薬学部シラバス2024

植物薬品学
Pharmacognosy

 2年 前期 2年必修科目 1単位
黒田 明平 横須賀 章人

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学習目標(GIO)

日本薬局方に収載されている主として植物性医薬品のうち、国家試験に頻出する重要なものについて理解するために、基原植物の産地、性状、薬用部位、薬効、成分、確認試験などに関する基礎的知識を修得する。また、植物性医薬品が古来からの漢方薬のみならず、現代医療においても重要であることを理解するために、最近の話題、研究成果、植物性医薬品の発展経緯などに関する基礎的知識も修得する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 薬用植物の歴史について概説できる。 Y-3-39-1
2 生薬の歴史について説明できる。 Y-3-40-1
3 生薬の生産と流通について説明できる。 Y-3-40-2
4 医薬品の種(シーズ)の探索に貢献してきた伝統医学、民族植物学を例示して説明できる。 Y-3-43-2
5 医薬原料としての天然物質の資源確保に関して問題点を列挙できる。 Y-3-43-3
6 代表的な薬用植物の学名、薬用部位、薬効などを挙げることができる。 C5-1-1-1
7 代表的な薬用植物を外部形態から説明し、区別できる。 C5-1-1-2
8 法律によって取り扱いが規制されている植物(ケシ、アサ)の特徴を説明できる。 C5-1-1-4
9 日本薬局方収載の代表的な生薬(植物、動物、藻類、菌類由来)を列挙し、その基原、薬用部位を説明できる。 C5-1-2-1
10 日本薬局方収載の代表的な生薬(植物、動物、藻類、菌類、鉱物由来)の薬効、成分、用途などを説明できる。 C5-1-3-1
11 副作用や使用上の注意が必要な代表的な生薬を列挙し、説明できる。 C5-1-3-2
12 日本薬局方の生薬総則および生薬試験法について説明できる。 C5-1-4-2
13 代表的な生薬の確認試験を説明できる。 C5-1-4-4
14 生薬由来の代表的な生物活性物質を化学構造に基づいて分類し、それらの生合成経路を概説できる。 C5-2-1-1

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1、2 黒田 1)植物性医薬品と日本薬局方収載生薬
2)植物の特殊性と正しい取扱い
3)生薬の歴史と特徴、生産と流通、植物の器官および分類体系
4)成分分類、生合成経路、品質評価
1-5、12、14
3 横須賀 藻類を基原とする生薬(マクリ、カンテン)
真菌類を基原とする生薬(ブクリョウ、チョレイ)
裸子植物を基原とする生薬(マオウ)
離弁花植物を基原とする生薬(1)(ダイオウ、コウボク、ゴミシ)
6、7、9-13
4 離弁花植物を基原とする生薬(2)(ケイヒ、オウレン、ショウマ、ブシ、モクツウ、ボウイ、ジュウヤク、サイシン) 6、7、9-13
5 離弁花植物を基原とする生薬を基原とする生薬(3)(シャクヤク、ボタンピ、エンゴサク、アヘン、トウニン、キョウニン、エイジツ、カンゾウ、オウギ) 6-13
6 離弁花植物を基原とする生薬を基原とする生薬(4)(カッコン、クジン、センナ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、チンピ、キジツ、トウヒ、オウバク) 6、7、9-13
7 離弁花植物を基原とする生薬を基原とする生薬(5)(ゴシュユ、サンショウ、ニガキ、オンジ、セネガ、タイソウ、チョウジ、サンシュユ) 6、7、9-13
8 離弁花植物を基原とする生薬を基原とする生薬(6)(ニンジン、コウジン、チクセツニンジン、トウキ、センキュウ、サイコ、ボウフウ、ウイキョウ) 6、7、9-13
9 合弁花植物を基原とする生薬(1)(ウワウルシ、レンギョウ、ホミカ、リュウタン、ゲンチアナ、センブリ、サンシシ、チョウトウコウ、アセンヤク、トコン、ケンゴシ) 6、7、9-13
10 合弁花植物を基原とする生薬(2)(シコン、オウゴン、ハッカ、ソヨウ、ロートコン、ベラドンナコン、トウガラシ、ジオウ) 6、7、9-13
11 合弁花植物を基原とする生薬(3)(ジギタリス、シャゼンシ、キキョウ、ビャクジュツ、ソウジュツ、コウカ)
単子葉植物を基原とする生薬(1)(タクシャ、バクモンドウ、チモ、アロエ)
6、7、9-13
12 単子葉植物を基原とする生薬(2)(サンヤク、サフラン、ヨクイニン、ビンロウジ、ハンゲ、ショウキョウ、ウコン、ガジュツ) 6、7、9-13
13 動物・鉱物を由来とする生薬(ボレイ、センソ、ゴオウ、ユウタン、セッコウ、カッセキ、リュウコツ)
植物からの医薬品開発の現状
6、7、9-13

アクティブ・ラーニングの取り組み

補助プリントを配布し、授業の進行に伴い空欄部分を記入させる。全講義終了時には、補助プリントがまとめノートとなるように仕上げる。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

本学薬用植物園において、生薬の基原植物や薬用植物を観察し理解度をより深めることを推奨している。ニュース等で取り上げられた植物(毒草なども含む)、生薬、天然由来化学成分などを解説し、講義で扱っている薬用植物、生薬との関連を示すことで、学生に理解を深めるように促している。

成績評価方法

<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:適宜課題演習を行い、解答と解説を提示してフィードバックする。
2) 総括的評価
a) 定期試験(100%)。再試験を1回実施する。

教科書

パートナー生薬学、改訂第4版増補、木内、小松、三巻編集、2023、南江堂、978-4-524-40435-3

参考書

第十八改正日本薬局方解説書、日本薬局方編集委員会、廣川書店、2021、978-4-567-01543-1
カラーグラフィック薬用植物、第4版、北中、寺林、高野編、廣川書店、2015、978-4567410052

オフィスアワー

黒田 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい
   薬学教育推進センター 教育2号館2110室
横須賀 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい
    漢方資源応用学教室 研究2号館404室

所属教室

黒田 薬学教育推進センター 教育2号館2110室
横須賀 漢方資源応用学教室 研究2号館404室

準備学習(予習・復習等)

講義ごとに予習と復習を各々70分以上行うこと。授業を受ける前に講義予定項目のSBOと授業内容を確認し予習をすること。講義において学んだ生薬については、基原植物(科名、学名など)、薬用部位、主要成分 (薬効成分)、確認試験、用途等をしっかり復習し、次回の授業に臨むこと。

学生へのフィードバック

学生から寄せられた質問などに対して、必要に応じて講義中に全学生に対してその内容を伝え、解説等の対応を行っている。

教員からの一言

植物薬品学は、薬学部に入学して初めての生薬、薬用植物に関する講義である。本講義は、2年後期「生薬学」、3年前期「漢方薬物学Ⅰ」につながる重要な科目なので、予習復習を怠らず、受講すること。出席不良者に対しては、定期試験受験停止の措置を講ずることがあるので注意すること。

備考

ナンバリングコード

RC2105

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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