薬学部シラバス2024
物理系実習Ⅰ 分析化学実習
Laboratory Course in Physical Chemistry Ⅰ : Analytical Chemistry Laboratory
2年 前期 実習科目 1.5単位 | |
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袴田 秀樹 小谷 明 山本 法央 町田 晃一 (1・2・5・6・7・8・11・12) 柳田 顕郎 東海林 敦 森岡 和大 守岩 友紀子 (3・4・9・10) 高橋 浩司 |
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学習目標(GIO)
容量分析に主眼を置き、薬学を学ぶ上で必要となる分析化学の基本的な知識、技能、態度を身につける。先ず、試料中に存在する物質の種類および濃度を知るために、酸・塩基や酸化還元などの各種の化学平衡に基づいた定量法の基本的知識と技能を修得する。加えて、機器分析法の基本的知識と技能を身につけ、医薬品を含む化学物質をその性質に基づいて分析できるようにする。同時にバリデーションの考え方を身につけ、得られた分析データの評価方法を修得する。これらの実験を通して、保護具の使用方法と使用する意義、器具や装置の正しい使用方法、環境への影響を考慮した廃液の適切な処理方法などを学び、安全かつ適切な実験を行うための知識、技能、態度を修得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 原子量、分子量を説明できる。 | X-5-1-2 |
2 | 溶液の濃度計算と調製ができる。(知識・技能) | X-5-3-1 |
3 | 質量保存の法則について説明できる。 | X-5-3-2 |
4 | 代表的な化学変化を化学量論的にとらえ、その量的関係を計算できる。(技能) | X-5-3-3 |
5 | 分析に用いる器具を正しく使用できる。(知識・技能) | C2-1-1-1 |
6 | 化合物の秤量、溶解、抽出、乾燥、ろ過、濃縮を実施できる。(技能) | X-5-4-1 |
7 | 測定値を適切に取り扱うことができる。(知識・技能) | C2-1-1-2 |
8 | 分析法のバリデーションについて説明できる。 | C2-1-1-3 |
9 | 電極電位(酸化還元電位)について説明できる。 | C1-2-7-2 |
10 | 酸・塩基平衡の概念について説明できる。 | C2-2-1-1 |
11 | 酸と塩基の基本的な性質および強弱の指標を説明できる。 | X-5-3-4 |
12 | pHおよび解離定数について説明できる。(知識・技能) | C2-2-1-2 |
13 | 酸化還元平衡について説明できる。 | C2-2-2-3 |
14 | 酸化と還元について電子の授受を含めて説明できる。 | X-5-3-5 |
15 | Nernstの式が誘導できる。 | Y-3-4-1 |
16 | 中和滴定(非水滴定を含む)の原理、操作法および応用例を説明できる。 | C2-3-2-1 |
17 | 酸化還元滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。 | C2-3-2-4 |
18 | 日本薬局方収載の代表的な医薬品の容量分析を実施できる。(知識・技能) | C2-3-2-5 |
19 | 実験に使用した廃液を適切に処理する。(態度・技能) | F-2-6-11,13 |
20 | 周囲の安全に配慮して実験を行う。(態度・技能) | F-2-6-11 |
21 | 適切な保護具をつけて実験を行う。(態度・技能) | F-2-6-11,13 |
22 | キレート滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。 | C2-3-2-2 |
23 | 沈殿滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。 | C2-3-2-3 |
24 | 錯体・キレート生成平衡について説明できる。 | C2-2-2-1 |
25 | 沈殿平衡について説明できる。 | C2-2-2-2 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 生体分析化学 / 分析化学 | 分析法バリデーション、日本薬局方収載計量器を用いるときの測定精度の評価、化学天秤の使い方 | 1、2、3、4、5、6、7、8、19、20、21 |
2 | 生体分析化学 / 分析化学 | ガラス器具の取り扱い方の説明、化学用体積計の使い方 | 1、2、3、4、5、6、7、19、20、21 |
3 | 生体分析化学 / 分析化学 | 酸塩基滴定:0.1 mol/L水酸化ナトリウム液のファクターの算出 | 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、16、19、20、21 |
4 | 生体分析化学 / 分析化学 | 酸塩基滴定:リン酸の定量 | 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、16、19、20、21 |
5 | 生体分析化学 / 分析化学 | 酸塩基滴定:日本薬局方収載医薬品の容量分析に関する演習 | 1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、16、19、20、21 |
6 | 生体分析化学 / 分析化学 | 酸化還元滴定:0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の調製と標定 | 1、2、3、4、5、6、7、13、14、15、17、19、20、21 |
7 | 生体分析化学 / 分析化学 | 酸化還元滴定:0.05 mol/L ヨウ素液の調製と標定、アスコルビン酸の定量 | 1、2、3、4、5、6、7、13、14、15、17、18、19、20、21 |
8 | 生体分析化学 / 分析化学 | 酸化還元滴定:日本薬局方収載医薬品の容量分析に関する演習 | 1、2、3、4、5、6、7、13、14、15、17、19、20、21 |
9 | 生体分析化学 / 分析化学 | 沈殿滴定・キレート滴定・非水滴定:日本薬局方収載医薬品の容量分析に関する演習 | 1、2、3、4、5、6、7、16、17、22、23、24、25 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
容量分析に関する理解度を深めるため、WebClassでの課題を実施している。
学生の理解を助けるために、WebClassで化学用体積計の使い方などの実験操作に関する動画を配信し、いつでも自学習できるようにしている。
成績評価では、実習中の態度、技能(実習結果)について評価し、実習中にフィードバックしている。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
各学生が、臨床の薬剤師として必要な分析化学の基本的知識や技能をより深く修得できるようにするため、次の項目を各個人で行う。
1)容量分析に必要な溶液濃度の計算や試料の調製、滴定操作
2)得られた実験値からのファクターや目的成分の含量の計算
3)分析法バリデーションに基づいた分析結果の客観的評価
各学生は未知検体の中に含まれる目的成分を定量し、その結果を報告する。報告された定量結果は職員によって評価され、評価結果は学生へフィードバックされる。評価結果をもとに、定量結果に影響を与えた要因などを考察する。各学生は、実習で得られた知識・技能における自身の修得達成度を自身で評価する。また、未知検体を取り扱うことで、実試料を扱うときの注意点を学ぶ。
各実習項目に関連して出題された課題を調査、考察してまとめ、webclass を介して提出する。提出された課題は職員によって評価され、内容に関してフィードバックを受ける。
成績評価方法
<レポート・課題とそれ以外の方法で評価する>
1)形成的評価
a) 知識:各項目に関連した課題を評価し、実習時間内にフィードバックする。
b) 技能:実習中の手技について、実習時間中にフィードバックする。
c) 態度:実習に取り組む姿勢について、実習時間内にフィードバックする。
d) パフォーマンス:実験結果を報告させ、質疑応答を通じて発表能力を評価し、フィードバックする。
2)総括的評価
a) 知識:課題を総合的に評価する。
b) 技能:繰り返しの形成的評価で改善が認められれば合とする。
c) 態度:繰り返しの形成的評価で改善が認められれば合とする。
d) パフォーマンス:提出された課題の結果・考察の表現力について評価する。
3)評価方法と総括的評価に与える寄与率
課題(知識)60%、実地試験(技能・態度)40%
教科書
物理系実習Ⅰテキスト
薬学生のための分析化学 第4版 (楠文代/渋澤庸一編集 廣川書店)
薬学生のための分析化学問題集(四宮一総 編集 廣川書店)
なるほど分析化学-数字となかよくする本(楠文代/渋澤庸一 編集 廣川書店)
参考書
第十八改正日本薬局方解説書(廣川書店)
イラストで見る化学実験の基礎知識(丸善)
オフィスアワー
柳田 顕郎 いつでも可。 研究2号館4階
袴田 秀樹 いつでも可。 研究4号館5階 4506室 メールで予約してください。
高橋 浩司 いつでも可。 教育2号館2階2209
所属教室
柳田 顕郎 東海林 敦 森岡 和大 守岩 友紀子 生体分析化学教室
袴田 秀樹 小谷 明 山本 法央 町田 晃一 分析化学教室
高橋 浩司 薬学基礎実習教育センター
準備学習(予習・復習等)
事前にWebClassで実習のスケジュールや内容を確認して、該当する実習書の範囲を予習して実習に臨んでください。また、実習で行ったことを、関連する授業の教科書やプリントで必ず復習してください。
学生へのフィードバック
各実習項目に関連した課題を行い、滴定の計算(ファクターの求め方、定量値計算)に関するフィードバックを行っている。
実験結果を口頭で職員へ報告してもらい、その結果に対する評価および実験結果に影響を与える要因について、その場で職員から学生へフィードバックを行っている。
教員からの一言
備考
C2 化学物質の分析(1)分析の基礎、 (2)溶液中の化学平衡、(3)化学物質の定性分析・定量分析、(4)機器を用いる分析法、(5)分離分析法
ナンバリングコード
RG2102