薬学部シラバス2024
医療コミュニケーション
Medical Communication
2年 前期 2年必修科目 1単位 | |
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小林 聡子 益山 光一 (取り纏め) |
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学習目標(GIO)
信頼される薬剤師として働くためには、薬学的知識(対物)だけでなく、医療従事者として、人を思い敬う態度、人間関係を良好に育む(対人)コミュニケーション力をもつことが求められます。本講義の目的は、患者さんや職場の同僚と良好な対人関係を形成するために必要な人間関係の基礎理論の知識およびコミュニケーションスキルを習得することです。
前半は人間の心と行動の理解に役立つ、心理学的知見を紹介します。後半は、心理療法の基礎理論を学びながら、さまざまな事例を通して、薬剤師として必要なコミュニケーションスキルを習得することを目指します。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 人間の一生についての多様な価値観を知る。 | A-1-1-5~7 |
2 | 患者・患者家族が医療人に期待することを知り、医療の担い手にふさわしい態度を示すに際しての基本的理論と態度を学ぶ。 | A-1-1-1~4 |
3 | 病気が患者に及ぼす心理的影響について説明できる。 | A-3-2-1 |
4 | 患者の「病の解釈モデル」を傾聴し、心理状態を把握し、配慮することができる。 | A-3-1-5 |
5 | 患者家族の心理状態を把握し、配慮することができる。 | A-3-1-5 A-4-3-1 |
6 | 患者やその家族の持つ価値観が多様であることを認識し、柔軟に対応する。 | A-3-1-3 |
7 | 相手の心理状態とその変化に配慮し、受容・共感的に関わることが出来る。 | A-3-1-5~6 |
8 | 対人関係に影響を及ぼす心理的要因を概説できる。 | A-3-1-4,6 |
9 | 人間関係と健康心理について概説できる。 | A-3-2-1 |
10 | 意思、情報の伝達に必要な要素を列挙し、言語的および非言語的コミュニケーションの方法を概説できる。 | A-3-1-1~2 |
11 | 相手の立場、文化、習慣などによって、コミュニケーションのあり方が異なることを例示できる。 | A-3-1-3~4 |
12 | 基本的なコミュニケーションスキルを習得し、相手と円滑に対応することができる。 | A-3-1-7~8 |
13 | 対立意見を尊重し、協力してよりよい解決方法を見出すことができる。 | A-3-1-9 |
14 | チームワークの重要性を例示して説明できる。チームに参加し、協調的態度で役割を果たす意義について概説できる。 | A-4-1-1 A-4-3-1 A-4-4-1 A-4-5-1 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 小林 | 患者の心理(1) | 1-14 |
2 | 〃 | 患者の心理(2) | 1-14 |
3 | 〃 | 交流分析理論 | 1-14 |
4 | 〃 | コミュニケーションスキルの基礎と自己理解 | 1-14 |
5 | 〃 | 対人関係に影響を及ぼす心理的要因 | 1-14 |
6 | 〃 | ストレス・健康心理学 | 1-14 |
7 | 〃 | 心理的問題への理解と支援 | 1-14 |
8 | 〃 | 患者理解とその対応1:生活習慣病 認知症 | 1-14 |
9 | 〃 | 患者理解とその対応2:癌患者とその家族 | 1-14 |
10 | 〃 | 患者理解とその対応3:精神疾患患者とその家族 | 1-14 |
11 | 〃 | コミュニケーションスキルの実際1:共感と傾聴、質問の仕方 | 1-14 |
12 | 〃 | コミュニケーションスキルの実際2:ソーシャルスキルトレーニング アサーションスキルトレーニング | 1-14 |
13 | 〃 | チーム医療での多職種連携および医療者のセルフケア | 1-14 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
ワークにより、カウンセリングスキルの習得、体験的理解を促す。
心理検査を実際に体験することにより、自己理解を促す。
各回、感想レポート、もしくは課題を提出する。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
コミュニケーションの基礎的な知識の習得だけでなく、実際にワークなどを行いながら、知識を適切に処理し対応する力を身につけられるよう目指す。
成績評価方法
<レポート・課題とそれ以外の方法により評価する>
1) 形成的評価
a)知識:レポート・課題提出、小テストにより理解度を確認
2) 総括的評価
a) 知識:レポート課題(50%)、小テスト(50%)にて評価する。
教科書
基礎から学ぶ!行動科学 理論とその技法
(日本ファーマシユーティカルコミュニケーション学会編 薬事日報社)
参考書
ヒルガードの心理学 第16版(リタ・L・アトキンソン 他 著 内田一成監訳 金剛出版)
その他の参考書については、講義内で紹介します。
オフィスアワー
講義の前後に質問を受け付けます。(メールでの質問は不可)
所属教室
準備学習(予習・復習等)
予習:教科書の該当箇所について確認しておく。また常日頃から、信頼される薬剤師になるためにはどのような知識やコミュニケーションスキルが必要か、考えておく。
復習:演習を振り返り、出来たこと、苦手なことなどを整理する。
学生へのフィードバック
ワークや課題を行うにあたり、適宜必要な知識やスキルを伝え、解説を行うなどの対応を行う。
教員からの一言
人とよりよいコミュニケーションをとるために大事なことは、自分自身のことを理解しておくことです。自分自身の性格やコミュニケーションの癖など、日常から意識しておくとよいでしょう。その上で、ワークや事例を学びながら、知識および基本的なコミュニケーションスキルを身につけることによって、将来患者さんに対してゆとりをもって対応することができるようになることを目指します。
備考
ナンバリングコード
RB2101