薬学部シラバス2024

臨床分析化学
Clinical Application of Analytical Chemistry

 2年 前期 2年必修科目 1単位
袴田 秀樹、小谷 明

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学習目標(GIO)

薬学の臨床や研究で分析技術を適切に応用するために、代表的な分析法の基本的知識を修得する。具体的には、生体試料の取り扱いと前処理法、電磁波を利用する分析法、電気分析法、クロマトグラフィーや電気泳動による分離分析法、免疫学的測定法など、臨床や研究で使用されている分析法の原理と応用例を学修する。加えて、最近の臨床検査の測定原理の概略を身につけ、更に代表的な画像診断技術の基本を学修する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 分析目的に即した試料の前処理法を説明できる。 C2-6-1-1
2 臨床分析における精度管理および標準物質の意義を説明できる。 C2-6-1-2
3 分析法のバリデーションについて説明できる。 C2-1-1-3
4 紫外可視吸光度測定法の原理および応用例を説明できる。 C2-4-1-1
5 蛍光光度法の原理および応用例を説明できる。 C2-4-1-2
6 原子吸光光度法、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法およびICP 質量分析法の原理および応用例を説明できる。 C2-4-1-4
7 赤外吸収(IR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 C2-4-1-3
8 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 C2-4-2-1
9 電解質溶液の電気伝導率およびモル伝導率の濃度による変化を説明できる。 C1-2-6-3
10 代表的なドライケミストリーについて概説できる。 C2-6-2-4
11 クロマトグラフィーの分離機構を説明できる。 C2-5-1-1
12 液体クロマトグラフィーの特徴と代表的な検出法を説明できる。 C2-5-1-3
13 クロマトグラフィーを用いて試料を定性・定量できる。(知識・技能) C2-5-1-5
14 電気泳動法の原理および応用例を説明できる。 C2-5-2-1
15 臨床分析で用いられる代表的な分析法を列挙できる。 C2-6-2-1
16 免疫化学的測定法の原理を説明できる。 C2-6-2-2
17 酵素を用いた代表的な分析法の原理を説明できる。 C2-6-2-3
18 代表的な画像診断技術(X 線検査、MRI、超音波、内視鏡検査、核医学検査など)について概説できる。 C2-6-2-5
19 化学発光・生物発光の原理およびそれを利用する測定法を説明できる。 Y-3-11-2
20 質量分析法の生体分子解析への応用例について説明できる。 Y-3-13-1
21 代表的なセンサーを列挙し、原理および応用例を説明できる。 Y-3-18-2

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 袴田 イントロダクション 臨床における分析化学の役割、臨床検査の目的、臨床検査の種類
検査結果の意味づけ、基準値、病態識別値、精度管理の目的、精度管理の意義
2,15
2 分析データの取り扱い 分析法の評価、分析法バリデーション、日常検査の精度管理、標準物質と標準化 3
3 生体試料(検体)の取り扱い 分析方法の選択、生体試料の採取、生体試料の保存と前処理 1
4 赤外吸収スペクトル測定法の原理と応用例、核磁気共鳴スペクトル測定法の原理と応用例 7,8
5 小谷 紫外可視吸光光度法を用いる臨床検査法 光分析総論、紫外可視吸光光度法の原理、臨床検査における測定例 4,6,10
6 蛍光光度法又は発光を用いる臨床検査法 蛍光光度法の原理、臨床検査における測定例、発光を用いる分析法 5,19
7 電気分析法を用いる臨床検査法 電気分析法の原理、センサーによる臨床検査 9,21
8 クロマトグラフィー クロマトグラフィーの原理、HPLC における種々の高感度検出法、HPLCを用いる臨床検査法 11,12,13,20
9 袴田 電気泳動法 ゲル電気泳動、電気泳動を用いる臨床検査法、キャピラリー電気泳動(1) 14,15
10 電気泳動法 ゲル電気泳動、電気泳動を用いる臨床検査法、キャピラリー電気泳動(2) 14,15
11 生物学的分析法 バイオアッセイ、酵素化学的分析法、イムノアッセイを用いる臨床検査(1) 16,17
12 生物学的分析法 バイオアッセイ、酵素化学的分析法、イムノアッセイを用いる臨床検査(2) 16,17
13 画像検査の基本 内視鏡検査、X 線CT (コンピュータ断層撮影)、MRI、核医学検査 18

アクティブ・ラーニングの取り組み

自学習できる小テストをWebClassに掲載し、解説を行っている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

教科書としてプリントを作成し、修得すべき内容をあらかじめ提示している。講義はパワーポイントを活用している。

成績評価方法

<試験により評価する>
1)形成的評価
a)知識:小テストへの取り組みに基づき評価する。
2)総括的評価
a) 知識:中間試験(30%)と定期試験(70%)によって評価する。

教科書

プリントおよびスライドのWebClassでの配布

参考書

薬学生のための分析化学 第4版(楠 文代他著 廣川書店)
第十八改正日本薬局方解説書(廣川書店)
薬剤師に必要な臨床機器分析(秋澤俊史編集 廣川書店)
薬学生のための分析化学問題集(四宮一総 編集 廣川書店)

オフィスアワー

袴田 いつでも可。但し、要予約。hakaman@toyaku.ac.jp
小谷 いつでも可。但し、要予約。kotani@toyaku.ac.jp

所属教室

袴田 分析化学教室 研究4号館5階 4506室
小谷 分析化学教室 研究4号館5階 4505室

準備学習(予習・復習等)

1年の化学平衡論、分析化学、物理化学Ⅰで取り扱った内容をよく理解してから授業に臨んで下さい。授業前にWebClassにある資料をダウンロードして、分からないところを把握した上で、講義を受けて下さい。講義後は、小テストを解き、理解を確認してください。

学生へのフィードバック

中間試験の結果について、授業中にフィードバックを行います。

教員からの一言

分析化学を臨床へとつなげる科目ですので、製薬企業だけでなく、病院又は薬局の薬剤師として勤務するときに役立ちます。応用面を取り扱うため、難解な部分もありますが、小テストで理解度をチェックしながら、受講して欲しいと思います。

備考

ナンバリングコード

RC2102

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

科目検索について

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