薬学部シラバス2024
化学系実習Ⅱ 漢方薬物学実習
Laboratory Course in Organic Chemistry Ⅱ :Laboratory Course in Kampo Medicine
2年 前期 実習科目 1.5単位 | |
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三巻 祥浩 横須賀 章人 松尾 侑希子 井口 巴樹 佐藤 弘人 |
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学習目標(GIO)
漢方の基礎概念、重要な漢方薬、漢方薬に配合される生薬(漢方系生薬)を学習した後、代表的な漢方煎じ薬の調製と漢方エキス製剤の品質評価に関する実習を行い、漢方薬の特徴を理解する。また、漢方系生薬の観察、官能的・化学的試験を行い、漢方系生薬の理解を深める。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 漢方の基礎概念および漢方薬の特徴を概説できる。 | E2-7-3-1 E2-10-1-1,3 E2-10-2-1~3 E2-10-3-1 Y-5-2-1~3 |
2 | 代表的な漢方系生薬を列挙し、それらの基原植物や主要成分、薬理作用を概説できる。 | C5-1-1-1 C5-1-2-1 C5-1-3-1 |
3 | かぜ症候群に対して、漢方湯剤を用いた治療方法を説明できる。 | E2-7-3-1 E2-10-1-3 E2-10-2-1~2 Y-5-2-2 |
4 | 漢方煎じ薬(湯剤)を調製できる。(技能) | Y-5-2-3 Y-6-2-2 |
5 | 漢方煎じ薬とエキス製剤について、それぞれの長所と短所を説明できる。 | Y-5-2-3 |
6 | 官能的な試験により、漢方系生薬を同定できる。(技能) | C5-1-4-3~4 Y-3-41-1 |
7 | 化学的な試験により、漢方系生薬を同定できる。(技能) | C5-1-4-3~4 Y-3-41-1 |
8 | 形態学的な観察により、漢方系生薬を同定できる。(技能) | C5-1-1-2~3 C5-1-4-3 Y-3-41-1 |
9 | 漢方湯剤、散剤、丸剤の特徴を概説できる。 | E5-2-1-6 Y-5-2-3 |
10 | 指標成分に着目した漢方薬の品質試験を実施できる。(技能) | C2-5-1-2 C5-1-4-1 |
11 | 実験に使用した廃液・廃棄物を適切に処理する。(技能・態度) | Y-3-32-3 |
12 | 自身の安全と周囲の安全に配慮して実験を行う。(態度) | T-1-1-1 |
13 | 適切な保護具を付けて実験を行う。(態度) | T-1-1-1 |
14 | 積極的・能動的に実験を行う。(態度) | T-1-1-1 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 漢方資源応用学教室 | 重要な漢方薬とそれらに配合される生薬を解説した後に演習を行い、漢方薬に関する基礎知識を習得する。 | 1、2、5 |
2 | 〃 | かぜ症候群に頻用されている8種の漢方湯剤を調剤し、湯剤を調製して、色、におい、味を確認する。その結果を医療用漢方エキス剤と比較し、漢方エキス剤の簡便さ、服用のしやすさを体感して、エキス剤の有用性を理解する。 | 3-6、11-14 |
3 | 〃 | 「安中散」と「桂枝茯苓丸」について、配合されている生薬の性状(色、におい、味、形態的特徴)を確認し、また数種の生薬については化学的な確認試験を行い、その結果が日局の規格と一致しているか考察する。 | 6-9、11-14 |
4 | 〃 | 「安中散」散剤、医療用「安中散」エキス製剤、OTC「安中散」製剤について、「アネトール」と「ケイヒアルデヒド」を指標とした成分分析を行い、各製剤中の「アネトール」と「ケイヒアルデヒド」の含有量を比較する。 | 7、10、11-14 |
5 | 〃 | 「茵蔯蒿湯」「茵蔯五苓散」「芍薬甘草湯」「大黄甘草湯」「大黄牡丹皮湯」「半夏厚朴湯」のいずれかの未知検体について、各処方に配合されている生薬の特徴的な成分を指標に鑑別を行う。 | 6、7、10、11-14 |
6 | 〃 | 1回目から5回目までのまとめと試験 | 1-10 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
毎回の実習終了後に、少人数(実習プラッテごと)での口頭試問を行い、解答の正誤について学生間で討論してもらう。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
基礎系実習科目であるが、医療用漢方エキス製剤のにおいや味、服用しやすいか否かを確認するなど、実務に繋がる実習も行っている。実習操作終了後に毎回口頭試問を実施し、形成的評価を行っている。
あらかじめ記入事項を示したレポート用紙を配布し、実習目的、実習内容、実習操作、結果、考察などの記述漏れがないようにしている。
成績評価方法
<試験、レポート・課題とそれ以外の方法で評価する>
1)形成的評価
a)知識:毎回の実習終了時に口頭試問を行う。
b)技能:正しい実験手技について、繰り返し指導を行う。
c)態度:実習に対する取り組み姿勢を観察し、口頭試問時にフィードバックする。
2)総括的評価
a)知識:実習試験の得点(40%)とレポート・課題の記述内容(25%)。
b)技能:未知検体の鑑別結果(10%)。
c)態度:レポート・課題の提出状況、口頭試問、実習に対する取り組み姿勢(25%)。
教科書
化学系実習Ⅱ実験書(薬学基礎実習教育センター編)
参考書
第十八改正日本薬局方解説書、日本薬局方編集委員会、廣川書店、2021、978-4-567-01543-1
薬学生のための漢方薬入門、第5版、指田、三巻編著、2022、廣川書店、978-4-567-42075-4
パートナー生薬学、改訂第4版増補、木内、小松、三巻編集、2023、南江堂、978-4-524-40435-3
オフィスアワー
三巻 祥浩 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
佐藤 弘人 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
所属教室
三巻 祥浩 漢方資源応用学教室 研究2号館404教授室
横須賀 章人 漢方資源応用学教室 研究2号館404室
松尾 侑希子 漢方資源応用学教室 研究2号館404室
井口 巴樹 漢方資源応用学教室 研究2号館404室
佐藤 弘人 薬学基礎実習教育センター 教育2号館2206室
準備学習(予習・復習等)
実習する項目に関して、実習書の解説をよく読み、毎回1時間の予習をして、実習に臨むこと。また、実習終了後はその日のうちに、結果のまとめと考察、課題を1時間以上行い、しっかりと復習すること。
学生へのフィードバック
レポートに誤りがあった場合は、その箇所・内容を指摘し、再提出を求める。
知識および技能の基準未達者に対しては、基準に達していない項目を個人ごとに明示し、再度口頭試問を行う。再三のフィードバックによっても基準に達しない場合は、再実習の対象とする。
教員からの一言
実習を安全に行ってもらうために、実習初日にアレルギーの有無などに関するアンケート調査を実施します。回答内容は守秘しますので、ご協力をお願いいたします。
備考
2日目、3日目の実習では漢方薬および生薬の官能試験(味の確認)を実施しますので、ミネラルウォーターを用意してください。ジュース、お茶など味のあるものは不可とします。
ナンバリングコード
RG2101