薬学部シラバス2024
薬理学Ⅳ
Pharmacology Ⅳ
3年 後期 3年必修科目 1単位 | |
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田野中 浩一 丸ノ内 徹郎 |
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学習目標(GIO)
薬理学 I から III に続いて、本講義では、糖尿病治療薬、抗アレルギー薬、免疫抑制薬、腎・泌尿器に作用する薬物、脂質異常症治療薬、抗リウマチ薬、高尿酸血症・痛風治療薬、耳鼻咽喉・皮膚に作用する薬物および抗悪性腫瘍薬に関する基本的知識を習得する。本講義では、これら薬物の細胞内情報伝達系などの分子生物学的な理論に基づく作用機序および有害事象を含む副作用を中心に薬物治療の基盤について習得する。薬剤師の職能に直結する重要な科目であり、機能形態学、生化学および有機化学などの様々な関連科目の広範な知識を駆使して考えるための能力が要求される。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
---|---|---|
1 | 糖尿病が代謝に及ぼす病態生理学的変化について、簡潔に説明できる。 | E2-5-1-1 E2-5-3-1 |
2 | 代表的な抗糖尿病薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-5-1-1 E2-5-3-1 |
3 | アレルギー疾患の発症機序について説明できる。 | E2-2-2-1 |
4 | 代表的な抗アレルギー薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-2-2-1,3~6 E2-2-4-1 |
5 | 免疫制御および免疫疾患について、説明できる。 | E2-2-2-2 |
6 | 代表的な臓器特異的自己免疫疾患に対する治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-2-2-7 E2-2-4-1 |
7 | 代表的な全身性自己免疫疾患に対する治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-2-2-8 E2-2-4-1 |
8 | 代表的な免疫抑制薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-2-2-9 E2-2-4-1 |
9 | 代表的な急性・慢性腎不全治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-3-3-2 E2-3-4-1 |
10 | 代表的なネフローゼ症候群への治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-3-3-3 E2-3-4-1 |
11 | 代表的な膀胱機能障害への治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-3-3-4 E2-3-4-1 |
12 | 慢性腎臓病、尿路結石への治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-3-3-5 E2-3-4-1 |
13 | 代表的な抗リウマチ薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-2-3-1,3 |
14 | 代表的な高尿酸血症・痛風治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-5-1-3 E2-5-3-1 |
15 | 代表的な脂質異常症治療薬(動脈硬化症治療薬)を挙げ、それらの作用機序および主な副作用に基づいた薬理作用について説明できる。動脈硬化症の主因の一つである脂質異常症の病態生理について解説できる。 | E2-5-1-2 E2-5-3-1 |
16 | 耳鼻咽喉疾患での機能異常と構造変化について簡潔に解説できる。 | E2-6-2-2 |
17 | 代表的なめまい治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-6-2-1 E2-6-4-1 |
18 | 皮膚組織の構造および皮膚疾患での病態生理学的変化について簡潔に説明できる。 | C7-1-6-1 |
19 | 代表的なアトピー性皮膚炎治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-6-3-1 E2-6-4-1 |
20 | 代表的な乾癬症治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-6-3-2 E2-6-4-1 |
21 | 代表的な褥瘡治療薬を挙げ、作用機序を基にした適用および薬理作用に加え、有害事象を含めた副作用について説明できる。 | E2-6-3-3 E2-6-4-1 |
22 | 細胞増殖の機序(細胞周期、増殖信号および増殖因子)および悪性腫瘍の種類について簡潔に説明できる。 | C6-4-3-1 C6-4-4-1 C6-5-5-2 C6-6-2-2 C6-7-1-1 C6-7-3-1 E2-7-7-1,3 |
23 | アルキル化薬および核酸代謝拮抗薬について作用機序、適用、代表的な副作用について説明できる。 | C4-3-4-1 C4-3-6-1~3 E2-7-8-1,3~13 E2-7-10-1 |
24 | アルカロイド由来の抗悪性腫瘍薬の作用機序、適用、特徴ある副作用について説明できる。 | E2-7-8-1,3~13 E2-7-10-1 |
25 | 抗生物質由来の抗悪性腫瘍薬の作用機序、適用、特徴ある副作用について説明できる。 | E2-7-8-1,3~13 E2-7-10-1 |
26 | 分子標的薬の作用機序、適用、特徴ある副作用について説明できる。 | E2-7-8-1,3~13 E2-7-10-1 E2-8-1-1~3 |
27 | ホルモン由来抗悪性腫瘍薬の作用機序、適用、特徴ある副作用について説明できる。 | E2-7-8-1,3~13 E2-7-10-1 |
28 | 上記以外の抗悪性腫瘍薬の作用機序、適用、特徴ある副作用について説明できる。 抗悪性腫瘍薬の効果を高める薬物および副作用を軽減する薬物の適用および作用機序について説明できる。 |
E2-7-8-1,3~13 E2-7-10-1 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 丸ノ内 | 抗糖尿病薬 1 | 1 |
2 | 〃 | 抗糖尿病薬 2 | 2 |
3 | 〃 | 抗アレルギー薬 | 3、4 |
4 | 〃 | 免疫抑制薬 | 5~8 |
5 | 〃 | 腎機能・泌尿器障害治療薬 | 9~12 |
6 | 田野中 | 抗リウマチ薬 | 13 |
7 | 〃 | 高尿酸血症・痛風治療薬 | 14 |
8 | 〃 | 脂質異常症治療薬 | 15 |
9 | 〃 | 耳鼻咽喉疾患治療薬 | 16、17 |
10 | 〃 | 皮膚疾患治療薬 1 | 18、19 |
11 | 〃 | 皮膚疾患治療薬 2 | 20、21 |
12 | 〃 | 抗悪性腫瘍薬 1 | 22、23 |
13 | 〃 | 抗悪性腫瘍薬 2 | 23、24 |
14 | 〃 | 抗悪性腫瘍薬 3 | 25、26 |
15 | 〃 | 抗悪性腫瘍薬 4 | 27、28 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
講義中に薬理学だけではなく、関連科目の復習事項を提示し、発展的な学習に取り組むように指示している。講義資料を活用し、関連科目で履修した内容を把握するように指導している。学習する範囲が広いので、薬理学 I から III の講義資料および関連科目のテキストも見直すように指導している。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
・ 教科書等に未掲載の最新の作用機序や副作用情報、および新薬に関する情報は講義資料を用いて、提供およびそれに関する解説をしている。
・ 講義資料を予め配布し、キーワードを示し、何を学ぶか目標を明確にし、学生に次回の講義に関する予習を行えるように配慮している。講義、参考書および講義資料から、学んだことをノートに纏め、各学生の独自のテキストが作成できるように指導する。
・ 機能形態学、生化学などで得た知識を可能な限り復習し、これら知識と病態、そして薬の効くプロセス(作用機序・薬効)を連動させて考え、応用力を養えるよう努めている。
・学生の理解度を向上させるために、補講を入れる。
成績評価方法
<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識: 講義内で薬理学で履修した項目だけでなく、その他の関連科目に関する質問を行う。学生が、知識の整理と補充に取り組むようにする。
2) 総括的評価
a) 知識: 定期試験で評価する (100%)。不合格者には再試験を1回実施する。なお、追試験者への再試験は実施しない。
出席不良の学生には単位認定を行わない。受講者には全出席を要求するが、已むを得ず欠席した場合には、欠席届に欠席理由を証明する書類を添付したものを1週間以内に提出する(入院などの長期欠席の場合は復学後1週間以内)。不備がある場合には欠席届を受理しない。
教科書
薬系薬理学書 (南江堂)
参考書
ガイドラインで理解する疾病と薬物治療 代謝疾患 (オーム社)978-4-274-21424-0
標準薬理学(医学書院)978-4-260-04163-8
グラフィカル 機能形態学 (京都廣川書店)978-4-909197-68-9
薬理学実習の実際とデータの見方 (南山堂)978-4-525-72291-3
薬名[語源]事典(武蔵野大学出版会)978-4-903281-46-9 C3047
オフィスアワー
原則として、ゼミナール担当期間を除く14時以降とし、分子細胞病態薬理学教室にて対応します。課題研究指導および学務に関連する業務があり、時間を調整する必要があります。そのため、来室する際には、予め連絡を入れてください。なお、連絡無しの対応は行いません。定期試験直前の質問は受け付けないので、講義後の復習を必ず行い、オフィスアワーを利用して、不明な点についての学習を進めてください。
所属教室
分子細胞病態薬理学教室(研究4号館5階)
準備学習(予習・復習等)
・ 講義用資料を配布しているので、講義前に各自講義範囲の確認を行うように指示している。講義後の復習の方が、予習よりも重要なので予習よりも復習に重点を置いた指導を行っている。
・ 講義資料を基に、機能形態学、生化学および有機化学を中心に関連する科目についても、その都度復習を行うように講義の中で指導している。
学生へのフィードバック
・ 講義内での質疑応答およびオフィスアワーでフィードバックを行う。
・ 定期試験(本試験)終了後に、不合格者へのフィードバック講義を実施する。フィードバック講義については、本試験合格者でも積極的に学習に取り組む者には聴講を認める。なお、再試験受験者への試験内容の提示は行わない。
・ 学生への講義期間中のフィードバックが必要と判断した場合、適宜、補講を行うこととする。
教員からの一言
・ 本講義では非常に多くの薬物が登場し、それらは臨床で用いられているものです。実務実習では、講義で履修した薬物に必ず接することになります。薬剤師は、薬物に関する説明ができないということは許されません。真摯な態度での学習を求めます。
・ 配布資料は、指定テキストの薬系薬学書と併せて使用してください。テキストで解説のために用いられている図表を必ず復習で活用してください。薬物の作用機序および治療に用いられる根拠を理解するのに役立ちます。
・ 薬理学は暗記科目ではありません。本講義では、学生諸氏に薬物の作用機序だけでなく、有害事象を含めた副作用およびそれらを勘案した臨床用途について総合的に考える能力を身に着けることを要求します。各講義での情報量が多いので、必ず講義後の復習を実践してください。
備考
・ 毎回出席を取ります。出席回数が、全講義回数の 2/3 に達しない場合は、原則として定期試験の受験資格を与えない。
・ 欠席した場合には、当該講義日から1週間以内に、欠席する事由が生じたことを証明するものを添付した欠席届を提出しなければいけない。期間外の提出は受理しない。原則として遅刻を認めないので、欠席扱いとする。
・ 薬理学は暗記科目ではありません。本講義では、薬物の作用機序だけでなく、有害事象を含めた副作用およびそれらを勘案した臨床用途について総合的に考える能力を身に着けることを要求します。各講義での情報量が多いので、必ず講義後の復習を実践してください。特に、疾病と薬物治療の基礎になるものです。当該科目での病態への理解に役立つものなので、併せて学習してください。
ナンバリングコード
RE3203