薬学部シラバス2024

バイオ医薬品
Biopharmaceutics in Medicine

 3年 前期 3年必修科目 1単位
高木 教夫
林 秀樹
森山 慶之

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学習目標(GIO)

医療におけるバイオテクノロジーの応用は広範囲にわたっている。当該科目においては、生化学 I〜III で修得した知識統合しながら、遺伝子情報に基づく遺伝子操作法への理解を深め、遺伝子診断・治療、テーラーメード医療、ゲノム創薬および再生医療の概念を修得する。さらに、バイオテクノロジーを駆使したバイオ医薬品、細胞治療、遺伝子治療および分子標的薬などによる疾患治療に関する知識と具体例を修得する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 遺伝情報の保存と発現の流れを説明できる。
DNA、遺伝子、染色体、ゲノムとは何かを説明できる。
C6-4-1-1~2
2 染色体(ヌクレオソーム、クロマチン、セントロメア、テロメアなど)および遺伝子(プロモーター、エンハンサー、エキソン、イントロンなど)の構造、RNAの種類と機能について説明できる。 C6-4-2-1~3
3 DNAの複製過程およびDNAからRNAへの転写過程について説明できる。 C6-4-3-1 C6-4-4-1
4 エピジェネティックな転写制御について説明できる。
転写因子による転写制御について説明できる。
C6-4-4-2~3
5 RNAのプロセシング(キャップ構造、スプライシング、snRNP、ポリA鎖など)について説明できる。
RNAからタンパク質への翻訳の過程について説明できる。
C6-4-4-4~5
6 DNAの変異と修復について説明できる。 C6-4-5-1
7 遺伝子工学技術(イデンシクローニング、cDNAクローニング、PCR、組換えタンパク質発現法など)について概説できる。
遺伝子改変動物(遺伝子導入・欠損動物、クローン動物など)について概説できる。
C6-4-6-1~2
8 細胞死(アポトーシスとネクローシス)について説明できる。 C6-7-2-1
9 正常細胞とがん細胞の違いについて説明できる。
がん遺伝子とがん抑制遺伝子について概説できる。
C6-7-3-1~2
10 組換え体医薬品の特色と有用性を説明できる。
代表的な組換え体医薬品を列挙できる。
組換え体医薬品の安全性について概説できる。
C8-2-2-2 E2-8-1-1~3
11 遺伝子治療の原理、方法と手順、現状、および倫理的問題点を概説できる。 E2-8-2-1
12 移植医療の原理、方法と手順、現状およびゲノム情報の取り扱いに関する倫理的問題点を概説できる。 E2-8-3-1
13 摘出および培養組織を用いた移植医療について説明できる。
臍帯血、末梢血および骨髄に由来する血液幹細胞を用いた移植医療について説明できる。
胚性幹細胞(ES 細胞)、人工多能性幹細胞(iPS 細胞)を用いた細胞移植医療について概説できる。
E2-8-3-2~4
14 代表的な遺伝子組換え体の抗リウマチ薬を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。
代表的な遺伝子組換え体の骨粗鬆症治療薬および関連薬を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。
E2-2-3-1~2
15 代表的な遺伝子組換え体の血液製剤類、血液凝固関係製剤、抗血栓剤を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。 E2-3-2-2,5
16 分子標的治療薬としての代表的な抗悪性腫瘍薬を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。 E2-7-8-1

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 高木 生命情報を担う遺伝子概論と遺伝子情報を担う分子 1,2
2〜4 遺伝子の複製および転写・翻訳の過程と調節および遺伝子の変異・修復 3〜6
5〜6 遺伝子工学技術と遺伝子改変動物 7
7,8 細胞死および正常細胞・がん細胞
がん遺伝子とがん抑制遺伝子
8,9
9 組換え体医薬品 10
10〜11 森山 遺伝子治療および細胞、組織を用いた移植医療 11〜13
12〜14 林(秀) 代表的な遺伝子組換え体の治療薬の薬理作用、機序、副作用 14〜16

アクティブ・ラーニングの取り組み

◯各回に対応する補助プリントを配布し、講義しながら、空欄部分や補足部分を記入させるようにしている。
◯WebClassにおいて、講義の復習を演習形式で各自自習できるようにしている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

○毎回、講義の最初に進行予定範囲とキーワードを示し、何を学ぶか目標を明確にしている。
○機能形態学、生化学などで得た知識を可能な限り復習し、これら知識と病態、そして薬の効くプロセスを連動させて考え、応用力を養えるよう努めている。
○教科書等に未掲載の最新バイオ医薬品の作用機序や副作用情報は講義用補助プリントに随時反映させ、提供・解説している。

成績評価方法

<試験により評価する>
総括的評価
a) 知識: 定期試験の成績(100%)。 

教科書

バイオ医薬品ーバイオ医薬品が拓く新しい医療とセントラルドグマ・遺伝子工学ー(高木著 京都廣川書店)
薬学領域の生化学 第2版(伊東 晃編 廣川書店)

参考書

補助プリントを配布
ハーパー・生化学(上代 淑人監訳 丸善)
遺伝子工学 ー基礎から応用までー(野島博著 東京化学同人)

オフィスアワー

高木 原則としていつでも可。ただし要事前連絡。
林(秀)原則としていつでも可。ただし要事前連絡。
森山 原則としていつでも可。ただし要事前連絡。

所属教室

高木 応用生化学教室 研究2号棟5階 508号
林(秀)応用生化学教室 研究2号棟5階 508号
森山 応用生化学教室 研究2号棟5階 508号

準備学習(予習・復習等)

授業ごとに予習と復習を各々70分以上行うこと。講義用資料を予め配布しており、それに従って予習が行えるように配慮している。復習についてもテキストだけでなく、講義用資料を活用するように指導している。予習よりも復習に重点を置いた指導を行っている。

学生へのフィードバック

講義内で関連科目に関する質問を行い、解説をしてフィードバックする。
WebClassの演習に対してフィードバックを行なっている。

教員からの一言

抗体医薬品等を中心とするバイオ医薬品、細胞治療、遺伝子治療などは、薬学領域でもこれから益々重要になってくる分野です。日々進化していく分野の中で、その必要性と重要性を実感しながら学んでいってください。

備考

ナンバリングコード

RC3103

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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