薬学部シラバス2024

生物薬剤学
Biopharmaceutics

 3年 前期 3年必修科目 1単位
岸本 久直
樋口 慧
井上 勝央(取り纏め)

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学習目標(GIO)

生体内における薬物の量的・時間的な変化を理解できるようになるために、薬物の生体内運命について学習する。投与された薬物が体内を巡り、体外へ排泄されるまでの各過程(吸収、分布、代謝、排泄)を規定する因子やその生理機構に関する知識を習得する。さらに、体内での薬物動態を定量的に解析・予測できるようになるために、薬物速度論に関する基本的知識を習得する。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 薬物の生体膜透過における単純拡散やトランスポーターがかかわる促進拡散および能動輸送の特徴と薬物動態における役割を説明できる。 E4-1-1-1~2
2 経口投与されたあるいは非経口投与された薬物の吸収について説明できる。 E4-1-2-1~2
3 薬物の吸収に影響する因子(薬物の物性、生理学的要因など)を列挙し、説明できる。 E4-1-2-3
4 薬物の吸収過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。 E4-1-2-4
5 初回通過効果について説明できる。 E4-1-2-5
6 薬物が結合する代表的な血漿タンパク質を挙げ、タンパク結合の強い薬物を列挙できる。 E4-1-3-1
7 薬物の組織移行性(分布容積)と血漿タンパク結合ならびに組織結合との関係を、定量的に説明できる。 E4-1-3-2
8 薬物のタンパク結合および結合阻害の測定・解析方法を説明できる。 E4-1-3-3
9 血液-組織関門の構造・機能と、薬物の脳や胎児等への移行について説明できる。 E4-1-3-4
10 薬物のリンパおよび乳汁中への移行について説明できる。 E4-1-3-5
11 薬物の分布過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。 E4-1-3-6
12 代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織ならびに細胞内小器官、反応様式について説明できる。 E4-1-4-1~2
13 代表的な薬物代謝酵素(分子種)に対して、基質となる薬物およびその誘導剤を列挙し、その誘導メカニズムを説明できる。 E4-1-4-3,5
14 薬物の尿中排泄機構について、腎クリアランスと、糸球体ろ過、分泌、再吸収の関係を定量的に説明できる。 E4-1-5-1~2
15 代表的な腎排泄型薬物を列挙できる。 E4-1-5-3
16 薬物の胆汁中排泄と腸肝循環について説明できる。 E4-1-5-4
17 薬物の排泄過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。 E4-1-5-5
18 線形コンパートメントモデルと、関連する薬物動態パラメータ(全身クリアランス、分布容積、消失半減期、生物学的利用能など)の概念を説明できる。 E4-2-1-1
19 線形1-コンパートメントモデルに基づいた解析ができる(急速静注・経口投与[単回および反復投与]、定速静注)。(知識) E4-2-1-2
20 モーメント解析の意味と、関連するパラメータの計算法について説明できる。 E4-2-1-4
21 組織クリアランス(肝、腎)および固有クリアランスの意味と、それらの関係について、数式を使って説明できる。 E4-2-1-5
22 薬物動態学-薬力学解析(PK-PD 解析)について概説できる。 E4-2-1-6

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 樋口 序論(何を学ぶか)、生体膜透過機構 1
2 生体膜透過機構 1
3 薬物の吸収Ⅰ(pH分配理論) 1、2
4 薬物の吸収Ⅱ(消化管吸収、特に小腸からの吸収) 2、3
5 薬物の吸収Ⅲ(吸収に影響する要因) 4、5
6 岸本 薬物の分布Ⅰ(臓器分布) 6、9、10
7 薬物の分布Ⅱ(タンパク結合) 6、7、8、11
8 薬物の代謝(肝代謝) 12、13
9 薬物の排泄(胆汁中排泄、尿中排泄、その他の組織での排泄) 14、15、16、17
10 井上 薬物速度論Ⅰ(モデル非依存の速度論解析、AUC、平均滞留時間) 18、20
11 薬物速度論Ⅰ(1-コンパートメントモデル、静脈内投与、尿中排泄の解析) 18、19
12 薬物速度論Ⅱ(1-コンパートメントモデル、経口投与) 18、19
13 薬物速度論Ⅲ(クリアランス理論、生理学的モデル) 18、19、21、22

アクティブ・ラーニングの取り組み

授業内容に関する学生の理解を確認するために、授業の随所に簡単な○X問題や演習問題を取り入れている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

教科書の記述で特に重要な部分を補助プリントとして配布し、解説している。必要な理論式の誘導を行い、練習問題を解くなど理解度が増すように努めている。

成績評価方法

<試験により評価する>
1)形成的評価
 a)知識:WebClassに練習問題を提示し、繰り返しの知識の到達レベルを確認させている。
2)総括的評価
 a)知識:定期試験(100%)により評価する。

教科書

最新薬剤学 第11版(尾関哲也、井上勝央 編著、廣川書店)ISBN: 978-4567480277

参考書

生物薬剤学 改訂第4版(谷川原祐介、井上勝央 編集、南江堂、ISBN: 978-4-524-40381-3)
薬がみえる vol.4 第1版(医療情報科学研究所 編集、メディックメディア、ISBN: 978-4-89632-800-4)

オフィスアワー

在室のときにはいつでも可。
質問は、講義終了後の質問時間やオフィスアワーを利用して下さい。メールによる質問も受け付けますが、送信アカウントは大学のもの(学生番号@)に限定し、授業開講期間のみ受け付けます(個人的アカウントからの送信や最終回後の1週間後以降の送信に対しては返信しません)。

所属教室

井上、岸本、樋口 薬物動態制御学教室 研究棟1号館3階 303

準備学習(予習・復習等)

講義一週間前にWebClassへ講義資料を配布するので、予習を行うこと(予習:初回の講義で提示する各回の講義内容について、事前に教科書を読み、問題点、疑問点を抽出しておくこと)。
講義終了後、復習および講義内容に関する練習問題(WebClassで配布)を解くこと。
予習と復習を各々70分以上行うこと。

学生へのフィードバック

前年度の定期試験で理解度が低かった内容について演習・解説を行う。定期試験後には、フィードバック講義を行う。

教員からの一言

計算式を使う内容が随所で出てきますが、理解できないまま放置しないで、疑問はできるだけ早めに解決し、理解を深めてください。

備考

ナンバリングコード

RE3102

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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