薬学部シラバス2024
疾病と薬物治療Ⅵ
Diseases and Pharmacotherapy Ⅵ
3年 後期 3年必修科目 1単位 | |
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畔蒜 祐一郎 鈴木 信也 原 直己 |
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学習目標(GIO)
患者情報に応じた薬の選択、用法・用量の設定および医薬品情報・安全性や治療ガイドラインを考慮した適正な薬物治療に参画できるようになるために、疾病に伴う症状などの患者情報を解析し、最適な治療を実施するための薬理、病態・薬物治療に関する基本的事項を修得する。本講義では、悪性新生物及び循環器系に作用する医薬品の薬理および疾患の病態・薬物治療に関する基本的知識を修得し、治療に必要な情報収集・解析および医薬品の適正使用に関する基本的事項を修得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 血液・造血器系について概説できる。 | C7-1-14-1 |
2 | 以下の貧血について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血等)、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、腎性貧血、鉄芽球性貧血 |
E2-3-2-3 |
3 | 以下の白血病について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 急性(慢性)骨髄性白血病、急性(慢性)リンパ性白血病、成人T 細胞白血病(ATL) |
E2-7-8-5 |
4 | 悪性リンパ腫および多発性骨髄腫について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-7-8-6 |
5 | 播種性血管内凝固症候群(DIC)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-3-2-4 |
6 | 以下の疾患について治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 血友病、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、白血球減少症、血栓塞栓症、白血病(重複)、悪性リンパ腫(重複)(E2(7)【⑧悪性腫瘍の薬、病態、治療】参照) |
E2-3-2-5 |
7 | 以下の不整脈および関連疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる:上室性期外収縮(PAC)、心室性期外収縮(PVC)、心房細動(Af)、発作性上室頻拍(PSVT)、WPW症候群、心室頻拍(VT)、心室細動(Vf)、房室ブロック、QT延長症候群。 | E2-3-1-1 |
8 | 急性および慢性心不全について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-3-1-2 |
9 | 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 | E2-3-1-3 |
10 | 以下の高血圧症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる:本態性高血圧症、二次性高血圧症(腎性高血圧症、腎血管性高血圧症を含む)。 | E2-3-1-4 |
11 | 以下の疾患について概説できる:閉塞性動脈硬化症(ASO)、心原性ショック、弁膜症、先天性心疾患 | E2-3-1-5 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 畔蒜 | 悪性新生物-1 | 1,2 |
2 | 〃 | 悪性新生物-2 | 3 |
3 | 〃 | 悪性新生物-3 | 1,3 |
4 | 〃 | 悪性新生物-4 | 1,4 |
5 | 〃 | 悪性新生物-5 | 5 |
6 | 〃 | 悪性新生物-6 | 6 |
7-8 | 鈴木 | 高血圧 | 10 |
9-10 | 〃 | 虚血性心疾患 | 9,11 |
11 | 原 | 心不全 | 8 |
12-13 | 〃 | 不整脈 | 7 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
各回に補助プリントを配布し、講義を進行しながら空欄部分を記入させるようにしている。また、講義中に教科書へのマークや書き込みを促し、13回の講義終了後には教科書が学生各自が作成し自らに適した「まとめの学習ノート」として仕上がるように仕向けている。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
各種疾患の診療ガイドラインに基づいて講義を行い、症例や処方例を紹介することにより具体的なイメージを持たせるようにしている。パワーポイントや書画カメラを利用して、写真や医療器具など、視覚に訴える資料を活用している。また、疾患ごとに最初の講義時間を関連する解剖生理学や生化学的知識の復習に充てており、本論の理解を深めるように促している。初学者といえども現場で直ぐに役立つ講義内容を目指している。
成績評価方法
<試験により評価する>
総括的評価
a)知識:定期試験(90%)、レポート(10%)の結果に基づいて評価する。但し、受講態度によっては受験資格を失うことがある。
教科書
畔蒜 教科書は能動的薬物治療論(京都廣川)を使用、その他WebClassにて講義資料を事前に提示する。
鈴木・原 教科書は病気がみえる vol.2 循環器(メディックメディア)を使用、その他WebClassにて講義資料を事前に提示する。
参考書
疾患と治療薬 改訂第6版(南江堂)
visual core pharma 薬物治療学 改定7版(南山堂)
カラーテキスト血液病学 第2版(中外医学)
血液専門医テキスト 日本血液学会編集(南江堂)
処方管理学(南山堂)
オフィスアワー
畔蒜・鈴木・原 いつでも可。但し、メールによる予約が必要。
所属教室
畔蒜 臨床薬剤学教室 医療薬学研究棟2階 M206号室
鈴木 薬学実務実習教育センター(教育5号館)5601号室
原 薬学実務実習教育センター(教育5号館)5601号室
準備学習(予習・復習等)
授業を受ける前に、シラバスを開いて講義予定項目のSBOsを確認し、教科書の該当範囲を読んでから講義に臨むようにしてください。また、講義の後は必ず復習してください。
学生へのフィードバック
学生から寄せられた質問や感想などに対して、必要に応じて授業中に全学生に向けてその内容を伝え、解説を加える等の対応を行う。また、特に必要性の高いものについては翌年以降の講義内容に反映させる。
教員からの一言
分からないことをそのままにしないで、参考書等で調べてください。自分で調べることがとても大切です。それでも理解できなければ、オフィスアワーや次回の講義のときに質問してください。
備考
実務家教員担当科目
ナンバリングコード
RE3205