薬学部シラバス2024
生薬学
Chemistry of Natural Medicines
2年 後期 2年必修科目 1単位 | |
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横須賀 章人 蓮田 知代 |
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学習目標(GIO)
生薬は我が国における医薬品の原点である。医師が薬師(クスシ)と呼ばれていた時代、彼等は専ら生薬を治療に供していた。明治以降、西欧文明の上に立つ学問は分析的な方向に進み、生薬を研究する学問は細分化されて、有機化学、薬理学、生化学、植物栽培学などが関与するようになった。本講義では2年前期の植物薬品学を基に生薬を化学的な側面、更には広い視野から見て、薬効成分、成分の確認、生合成、利用などを修得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
---|---|---|
1 | 生薬より発見された薬効成分の歴史について概説できる。 | C5-2-4-1 |
2 | 医薬品として使われている天然有機化合物を、具体例を挙げて説明できる。 | C5-2-4-1 |
3 | 天然生物活性物質を基に化学修飾等により開発された代表的な医薬品を、具体例を挙げて説明できる。 | C5-2-4-2 |
4 | 代表的な生薬成分を化学構造から分類し、それらの生合成経路を概説できる。 | C5-2-1-1 |
5 | 代表的なフェニルプロパノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 | C5-2-1-3 C5-2-4-3 |
6 | 代表的なフラボノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 | C5-2-1-3 |
7 | 代表的なポリケチドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 | C5-2-1-2~3 |
8 | 代表的なテルペノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 | C5-2-1-4 C5-2-4-3 |
9 | 代表的な強心配糖体の構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 | C5-2-1-2,4 |
10 | 代表的なアルカロイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 | C5-2-1-5 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 蓮田 | 生薬学の目的、天然医薬品化学の歴史など | 1、2 |
2 | 〃 | 生薬成分の生合成経路について | 4 |
3 | 〃 | 生理活性を有する成分各論(キノン類:ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノンなど) | 2、3、7 |
4~5 | 〃 | 生理活性を有する成分各論(フェノール性成分:クマリン、フラボン、タンニン、リグナンなど) | 2、3、5、6、7 |
6~7 | 〃 | 生理活性を有する成分各論(テルペン類・ステロイド) | 2、3、8 |
8 | 〃 | 生理活性を有する成分各論(配糖体:サポニン、強心配糖体など) | 2、9 |
9~11 | 〃 | 生理活性を有する成分各論(真性アルカロイド:キニーネ、ニコチン、モルヒネ、ベルベリン、アトロピン、バッカクアルカロイドなど) | 2、3、10 |
12 | 〃 | 生理活性を有する成分各論(プソイドアルカロイド、グルコシノレート、青酸配糖体、辛味成分、色素など) | 2、3、10 |
13 | 横須賀 | 新薬開発における生理活性天然物の利用について | 2、3 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
課題、演習問題を行っている。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
教科書等に記載されていない情報を随時提供する。
成績評価方法
<試験、レポート・課題により評価する>
1) 形成的評価
知識: 課題を課す。
2) 総括的評価
知識: 課題提出物(25%)、定期試験(75%)で総合的に評価する。再試験を1回実施する。
対面による定期試験を実施できない場合は課題(100%)にて評価する。
教科書
パートナー天然物化学、改訂第4版増補、森田、阿部編集、2023、南江堂、ISBN978-4-524-40451-3
参考書
Medicinal Natural Products: A Biosynthetic Approach、3rd edition、Paul M. Dewick著、2009、Wiley、ISBN978-0-470-74168-9
パートナー生薬学、改訂第4版増補、木内、小松、三巻編集、2023、南江堂、ISBN978-4-524-40435-3
オフィスアワー
横須賀 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
漢方資源応用学教室 研究2号館404室
蓮田 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
植物資源教育研究センター 研究2号館209-3室
所属教室
横須賀 漢方資源応用学教室 研究2号館404室
蓮田 植物資源教育研究センター 研究2号館209-3室
準備学習(予習・復習等)
授業ごとに予習と復習を各々70分以上行ってください。
授業を受ける前に教科書や講義資料の該当範囲を一読してから講義に臨んでください。
学生へのフィードバック
習熟度が低いと思われる項目や学生から寄せられた質問等に対し、必要に応じて授業中に全学生にその内容を伝え、解説や説明を加える等の対応を行っている。
教員からの一言
備考
ナンバリングコード
RC2203