薬学部シラバス2024
疾病と薬物治療Ⅴ
Diseases and Pharmacotherapy Ⅴ
3年 後期 3年必修科目 1単位 | |
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鈴木 賢一 杉山 健太郎 田中 祥子 |
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学習目標(GIO)
薬物療法が治療上重要な疾患のうち、呼吸器系疾患、免疫・アレルギー疾患(関節リウマチ、重症筋無力症等を含む)、移植医療、眼科および耳鼻咽喉科領域の疾患における身体の病的変化を病態生理学的に理解するために、これらの疾患の概念、分類、症候、臨床検査値、および診断に関する基本的知識を修得する。併せてこれらの疾患に対する薬物療法の概念を理解するために、代表的治療薬に関する一般的知識を修得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 肺、気管支について概説できる。 | C7-1-8-1 |
2 | アレルギーを分類し、担当細胞および反応機構について説明できる。 | C8-2-1-2 |
3 | 気管支喘息について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-4-1-1 |
4 | 鎮咳薬、去痰薬、呼吸興奮薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。 | E2-4-1-4 |
5 | 慢性閉塞性肺疾患および喫煙に関連する疾患(ニコチン依存症を含む)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-4-1-2 |
6 | 間質性肺炎について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-4-1-3 |
7 | 以下の呼吸器感染症について、病態(病態生理、症状等)、感染経路と予防方法および薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。上気道炎(かぜ症候群(大部分がウイルス感染症)を含む)、気管支炎、扁桃炎、細菌性肺炎、肺結核、レジオネラ感染症、百日咳、マイコプラズマ肺炎 | E2-7-3-1 |
8 | 関節リウマチについて、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。以下の全身性自己免疫疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。全身性エリテマトーデス、強皮症、多発筋炎/皮膚筋炎、関節リウマチ(重複) | E2-2-2-8 E2-2-3-1 |
9 | アナフィラキシーショックについて、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-2-2-5 |
10 | アレルギー性鼻炎(重複)、花粉症(重複)、副鼻腔炎(重複)、中耳炎(重複)、口内炎・咽頭炎・扁桃腺炎(重複)、喉頭蓋炎 | E2-6-2-2 E2-6-3-4 |
11 | アトピー性皮膚炎について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-6-3-1 |
12 | 臓器移植(腎臓、肝臓、骨髄、臍帯血、輸血)について、拒絶反応および移植片対宿主病(GVHD)の病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。免疫抑制薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。 | E2-2-2-2,9 |
13 | 後天性免疫不全症候群(AIDS)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、感染経路と予防方法および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-7-4-5 |
14 | 重症筋無力症について説明できる。 | E2-1-2-4 |
15 | 感覚器系について概説できる。 | C7-1-13-1 |
16 | 緑内障について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-6-1-1 |
17 | 白内障について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-6-1-2 |
18 | 加齢性黄斑変性について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-6-1-3 |
19 | めまい(メニエール病)の病態生理と適切な治療薬ついて説明できる。 | E2-6-2-1 |
20 | かぜ症候群、鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎の病態生理および治療薬について概説できる。 | E2-6-2-2 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 鈴木 | 呼吸器系の成り立ちと呼吸機能検査および気管支喘息について | 1,2 |
2 | 〃 | 気管支喘息の病態、症状および薬物治療 | 3,4 |
3 | 〃 | 慢性閉塞性肺疾患の病態、症状および治療薬 | 4,5 |
4 | 〃 | 間質性肺炎、肺炎、肺結核の原因、病態、症状、検査、および治療薬について | 6,7 |
5 | 杉山 | 免疫系の成り立ち、アレルギーの種類、および代表的な自己免疫疾患の病態生理 と治療薬について | 2 |
6 | 〃 | 関節リウマチの病態生理と適切な治療薬について | 2,8 |
7 | 〃 | 全身性エリテマトーデス、アナフィラキシーショックの病態生理と治療薬について | 2,8,9 |
8 | 〃 | アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の病態生理と適切な治療薬について | 2,10,11 |
9 | 〃 | 後天性免疫不全症候群(AIDS)と臓器移植に関連した病態生理と適切な治療薬について | 2,12,13 |
10 | 田中 | 重症筋無力症、乾癬の病態生理および薬物治療 | 14 |
11 | 〃 | 眼の構造と機能、および緑内障等の病態と薬物治療 | 15,16 |
12 | 〃 | 白内障、加齢性黄斑変性、ぶどう膜炎の病態生理および治療薬 | 15,17,18 |
13 | 〃 | 耳の構造と機能、およびめまい(メニエール病)の病態生理、治療薬、かぜ症候群、鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、病態生理および治療薬 | 15,19,20 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
5年次の実務実習や就職後に医療現場にいくことを踏まえ、国家試験だけに限らず、医療現場で役立つ知識等を実務経験者の視点で臨場感のある講義を行う。また授業内容に関する学生の理解度を確認するため、授業中随所で簡単な練習問題等を取り入れる。
なお、適宜薬剤師国家試験出題傾向の理解を図る目的で補助プリント等を活用し、学習のモチベーション向上に寄与する。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
教科書や配布プリントの内容を基本とし、板書、資料、およびスライドによってその十分な補足説明を行っている。WebClassを活用して資料を配布する予定。
成績評価方法
<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:講義の中で確認問題を用意している。
2) 総括的評価
a) 知識:定期試験により評価する(100%)。レポート点などの複数の評価方法は用いない。
教科書
「コンパス薬物治療学(改定第2版)」原明義、小山進編(南江堂)
参考書
全ての講義について、WebClassから配信された補助プリントも使用する。
オフィスアワー
鈴木 賢一 月~金の在室中はいつでも可。 臨床薬理学教室(医療薬学研究棟2階研究室)
杉山 健太郎 月~金の在室中はいつでも可。 臨床薬理学教室(医療薬学研究棟1階研究室)
田中 祥子 月~金の在室中はいつでも可。 臨床薬理学教室(医療薬学研究棟2階研究室)
所属教室
鈴木 賢一 臨床薬理学教室(医療薬学研究棟2階研究室)
杉山 健太郎 臨床薬理学教室(医療薬学研究棟1階研究室)
田中 祥子 臨床薬理学教室(医療薬学研究棟2階研究室)
準備学習(予習・復習等)
教科書および参考書などで、次回の講義のSBO項目を予習しておく事をすすめます。「薬がみえる」(メディックメディア)などの参考書も有用です。教員のオフィスアワーを活用し、不明な部分を放置しないよう教員に尋ねてください。WebClassの問題集を是非活用してください。
学生へのフィードバック
教科書や配布プリントを良く理解すること。また、前回講義で実施した内容の演習問題を講義の中で取り入れている。
教員からの一言
図表や画像所見を多く取り入れた教科書、プリント等を講義に用い、板書と併せ分かりやすい解説の工夫を心がけます。不明な箇所は、いつでも積極的に質問をお願い致します。担当者は自らの臨床業務や臨床研究の経験を生かし、臨場感のある講義を意識しています。
3年後期の段階では、身体の基本構造や機能と疾病の成り立ちや病態に関する基本的なところを理解し、修得することが大事です。興味があれば、アドバンスの部分を独自に勉強することは否定しませんが、ここでの基礎力充実が高学年のアドバンスな科目できっと生きてきます。
備考
実務家教員担当科目
ナンバリングコード
RE3204