薬学部シラバス2024

漢方薬物学Ⅰ
Kampo Medicine Ⅰ

 3年 前期 3年必修科目 1単位
三巻 祥浩  横須賀 章人  

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学習目標(GIO)

漢方の特質、陰・陽、虚・実、寒・熱、表・裏、気・血・水など漢方独自の基礎概念と証、漢方薬に配合される生薬の成分と薬理作用、重要な健康保険適用漢方薬と配合生薬ならびにその臨床応用、漢方薬の使用上の注意、漢方薬の副作用と薬物相互作用を理解する。医師が西洋医学的な治療に併せて漢方薬を処方した際に、その処方目的を理解し、患者に適切な漢方医薬品情報を提供できるまでの基礎知識を修得する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 漢方の歴史を概説できる。 Y-5-1-1
2 漢方医学と漢方薬の特徴を概説できる。 E2-10-1-1
3 漢方医学と中医学の違いを概説できる。 Y-5-1-2
4 漢方薬と西洋薬の相違を説明できる。 E2-10-1-4
5 漢方薬と民間薬、サプリメント、保健機能食品などとの相違を説明できる。 E2-10-1-4
6 漢方医学における証の概念(陰・陽、虚・実、寒・熱、表・裏、気・血・水など)を説明できる。 E2-10-1-2
7 漢方医学の診断法を概説できる。 E2-10-2-1
8 漢方医学における体質や病態の捉え方、治療法を概説できる E2-10-2-1
9 日本薬局方収載されている漢方薬の適応症と配合生薬を説明できる。 E2-10-1-3 E2-10-2-2
10 漢方薬に配合される代表的な生薬を例示し、薬効に関与している成分を説明できる。 E2-10-1-3 E2-10-2-2
11 漢方薬の剤形と特徴を説明できる。 Y-5-2-3
12 現代医療における漢方薬の重要性を説明できる。 E2-10-2-3
13 漢方薬の使用上の注意点を説明できる。 E2-10-3-1
14 漢方薬の副作用を説明できる。 E2-10-3-1
15 漢方薬と西洋薬との相互作用を説明できる。 E2-10-3-1

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 三巻 漢方医学の歴史と特徴 1、2、3
2 漢方医学における証の概念と疾患の捉え方 4、6
3 漢方医学における診断法(四診) 6、7、8
4 漢方薬の保険適用
慢性頭痛と呉茱萸湯、釣藤散、葛根湯、五苓散など
漢方薬と民間薬の相違
5、8、9、10、12
5 横須賀 漢方薬各論 (1):桂枝湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬大黄湯、小建中湯、当帰建中湯、黄耆建中湯、芍薬甘草湯、大黄甘草湯など
こむらがえりと芍薬甘草湯、便秘と大黄甘草湯
漢方の治療原則 (1)
8、9、10、12
6 漢方薬各論 (2):桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、葛根湯、葛根湯加川キュウ辛夷、麻黄湯など
術後下腹部疼痛と当帰四逆加呉茱萸生姜湯、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と葛根湯加川芎辛夷
附子の修治法
8、9、10、12
7 三巻 漢方薬各論 (3):小青竜湯、麦門冬湯、大建中湯など
インフルエンザと麻黄湯、コデイン抵抗性の咳嗽と麦門冬湯、癒着性イレウス(腸閉塞)と大建中湯
8、9、10、12
8 横須賀 漢方薬各論 (4):小柴胡湯、柴胡桂枝湯、大柴胡湯、柴陥湯など
高血圧症と大柴胡湯
漢方の治療原則 (2)
8、9、10、12
9 漢方薬各論 (5):四逆散、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝乾姜湯、乙字湯、小柴胡湯加桔梗石膏、白虎加人参湯など
神経症状と柴胡加竜骨牡蛎湯
漢方薬の剤形
8、9、10、11、12
10 三巻 漢方薬各論 (6):補中益気湯、加味逍遙散、半夏瀉心湯、三黄瀉心湯、六君子湯、人参湯など
漢方薬の臨床応用 (1):胆石症、胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症)、機能性胃腸症など
柴胡剤と瀉心湯類
8、9、10、12
11 漢方薬各論 (7):八味地黄丸、牛車腎気丸、柴朴湯、半夏厚朴湯、麻杏甘石湯、五虎湯、神秘湯、苓甘姜味辛夏仁湯など
漢方薬の臨床応用 (2):抗がん剤の副作用の軽減、高齢者糖尿病、気管支喘息など
8、9、10、12
12 漢方薬各論 (8):柴苓湯、五苓散、加味帰脾湯、酸棗仁湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散など
漢方薬の臨床応用 (3):ネフローゼ症候群、不眠症、認知症、更年期障害など
8、9、10、12
13 漢方薬各論 (9):四物湯、温清飲、十全大補湯など
漢方薬の使用上の注意と副作用、相互作用、慎重投与
胃腸障害、肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、うっ血性心不全、腸間膜静脈硬化症など
小児、高齢者、妊婦などに対する使用上の注意
13、14、15

アクティブ・ラーニングの取り組み

講義プリントに、説明事項や板書事項を書き込む形式で講義を進める。
薬剤師国家試験問題のうち、漢方薬に関する問題を題材として、出題意図、解答、関連項目をレポートに纏めてもらう。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

講義1回ごとにキーワードを示し、学生がプリントに説明事項や板書事項を書き込む形式で講義を進める。最終的に各自のオリジナル講義ノートが完成することになり、それをもとに復習をすれば、重要なポイントを見落とすことなく学習することができる。また、適宜実物の生薬や漢方薬を提示し、理解を深めるように努めている。

成績評価方法

<試験により評価する>
1)形成的評価
a)知識:過去の定期試験問題を用いて演習を行い、知識の定着度を確認する。
2)総括的評価
a)知識:定期試験(100%)。再試験を1回実施する。

教科書

薬学生のための漢方薬入門、第5版、指田、三巻編著、2022、廣川書店、978-4-567-42075-4
漢方薬物学Ⅰ講義ノート 2024、漢方薬物学Ⅰ資料集 2024(生協にて購入のこと)

参考書

基本がわかる漢方医学講義、日本漢方医学協会協議会、2020、羊土社、978-4-7581-1875-0
今日の治療薬、伊豆津、今井、桑名、寺田編集、2024、南江堂、978-4-524-20768-8

オフィスアワー

三巻 祥浩 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。

所属教室

三巻 祥浩 漢方資源応用学教室 研究2号館4階404教授室
横須賀 章人 漢方資源応用学教室 研究2号館4階404室

準備学習(予習・復習等)

授業ごとに、予習と復習を各々70分以上行うこと。予習は、漢方薬物学Ⅰ講義ノートに各項目の教科書の該当ページが記載されているので、該当箇所をよく読んで講義に臨むこと。復習では、漢方薬物学Ⅰ講義資料集に掲載されている練習問題を十分に活用すること。

学生へのフィードバック

講義の最後に課題を課し、次回の講義で解説を行う。

教員からの一言

漢方薬物学実習の内容を、より深く、理論的に解説します。

備考

ナンバリングコード

RC3102

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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