員担当科目

ナンバリングコード

EH6104

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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