薬学部シラバス2024

個別化医療Ⅰ
Personalized Medicine Ⅰ

 3年 後期 3年必修科目 1単位
降幡 知巳 (全クラス)
柴崎 浩美 (E,F,G,H)
横川 彰朋 (A,B,C,D)
森尾 花恵 (全クラス)

すべて開く

すべて閉じる

学習目標(GIO)

安全で有効な薬物治療を行うためには、科学的な根拠(Evidence-Based Medicine)に基づいて、一人ひとりの患者の身体的・遺伝的・生理的・病態生理的背景を考慮して薬物を選択し、適正な投与量と投与法を考慮・決定することが大切になる。そこで本講義では、薬物代謝酵素やトランスポーターの遺伝子多型、がん治療における個別化、治療薬物モニタリングの意義、疾患時の臨床薬物動態学、薬物動態の予測法など、個別化薬物治療の基本となる項目について学ぶ。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 個別の患者情報(遺伝的素因、年齢的要因、臓器機能など)と医薬品情報をもとにした薬物治療の意義について説明できる。 E3-3-5-1
2 薬効発現・毒性発現に関わる代表的な遺伝的素因について、例をあげて説明できる。 E3-3-1-1
3 薬物動態に影響する代表的な遺伝的素因(薬物代謝酵素やトランスポーターの遺伝子多型など)とその機序について、例を挙げて説明できる。 E3-3-1-2
4 薬物動態関連遺伝子や治療標的の遺伝情報(遺伝子多型・体細胞変異など)の診断およびその情報を考慮した薬物投与設計について説明できる。 E3-3-1-3 E3-3-5-2 E4-1-4-3
5 薬物間相互作用について説明できる。 E4-1-2-4 E4-1-3-6 E4-1-4-5 E4-1-5-5
6 薬物治療の個別化における治療薬物モニタリング(TDM)の重要性を説明できる。 E4-2-2-1
7 投与設計に必要な薬物動態に関する基本的理論、薬物動態学的パラメーターの算出法を説明できる。 E4-2-1-1,3,5
8 薬物動態学的パラメーター (消失半減期、全身クリアランス、分布容積)について説明し、計算できる。 E4-2-1-1~3
9 定速静注、反復投与における投与設計ができる。 E4-2-1-1,4,6
10 代表的な薬物の体内動態の変動要因について説明できる。 E3-3-4-1~3
11 肝疾患時における薬物動態の変動や薬物投与法について、例をあげて説明できる。 E1-3-2-1 E3-3-3-2
12 腎疾患時における薬物動態の変動や薬物投与法について、例をあげて説明できる。 E1-3-2-1 E3-3-3-1
13 心疾患時における薬物動態の変動や薬物投与法について、例をあげて説明できる。 E1-3-2-1 E3-3-3-3

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 降幡 薬物間相互作用の概論 5,10
2 遺伝子多型診断による薬物投与の個別化
(1)遺伝子多型と臨床薬物動態学の概論
1,2,3
3 遺伝子多型診断による薬物投与の個別化
(2)薬物代謝酵素の遺伝子多型
2,3,4
4 遺伝子多型診断による薬物投与の個別化
(3)トランスポーターの遺伝子多型
2,3,4
5 森尾 遺伝子多型診断による薬物投与の個別化
(4)がん治療における個別化
1,2,4
6 柴崎,横川 TDM による薬物投与の個別化:TDM の意義 1,6
7 投与設計に必要な薬物動態に関する基本的理論
(1)薬物動態学的パラメーターの算出
7
8 投与設計に必要な薬物動態に関する基本的理論
(2)薬物動態学的パラメーターを用いた計算
8
9 投与設計に必要な薬物動態に関する基本的理論
(3)定速静注、反復投与における投与設計
9
10 疾患時の薬物投与の個別化
(1)薬物動態学的パラメーターの算出
10
11 疾患時の薬物投与の個別化
(2)肝疾患
11
12 疾患時の薬物投与の個別化
(3)腎疾患
12
13 疾患時の薬物投与の個別化
(4)心疾患
13

アクティブ・ラーニングの取り組み

教科書の確認問題等を行うように指示している。中間テストを実施し、解答を開示している。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

教科書の例題を用い、問題解決能力を養う。教科書の確認問題を利用し,国家試験、CBTに対する力も養う。学会・学術論文および医療現場における症例や最新情報を紹介して、講義内容がどのように臨床につながるかを示すとともに、実務実習に対応できるようにする。

成績評価方法

<試験により評価する>
1)形成的評価
a)知識:中間テストの結果を評価する。
2)総括的評価
a)知識:中間テスト、定期試験にて評価する。再試験を1回実施する。定期試験 (80%)、中間テスト (20%) として評価する。成績評価60% 以上を合格とする。出席不良者は受験停止とすることがある。
3) 成績の評価基準 (総括的評価)
S (90%以上)  :合格
A (80〜90%未満):合格
B (70〜80%未満):合格
C (60〜70%未満):合格
D (60%未満)  :不合格
※再試験の成績・・・合格の場合 C

教科書

テーラーメイド医療 –薬物治療の個別化– 第2版(古田、柴崎、横川 著、京都廣川書店)

参考書

臨床薬物動態学 改訂第5版(加藤隆一 監修、家入一郎/楠原洋之 編集、南江堂、ISBN: 978-4-524-25758-4)

オフィスアワー

降幡 月〜金の在室中はいつでも可。(ただし、メールにてあらかじめ予約してください)個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 2階
柴崎 月〜金の在室中はいつでも可。(ただし、メールにてあらかじめ予約してください)個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 1階
横川 月〜金の在室中はいつでも可。(ただし、メールにてあらかじめ予約してください)個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 1階
森尾 月〜金の在室中はいつでも可。(ただし、メールにてあらかじめ予約してください)個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 1階

所属教室

降幡知巳 個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 2階
柴崎浩美 個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 1階
横川彰朋 個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 1階
森尾花恵 個別化薬物治療学教室 医療薬学研究棟 1階

準備学習(予習・復習等)

授業前に該当する章を簡単に読んで大筋を理解しておくこと。復習として,教科書に掲載した確認問題、例題、課題を行うこと。

学生へのフィードバック

中間テストの解答を示すとともに、答案に多く見られた間違いを示し注意を促す。

教員からの一言

講義内容の理解のために、教科書に掲載した各項のまとめを復習と知識の定着に利用して下さい。中間テストの内容をしっかり復習してください。

備考

ナンバリングコード

RE3202

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

科目検索について

検索するキーワードを入力して、検索ボタンをクリックします。
条件を指定した「AND検索」または「OR検索」が可能です。
 ・AND検索は指定したキーワードをすべて含むものを検索します。
 ・OR検索は指定したキーワードのいずれかひとつでも含むものを検索します。
※1つの入力欄に複数の条件を指定することはできません。

※1 キーワード検索は、3つまで同時に入れられます。
※2 検索がヒットしない場合は、キーワードを短縮してください。