薬学部シラバス2024

薬理学Ⅰ
Pharmacology Ⅰ

 2年 前期 2年必修科目 1単位
吉江 幹浩、 草間 和哉、田村 和広

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学習目標(GIO)

1年次後期 「薬と疾病入門」の履修内容【医薬品の作用を理解する上で必要な薬理学の総論、主要な生理活性物質の作用と関連疾患】を土台にして、本科目では、自律神経系並びに内分泌系に作用する薬物について学習する。これらの系に関わる生理活性物質の作用の理解を深めると共に、関連薬物の薬理作用、作用機序(治療根拠)、医療用途の他、副作用、薬物相互作用などを学習する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 内分泌系作用薬の作用点と分類について、概要を説明できる。 C7-2-2-1
2 下垂体ホルモンと視床下部ホルモンの関係とそれらの作用を説明し、その関連薬をあげられる。 C7-2-2-1
3 オキシトシンとバソプレシンの作用、また医療用途を説明できる。 E2-5-2-4
4 ACTH関連薬とその医療応用を説明できる。 C7-2-2-1
5 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)の薬理作用と副作用を説明できる。 C7-2-2-1
6 副腎皮質ホルモンの生合成経路とその調節因子、及びメチラポン、トリロスタン、スピロノラクトンの作用について説明できる。 C7-2-2-1 E2-5-2-5 E2-5-3-1
7 プロラクチンの作用とその分泌に影響する薬物を説明できる。 E2-5-2-5
8 GHの作用メカニズムとその関連薬を説明できる。 E2-5-2-5
9 TSH,TRH および甲状腺ホルモンの生理作用、さらにその生合成阻害薬の作用機序と適用を説明できる。 C7-2-2-1 E2-5-2-5
10 甲状腺機能障害の疾患の病態と治療薬の治療根拠を説明できる。 E2-5-2-2
11 血中のCa2+調節因子の分泌調節機構と骨、腎臓、腸管への作用を説明できる。 E2-2-3-4
12 骨粗鬆症治療薬の機序別の分類を説明できる。 E2-2-3-2
13 月経周期、妊娠期間、分娩時のホルモンの変動とそれらホルモンの生理作用について、説明できる。 C7-2-10-1
14 GnRH誘導体の医療用途と副作用を説明できる。 E2-5-2-1
15 代表的な合成卵胞ホルモンと黄体ホルモンをあげ、その作用と適用を説明できる。 E2-5-2-1
16 抗エストロゲン薬とエストロゲン合成阻害薬の特性と適用を説明できる。 E2-5-2-1
17 経口避妊薬の作用機序、副作用、および子宮作用薬の作用機序を説明できる。 E2-5-2-1
18 女性生殖器系疾患(子宮内膜症、子宮筋腫、流早産治療薬、妊娠高血圧症候群など)に用いる薬物の作用機序を説明できる。 E2-3-3-6
19 代表的合成男性ホルモン、蛋白質同化ホルモン、男性性腺機能に及ぼす薬物の作用機序や特性を説明できる。 E2-5-2-1
20 ノルアドレナリンとアドレナリンの静注時に見られる心拍数に対する差異を、アドレナリンβ受容体の特性の観点から説明できる。 E2-1-1-1
21 アドレナリン作動薬を作用様式から大きく3つに分類してその代表的薬物をあげ、薬理作用の特性を説明できる。 E2-1-1-1
22 アドレナリンα1受容体遮断薬をあげ、それらの薬理作用の特徴、臨床用途、副作用を説明できる。 E2-1-1-1
23 アドレナリンβ受容体遮断薬をあげ、それらの薬理作用の特徴、臨床用途、副作用を説明できる。 E2-1-1-1
24 アドレナリン作動性神経遮断薬の薬理作用、機序、副作用について説明できる。 E2-1-1-1
25 コリン作動薬を大別して主要なコリン作動薬をあげ、薬理作用、機序、主な副作用について説明できる。 E2-1-1-2
26 代表的ムスカリン受容体遮断薬(抗コリン薬)をあげ、薬理作用、機序、主な副作用について説明できる。 E2-1-1-1
27 排尿障害改善薬、頻尿治療薬の作用機序を説明できる。 E2-1-1-2 E2-3-3-4
28 緑内障、加齢黄斑変性の病態の概要およびその主な治療薬の作用機序について説明できる。 E2-1-1-2 E2-6-1-1,3
29 自律神経節刺激薬および遮断薬の薬理学的効果について説明できる。 E2-1-1-3

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 田村 内分泌系作用薬1: 内分泌系作用薬の分類、下垂体後葉ホルモン関連薬、ACTHおよび副腎皮質ホルモン関連薬 1~6
2 内分泌系作用薬2: プロラクチン、成長ホルモン、TSH関連薬、甲状腺ホルモン関連薬 7~10
3 内分泌系作用薬3: PTHとカルシトニン関連薬、骨粗鬆症治療薬概要 11,12
4 内分泌系作用薬4: 月経周期とホルモン、ゴナドトロピン関連薬、卵胞ホルモン関連薬 13~15
5 内分泌系作用薬5: 卵胞ホルモン関連薬(続き)、経口避妊薬などの黄体ホルモン関連薬、妊娠・分娩関連薬 16~18
6 草間 内分泌系作用薬6: 男性ホルモン関連薬、男性性腺機能に影響する薬物 19
7 自律神経作用薬1: アドレナリン作動薬: カテコールアミンを中心に 20,21
8 自律神経作用薬2: アドレナリン作動薬: 非カテコールアミン 20,21
9 吉江 自律神経作用薬3: アドレナリン作動性効果遮断薬(アドレナリンα 受容体遮断薬) 22
10 自律神経作用薬4: アドレナリン作動性効果遮断薬(アドレナリンβ受容体遮断薬)、アドレナリン作動性ニューロン遮断薬 23,24
11 自律神経作用薬5: コリン作動薬 25
12 自律神経作用薬6: 抗コリン薬(抗ムスカリン薬)、泌尿器系作用薬(排尿障害・頻尿治療薬) 26,27
13 自律神経作用薬7: 眼に作用する薬物(緑内障、加齢黄斑変性、縮瞳・散瞳薬)、自律神経節作用薬 28,29

アクティブ・ラーニングの取り組み

講義で用いる講義資料(ppt)や補助プリント (予習・復習、試験対策にも用いる)は、WebClassにアップし、講義中に活用するように指示する。演習問題を公開し、学習到達度のチェックを可能にする。演習問題の一部は、講義内に学生に発表させ、補足説明を講義者が行う。再履修者に対しては、講義動画の視聴と薬理学演習(WebClass)の課題を課す。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

多くの汎用薬は、過去半世紀で開発されたものである。その開発経緯、歴史などにもふれて、単に、作用機序を暗記するだけの科目にならないよう先人の基礎研究者や創薬の取り組み、開発技術なども講義する。最重要項目については、可能な限り図を用い、平易な用語で説明する。テキストの説明のみならず、各疾病の薬物作用の理解に役立つDVDや動画の視聴により、体内での薬の作用がイメージできるよう試みている。録画した講義動画や演習問題をWebClassにアップし、繰り返し学習できるようにしている。

成績評価方法

<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:試験で問う記憶しておくべき最小限の薬物と具体的項目は、学生に明確化し、各自ノート整理する。WebClass上に公開した演習問題を各自、課題として行う(復習課題)。
2) 総括的評価
a) 知識: 定期試験の結果(100%)で評価する。再試験を一回行う。理解度の低い定期試験問題については、再試験前のフィードバック講義で解説する。

教科書

最新 薬理学要説 (田村編、愛智出版、JSBN978-4-87256-465-5) 
WebClassにて講義資料は、事前に提示する。

参考書

薬がみえる vol. 1~4 (メディックメディア)
薬系 薬理学書 (田野中ら編、南江堂)
グラフィカル機能形態学 (馬場編、廣川書店)
基礎から学ぶ内分泌薬学 (厚味編、エルセビア・ジャパン)

オフィスアワー

吉江 幹浩 原則、いつでも可。事前に予約があれば確実
草間 和哉 原則、いつでも可。事前に予約があれば確実
田村 和広 原則、いつでも可。事前に予約があれば確実

所属教室

吉江 幹浩 内分泌薬理学教室 研究4号館4階 4415号室
草間 和哉 内分泌薬理学教室 研究4号館4階 4415号室
田村 和広 内分泌薬理学教室 研究4号館4階 4416号室

準備学習(予習・復習等)

講義後に上記のSBO 29項目を各自、ノートにまとめておくことが望ましい。授業ごとに予習(講義予定SBO項目部分のテキスト読解)と復習(授業プリントとテキストを用いたノート整理)を各自、行う(詳細は東薬生のファーストステップ冊子参照のこと)。授業を踏まえて、それに関連した問題(WebClassにアップ)に解答できるようにする。薬物の構造活性相関についても重要な項目が多々あり(有機化学の復習は重要)、随時、機能形態学、生化学などの周辺科目の復習も必要である。

学生へのフィードバック

WebClassに、講義プリント、演習問題を公開しており、難解な部分については、講義中に解説する。過去の定期試験問題についても同様で、教科のポイントを自発的学習により学び取り、かつ試験対策にも役立つようにしている。定期試験前に「具体的質問項目リスト」や「試験で問う薬物リスト」をWebClassに掲載する。

教員からの一言

分からない用語や理解できないことは、確かな情報源から逐一、自分で調べて理解する習慣を身につけよう。講義中の約束事: ①私語厳禁、②板書や講義で記入したタブレットメモ書きはノートにとる、③内職、漫画、スマホ、ゲームは禁止(見つけた者は評価で減点)。

備考

ナンバリングコード

RE2101

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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