薬学部シラバス2024

生物系実習Ⅱ 微生物・免疫学実習
Laboratory Course in Biology Ⅱ : Laboratory Course in Microbiology and Immunology

 2年 後期 実習科目 1.5単位
中南 秀将 瀨山 翔史 吉田 拓真 金子 寛 
安達 禎之 多田 塁 山中 大輔 菅野 峻史
安藤 堅 稲葉 二朗

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学習目標(GIO)

薬学の微生物に関する研究は、病原体の研究から医薬品の開発へ進み、さらに感染症の予防・診断に関わる免疫学へと発展してきた。本実習においては、基礎的な細菌、細菌ウイルスの取り扱いからスタートし、抗生物質の効力測定などを習得した後、免疫学に関する抗体の凝集反応、白血球の抗菌反応、アレルギー反応などについて学ぶ。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 感染予防の基本的考え方とその方法が説明できる。 F-2-6-4
2 施設内で衛生的な手洗い、スタンダードプリコーションを実施する。 F-2-6-12
3 臨床検体・感染性廃棄物を適切に取り扱うことができる。 F-2-6-13
4 滅菌、消毒および殺菌、静菌の概念を説明できる。 C8-3-5-1
5 主な滅菌法および消毒法について説明できる。 C8-3-5-2
6 代表的な消毒薬の用途、使用濃度および調製時の注意点を説明できる。 F-2-6-6
7 主な滅菌法および消毒法を実施できる。 Y-3-64-1
8 学校薬剤師の業務を体験する。 F-5-2-3
9 地域住民の衛生管理(消毒、食中毒の予防、日用品に含まれる化学物質の誤嚥誤飲の予防等)における薬剤師活動を体験する。 F-5-2-4
10 無菌操作を実施できる。 C8-3-6-2
11 代表的な細菌または真菌の分離培養、純培養を実施できる。 C8-3-6-3
12 細菌の構造と増殖機構について説明できる。 C8-3-2-2
13 グラム染色を実施できる。 C8-3-6-1
14 細菌の分類や性質(系統学的分類、グラム陽性菌と陰性菌、好気性菌と嫌気性菌など)を説明できる。 C8-3-2-1
15 細菌の同定に用いる代表的な試験法(生化学的性状試験、血清型別試験、分子生物学的試験)について説明できる。 Y-3-65-1
16 代表的な細菌を同定できる。 Y-3-65-2
17 抗体分子の基本構造、種類、役割を説明できる。 C8-1-3-4
18 抗原抗体反応を利用した検査方法(ELISA 法、ウエスタンブロット法など)を実施できる。(技能) C8-2-2-4
19 免疫担当細胞の種類と役割を説明できる。 C8-1-2-2
20 アレルギーを分類し、担当細胞および反応機構について説明できる。 C8-2-1-2
21 動物実験における倫理について配慮できる。 E1-1-2-1
22 実験動物を適正に取り扱うことができる。 E1-1-2-2
23 実験動物での代表的な投与方法が実施できる。 E1-1-2-3
24 実験動物・人体模型・シミュレーターなどを用いて各種臓器の名称と位置を確認できる。 C7-1-3-3
25 代表的な器官の組織や細胞を顕微鏡で観察できる。 C7-1-3-4
26 脂質、糖質、アミノ酸、タンパク質、もしくは核酸の定性または定量試験を実施できる。 C6-2-8-1
27 適切な保護具を付けて実験を行う。(態度・技能) F-2-6-11,13
28 周囲の安全に配慮して実験を行う。(態度・技能) F-2-6-11
29 実験に使用した廃液・廃棄物を適切に処理する。(態度・技能) F-2-6-11,13

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 臨床微生物学教室,薬学基礎実習教育センター 衛生的手洗いの実践、無菌試験(直接法・メンブランフィルター法)、細菌の培養、バクテリオファージの観察(増殖試験) 1-11、27-29
2 臨床微生物学教室,薬学基礎実習教育センター 細菌の同定、細菌の培養、手指付着細菌の検出、空中落下細菌の検出、鼻腔内グラム陽性細菌の検出、バクテリオファージの宿主特異性試験、細菌の増殖曲線の作成 3、8、10-12、27-29
3 臨床微生物学教室,薬学基礎実習教育センター グラム染色法、細菌の生化学的試験、薬剤感受性ディスク試験 13-16、27-29
4 臨床微生物学教室,薬学基礎実習教育センター 薬剤感受性ディスク試験、演習 1、4-6、12、14、15、27-29
5 臨床微生物学教室,薬学基礎実習教育センター 実習試験 1-16
6 免疫学教室,薬学基礎実習教育センター 凝集反応の観察、ELISA(1) 17、18、27-29
7 免疫学教室,薬学基礎実習教育センター 免疫組織の抗菌作用、マクロファージの貪食作用(1)、ELISA(2) 18、19、22、24、25、27-29
8 免疫学教室,薬学基礎実習教育センター マクロファージの貪食作用(2)、ELISA(3) 18、19、26、27-29
9 免疫学教室,薬学基礎実習教育センター ラットを用いたPCA反応の観察、イムノクロマトグラフィーを用いたヒト血中IgEの検出 17-24、26、27-29
10 免疫学教室,薬学基礎実習教育センター 実習試験 17-25

アクティブ・ラーニングの取り組み

・学生の理解を助けるためにプリントを作成し、実習の解説を進めながら、課題に対処させている。
・毎回の実習時間中に、実験方法の原理や実験操作の意義、実験結果の解釈についてグループ討議させ、実習終了時に各学生にそれらについて口頭試問することにより、実習の理解度や習熟度を確認し、指導している。
・実習レポートのテンプレートを配布することにより、レポートの書き方や記述すべき点を明確にしている。
・実習レポートは、内容を詳細に確認し、間違っている部分や不足した部分に対して指摘し、再提出を求めている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

微生物学実習では、できる限り一人一人の学生が興味を持って微生物を取り扱い、観察できるように代表的な細菌を含め身体に付着している微生物も実習材料として用いている。さらに、学校薬剤師の業務の一部を実習に取り入れ、実務への応用も配慮している。また、実習で取り扱う一部の材料はグループ毎に変え、得られる結果が異なるようにし、個々の実験データに責任を持たせる実習を行っている。さらに、日々の実習終了時に必ず各班毎の各学生に口頭で質問することで、実習の習得を確認、指導している。
免疫学実習では、実習書に加えて実験内容を図示したスライドを別途掲載し、実験方法や原理をイメージしやすいよう配慮している。項目によっては測定対象の検体もグループごとに変え、得られる結果が異なるようにし、個々の実験データに責任を持たせる実習を行っている。項目毎に各学生に口頭質問を行つと共に、実習内で習得する重要な知識に関して演習問題に取り組ませ、フィードバックすることで、実習の習熟度を確認、指導している。

成績評価方法

<試験、レポート・課題により評価する>
1)形成的評価
a)知識:各実習項目毎に、個別あるいはグループ毎に口頭試問を兼ねた面談を行い、フィードバックする。
b)技能:実習時間に、実験手技について、こまめにフィードバックする。
c)態度:実習期間中を通じて観察を行い、その場でフィードバックする。
d)パフォーマンス:グループワーク能力の到達度を共通の評価表を使用して、実習終了時にグループ毎に評価している。
2)総括的評価:実習試験(40%)、態度・パフォーマンス・実習レポート(技能)(60%)を総合的に評価する。
a)知識:実習試験が60%以上で合とする。
b)技能:実習期間中の形成的評価におけるフィードバックで改善されれば合とする。
c)態度:繰り返しの形成的評価で改善が認められれば合とするが、総合評価に含める。
d)パフォーマンス:実習レポートを提出させ、結果・考察の表現力について評価する。

教科書

生物系実習Ⅱ実験書 微生物学・免疫学実習(東京薬科大学編)

参考書

第5版 新しい微生物学(廣川書店)ISBN 978-4-567-52057-7
改訂34版 戸田新細菌学(南山堂)ISBN 978-4-525-16114-9
ブラック微生物学 第3版(丸善)ISBN 978-4-621-08813-5
免疫学概説(廣川書店)ISBN 978-4-567-53422-2
免疫学イラストレイテッド(南江堂)ISBN 978-4-524-24719-6
免疫学実習スライド
配布プリント

オフィスアワー

臨床微生物学教室(中南、瀨山、吉田) いつでも可 研究2号棟6階
免疫学教室(安達、多田、山中、菅野) いつでも可 研究2号棟6階
薬学基礎実習教育センター(安藤) いつでも可 教育2号館3階 2309教員室
薬学基礎実習教育センター(稲葉) いつでも可 教育2号館3階 2306教員室

所属教室

中南、瀨山、吉田 臨床微生物学教室
安達、多田、山中、菅野 免疫学教室
稲葉、安藤 薬学基礎実習教育センター

準備学習(予習・復習等)

微生物学実習では、2年で講義した微生物学と病原微生物学の体験の場所です。講義した微生物の内容をもう一度復習し、生きた微生物の形態や臭い、そして抗菌薬の効き方を体験してください。また、薬剤感受性試験や抗菌薬の作用は、3年の感染制御学にも関連していることを覚えておいてください。
免疫学実習では、2年後期に受講する必修科目「免疫学」と並行して行われます。実験を通して免疫学の基礎を理解することを目標の一つにしています。講義と実習により、免疫の奥深さ・免疫反応の面白さを知り、3年の「臨床免疫学」に向けた基礎固めとしてください。
実習項目ごとに、実習書および関連の教科書等を用いて予習を1時間行ってください。さらに、実習を行ったその日のうちに、1時間以上を目安に、結果のまとめ、考察をするなど、復習を必ず行ってください。

学生へのフィードバック

・実習期間中を通じて実習態度や実験手技を観察し、こまめにフィードバックする。
・毎日の実習終了時に、グループ毎に各学生に口頭試問を行い、実習内容の理解度やグループワーク能力の到達度をフィードバックする。
・実習レポートは、詳細に確認し、間違っている部分や不足した部分に対して指摘し、再提出を求める。

教員からの一言

微生物実習は、「滅菌に始まり、滅菌で終わります」。普段、見ることができない身近な微生物の世界を覗いてください。
免疫学実習は、ナノグラムオーダーでの物質測定から動物実験まで、精細かつ熟練を必要とする手技もあります。手技の良し悪しが実験結果を大きく左右するなど難しい実習項目もありますが、積極的にチャレンジして実験の面白さを体験してください。

備考

C8 生体防御と微生物

ナンバリングコード

RG2202

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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