薬学部シラバス2024

免疫学
Immunology

 2年 後期 2年必修科目 1単位
安達 禎之、多田 塁、山中 大輔、菅野 峻史

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学習目標(GIO)

生体はさまざまな仕組みを用いて恒常性を維持している。これらの仕組みの中で、病原微生物によってもたらされる感染症や遺伝子異常等によっておこる悪性腫瘍などに対し、これらを排除するために中心となって働くのは免疫機構(あるいは生体防御機構)である。この免疫機構・生体防御機構は原始的な生物からヒトまで広く備わっている。本講義では、主に高等動物の免疫機構について理解を深めるために、前半は免疫機構の仕組みやそれらを構成する組織、細胞、因子について学習する。さらに、感染、移植、アレルギーなど代表的な免疫関連の疾患について概要を学ぶ。免疫関連疾患については3年次の臨床免疫で詳しく学ぶ。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 異物の侵入に対する物理的、生理的、化学的バリアー、および補体の役割について説明できる。 C8-1-1-1
2 免疫反応の特徴(自己と非自己の識別、特異性、多様性、クローン性、記憶、寛容)を説明できる。 C8-1-1-2
3 自然免疫と獲得免疫、および両者の関係を説明できる。 C8-1-1-3
4 体液性免疫と細胞性免疫について説明できる。 C8-1-1-4
5 免疫に関与する組織を列挙し、その役割を説明できる。 C8-1-2-1
6 免疫担当細胞の種類と役割を説明できる。 C8-1-2-2
7 免疫反応における主な細胞間ネットワークについて説明できる。 C8-1-2-3
8 自然免疫および獲得免疫における異物の認識を比較して説明できる。 C8-1-3-1
9 MHC 抗原の構造と機能および抗原提示での役割について説明できる。 C8-1-3-2
10 T 細胞とB 細胞による抗原認識の多様性(遺伝子再構成)と活性化について説明できる。 C8-1-3-3
11 抗体分子の基本構造、種類、役割を説明できる。 C8-1-3-4
12 免疫系に関わる主なサイトカインを挙げ、その作用を概説できる。 C8-1-3-5
13 炎症の一般的症状、担当細胞および反応機構について説明できる。 C8-2-1-1
14 アレルギーを分類し、担当細胞および反応機構について説明できる。 C8-2-1-2
15 自己免疫疾患と免疫不全症候群について概説できる。 C8-2-1-3
16 臓器移植と免疫反応の関わり(拒絶反応、免疫抑制剤など)について説明できる。 C8-2-1-4
17 感染症と免疫応答との関わりについて説明できる。 C8-2-1-5
18 腫瘍排除に関与する免疫反応について説明できる。 C8-2-1-6

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 安達 はじめに、免疫機構全体の概説、講義の到達目標 1,3
2 菅野 免疫組織(1)中枢リンパ組織、末梢リンパ組織、造血組織(2)粘膜面の免疫組織 5,6
3 多田 免疫担当細胞(1)免疫担当細胞の種類 1,3,5,6
4 免疫担当細胞(2) Bリンパ球と機能 6,7,8,13,14
5 免疫担当細胞(3) Tリンパ球と機能 2,3,4,6,8
6 山中 免疫担当細胞(4)顆粒球、単球と機能 2,3,4,6,7,8,17
7 免疫担当細胞(5)免疫担当細胞の増殖、分化と活性化 2,3,4,6,7,18
8 多田 抗原と抗体(1)抗原と抗体の基本構造 4,10,11
9 抗原と抗体(2)抗体のクラスと機能 4,10,11
10 安達 補体 1,13
11 サイトカインとケモカイン 4,7,12,13,14,15,
12 菅野 免疫学的自己の確立と組織適合性抗原 9,16
13 安達 免疫応答・細胞内シグナリング 7,10,12,13

アクティブ・ラーニングの取り組み

1) プレテスト演習を行っている。
2) 講義資料やメモを事前配布し、講義を聴きながら、要点を各自がメモしやすい環境を作っている。
3) 複数回のレポート提出を課し、復習のチャンスを増やすとともに、’問題解決能力の醸成’に努めている。
4) 講義内容の理解確認及び出席記録として、毎回チェックテスト(小テスト)を行っている。
5) 要点やキーワードを再確認できるよう演習問題をWebClassに掲載し、反復学習できるようにしている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

あらかじめ目標とするキーワードを提示し、目標を明確にしている。
前年度の講義資料はWeb公開しており、予習に役立てるようにしている。
教科書への書き込みのチャンスを増やし、講義に集中できる工夫をしている。
講義対応WebをWebClassに開設し、講義資料ならびに課題提出などに用いている。

成績評価方法

 <レポート・試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:小テスト(チェックテスト)、課題レポート、WebClass講義資料などにより項目ごとに行う。
c) 態度:受講態度(出席状況等)により評価する。
2) 総括的評価
a) 知識:定期試験(70%)、レポート及びチェックテストテスト(30%)により総合的に評価する。

教科書

免疫学概説(宿前ら 廣川書店)ISBN 978-4-567-53422-2

参考書

免疫生物学(笹月監訳 南江堂)ISBN 978-4-524-25115-5
免疫学イラストレイテッド(高津監訳 南江堂)ISBN 978-4-524-24719-6
免疫学辞典(大沢利昭ら編 東京化学同人)ISBN 978-4-807-90552-2
医系免疫学(矢田純一著 中外医学社)ISBN 978-4-498-10607-9
標準免疫学(谷口克、宮坂昌之編 医学書院)ISBN 978-4-260-04238-3

オフィスアワー

いつでも可 ただし、メールにて予約すること。

所属教室

免疫学教室 研究2号館6階

準備学習(予習・復習等)

予習:年度初めに、提示する各回の講義内容について、事前に教科書を読み、問題点、疑問点を抽出しておくこと。
復習:講義中に配布するメモについて、各自で補足説明を加えること。課題として指示されたものは、期限までに必ず実施し、提出すること。

学生へのフィードバック

日々の質問に丹念に答え、定期試験前には準備すべき学習内容について入念に復習講義を行い、定期試験後にはフィードバック講義を行う。

教員からの一言

専門用語など難解な点もあるかと思いますが、各項目が各々関連して免疫応答系へと体系化しています。分かり難い項目を放置せずにその都度理解するように努めてください。

備考

ナンバリングコード

RC2206

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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