薬学部シラバス2024

微生物学
Basic Microbiology

 2年 前期 2年必修科目 1単位
中南 秀将

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学習目標(GIO)

地球上には、原虫、真菌、細菌、ウイルスなど、多種多様な微生物が存在し、物質循環の一端を担っている。さらに、微生物には、疾病の予防や治療に役立つものもあり、様々な角度からヒトと深く関わっている。このような微生物を理解するために、分類、形態、構造および生活史等の基本的な知識を習得する。さらに、有害な微生物による汚染や感染を予防するために必要な滅菌、消毒や感染症治療薬の基本的知識を習得する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 微生物学の歴史について概説できる。 A-1-4-1~2
2 微生物由来の生物活性物質を化学構造に基づいて分類できる。 C5-2-2-1~2
3 微生物由来の代表的な生物活性物質を列挙し、その作用を説明できる。 C5-2-2-2
4 細菌のDNA、遺伝子、染色体、ゲノムとは何かを説明できる。 C6-4-1-1~2
5 細菌のDNA の複製、転写、翻訳過程について説明できる。 C6-4-3-1 C6-4-4-1,5
6 原核生物、真核生物およびウイルスの特徴を説明できる。 C8-3-1-1
7 細菌の分類や性質(系統学的分類、グラム陽性菌と陰性菌、好気性菌と嫌気性菌など)を説明できる。 C8-3-2-1
8 細菌の構造と増殖機構について説明できる。 C8-3-2-2
9 細菌の異化作用(呼吸と発酵)および同化作用について説明できる。 C8-3-2-3
10 細菌の遺伝子伝達(接合、形質導入、形質転換)について説明できる。 C8-3-2-4
11 代表的な細菌毒素について説明できる。 C8-3-2-6
12 ウイルスの構造、分類、および増殖機構について説明できる。 C8-3-3-1
13 真菌の性状を概説できる。 C8-3-4-1
14 原虫および蠕虫の性状を概説できる。 C8-3-4-2
15 滅菌、消毒および殺菌、静菌の概念を説明できる。 C8-3-5-1
16 主な滅菌法および消毒法について説明できる。 C8-3-5-2
17 ヒトや環境中の常在微生物について説明できる。 C8-4-1-1
18 真菌(アスペルギルス、クリプトコックス、カンジダ、ムーコル、白癬菌など)について概説できる。 C8-4-2-8
19 原虫(マラリア原虫、トキソプラズマ、腟トリコモナス、クリプトスポリジウム、赤痢アメーバなど)、蠕虫(回虫、鞭虫、アニサキス、エキノコックスなど)について概説できる。 C8-4-2-9
20 以下の抗菌薬の薬理(薬理作用、機序、抗菌スペクトル)を説明できる。
β-ラクタム系、テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配糖体(アミノグリコシド)系、キノロン系、グリコペプチド系、抗結核薬、サルファ剤(ST 合剤を含む)、その他の抗菌薬
E2-7-1-1
21 代表的な抗菌薬の基本構造と薬理作用を概説できる。 E2-7-10-1
22 代表的な動物ウイルスの培養法、定量法について説明できる。 Y-3-63-1
23 プリオンの構造と感染機構について分子レベルで説明できる。 Y-3-66-1
24 代表的なグラム陽性菌と陰性菌について概説できる。 C8-4-2-3~6
25 代表的なDNAウイルスとRNAウイルスについて概説できる。 C8-4-2-1~2

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 中南 微生物学の歴史
微生物の分類
1、6、7、23
2 微生物細胞の形態 7
3 細菌の細胞構造と染色法
細菌の増殖機構と代謝機構
8、9
4 代表的なグラム陽性菌、陰性菌 24
5 細菌の遺伝と変異、毒素 4、5、10、11
6 ウイルスの基本構造と増殖機構 12、22
7 代表的なDNAウイルス、RNAウイルス 25
8 真菌の形態、構造、生理 13、18
9 原虫・寄生虫の形態と性状 14、19
10 環境と微生物、常在微生物 17
11 抗菌薬の構造的分類と作用点(1) 2、3、20、21
12 抗菌薬の構造的分類と作用点(2) 2、3、20、21
13 滅菌法と消毒法 15、16

アクティブ・ラーニングの取り組み

講義中に、適宜学生を指名し答えさせる。また、重要なポイントに関しては、メモを取らせるようにする。また、WebClass上に練習問題を掲載し、各自で知識の定着を図らせる。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

講義は教科書を中心に行うが、パワーポイント等を用いて最新の感染症情報を随時提供している。また、図や顕微鏡写真を用いて、通常は見えない微生物を視覚的にとらえられるような講義を行っている。
講義内容の定着を目的とした、練習問題をWebClassで公開している。

成績評価方法

<試験、レポート・課題により評価する>
1)形成的評価
a)知識:ペーパー試験に加え、WebClassの確認問題や口頭試問等にて評価する。
2)総括的評価
a)知識:定期試験(80%)、WebClassの確認問題(20%)等にて評価する。
成績評価の基準
S (90%以上):合格
A (80~90%未満):合格
B (70~80%未満):合格
C (60~70%未満):合格
D (60%未満):不合格
※再試験の成績・・・合格の場合 C
出席不良者(全講義の1/3以上の欠席)に対しては、定期試験の受験停止措置を講ずることがある。欠席や遅刻等で、適切な理由があるものは欠席届を提出すること。

教科書

基礎から臨床までカバーできる 薬系微生物学・感染症学(南江堂)

参考書

戸田新細菌学(吉田 眞一ら編 南山堂)
標準微生物学(神谷 茂ら編 医学書院)
ブラック微生物学(林 英生ら監訳 丸善)
イラストレイテッド微生物学(山口 恵三ら監訳 丸善)
病原真菌と真菌症(山口 英世著 南山堂)

オフィスアワー

中南 いつでも可(臨床微生物学教室)

所属教室

中南 秀将 臨床微生物学教室 研究2号館6階

準備学習(予習・復習等)

講義の練習問題はWebClassに掲載しますので各自ダウンロードして活用してください。

学生へのフィードバック

講義前に前回の講義内容に関する練習問題を行い、解答と解説によるフィードバックを行う。また、定期試験後は、試験に関する質問を随時受け付け、フィードバックを行う。

教員からの一言

微生物は、我々の周りに広く存在しています。しかし、肉眼で見えない分、理解しにくいかもしれません。分からないことがあれば積極的に質問し解決するようにしてください。

備考

ナンバリングコード

RC2108

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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