薬学部シラバス2024
生物系実習Ⅲ 生化学実習
Laboratory Course in Biology Ⅲ : Biochemistry and Molecular Biology
3年 前期 実習科目 1.5単位 | |
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佐藤 隆、水野 晃治、奥山 勝揮、小岩井 利一 高木 教夫、林 秀樹、森山 慶之、岩谷 結衣 今田 啓介 |
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学習目標(GIO)
1、2年次の授業科目である生化学Ⅰ、ⅡおよびⅢで、生体成分の構造・性質と機能、それらの代謝、遺伝子とその発現について学んだ。本実習ではこれらを踏まえ、酵素タンパク質および核酸(DNAおよびRNA)を実際に取り扱い、逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法およびポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの実験を通じてそれらの性質と働きについて理解する。さらに酵素活性、核酸の構造、薬の効き方を解析する生化学的な実験技術を修得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
---|---|---|
1 | 酵素反応の特性を一般的な化学反応と対比させて説明できる。[知識] | C6-3-3-1 |
2 | 代表的な酵素の活性を測定できる。[技能] | C6-3-3-4 |
3 | 酵素反応における至適pHおよび金属イオンの役割について説明できる。[知識] | C6-3-3-2 |
4 | 酵素反応速度論について説明できる。[知識] | C6-3-3-1 |
5 | DNAとRNAの構造および機能について説明できる。[知識] | C6-2-5-1 |
6 | 遺伝子工学に関する基本的技術を挙げ、それらについて説明できる。[知識] | C6-4-6-1 |
7 | DNAの物理化学的性質を説明できる。[知識] | C6-2-5-1 |
8 | DNAを生体組織から抽出できる。[技能] | C6-2-8-1 |
9 | DNAの分光学的定量法を説明し、それを実施できる。[知識・技能] | C6-2-8-1 |
10 | RNAの物理化学的性質を説明できる。[知識] | C6-2-5-1 |
11 | RNAの逆転写反応と逆転写酵素について説明できる。[知識] | C6-4-6-1 |
12 | PCR法による遺伝子増幅の原理を説明し、それを実施できる。[知識・技能] | C6-4-6-1 |
13 | DNAを電気泳動法により分離できる。[技能] | C2-5-2-1 C6-2-8-1 |
14 | 薬物による遺伝子発現制御メカニズムの具体例を挙げ、それを説明できる。[知識] | C6-4-1-1 C6-4-4-1~5 |
15 | DNA塩基配列の決定法を説明できる。[知識] | C6-2-5-1 C6-4-6-1 |
16 | タンパク質の主要な機能を列挙できる。[知識] | C6-3-1-1 |
17 | タンパク質の一次、二次、三次、四次構造を説明できる。[知識] | C6-2-4-1 |
18 | タンパク質の分離・同定法を説明し、実施できる。[知識・技能] | C6-2-4-1 C6-2-8-1 |
19 | タンパク質の分子量測定法を説明し、実施できる。[知識・技能] | C2-5-2-1 C6-2-4-1 C6-2-8-1 |
20 | 実験に使用した廃液を適切に処理する。[態度・技能] | F-2-6-11,13 |
21 | 実験に用いる器具、機器を正しく丁寧に取り扱う。[技能・態度] | F-2-6-11 |
22 | 適切な保護具を付けて実験を行う。[態度・技能] | F-2-6-11,13 |
23 | 周囲の安全に配慮して実験を行う。[態度・技能] | F-2-6-11 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 担当教員全員 | 酵素反応の至適pH および金属イオンの影響 | 1-3、20-23 |
2 | 〃 | 酵素反応の経時変化および酵素量との関係 | 1、2、20-23 |
3 | 〃 | 酵素反応速度論 | 1、2、4、20-23 |
4 | 〃 | 仔牛胸腺DNAの調製 | 5-8、20-23 |
5 | 〃 | DNAの熱変性 | 5-7、9、20-23 |
6 | 〃 | RT-PCR法による標的遺伝子の増幅 | 5、6、10、11、12、15、 20-23 |
7 | 〃 | アガロースゲル電気泳動法によるPCR産物の同定 | 6、7、13、14、20-23 |
8 | 〃 | ポリアクリルアミドゲル電気泳動による酵素タンパク質の分離同定Ⅰ:ゼラチンザイモグラフィー法 | 1-3、16-18、20-23 |
9 | 〃 | ポリアクリルアミドゲル電気泳動による酵素タンパク質の分離同定Ⅱ:ゲルの染色および酵素タンパク質の解析 | 1-3、14、18、19、 20-23 |
10 | 〃 | 実習試験 | 1-19 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
1. 実習内容の理解度チェックの確認テストを実施している。
2. 各実習項目終了毎に、レポートを作成させ、提出させている。
3. 補助プリントを配布し、実習説明をしながら、空欄部分を記入させるようにしている。
4. 学生を指名して、実験結果を発表させている。
5. 実習終了後に、実習グループ毎での口頭試問を行い、実験方法の原理や実験結果の解釈などについて、教員を中心にグループ内で討論を行っている。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
1. 実習項目に対応する教科書のページを実習書に記載し、授業との関連を捉えやすくしている。
2. 実習書の中に提出用レポート用紙が印刷されており、ミシン目が入っている。学生は実習項目が終了するごとにレポート用紙に必要事項を記入し、ミシン目に沿って切り離し、提出できるようになっている。
3. 基礎的な生化学的実験のみならず疾患関連分子を標的とした最新の遺伝子発現解析実験を取り入れることで、学生が病態機構を多角的、かつ統合的に理解することができるようになっている。
4. 生化学実習では、実習中に教員が巡回し、実験の細やかな指導・観察を行っている。
成績評価方法
1)形成的評価
a)知識:実習項目終了毎にレポートを提出させ、教員が確認してフィードバックする。また、関連知識の確認のため、WebClassを活用した確認テストを行う。
b)技能:教員が学生の実験手技を観察しながら適宜技術指導を行い、こまめにフィードバックする。
c)態度:実習期間中を通じて観察し、態度不良などについてはその場でフィードバックを行い改善を促す。
d) パフォーマンス:実習を通じて自身のパフォーマンスを、ルーブリック評価表を用いて自己評価させる。
2)総括的評価
a)知識:レポート、確認テストおよび最終日に行う総括試験から総合的に評価する。なお原則として総括試験の得点が6割以上を合格の条件とする。
b)技能:実習期間中の観察と実験結果から総合的に評価する。
c)態度:実習期間中の観察により総合的に評価する。
成績は、総括試験(40%)、レポート・確認テスト(40%)、技能・態度(20%)により総合的に評価する。
教科書
薬学実験書(東京薬科大学編)
参考書
薬学領域の生化学 第2版(伊東 晃編集 廣川書店)ISBN:978-4-567-24411-4
スタンダード薬学シリーズⅡ-4 生物系薬学Ⅰ.生命現象の基礎(日本薬学会編 東京化学同人)ISBN:978-4-8079-1708-2
オフィスアワー
生化学教室:原則としていつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
応用生化学教室:原則としていつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
薬学基礎実習教育センター:原則としていつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
所属教室
佐藤 隆 生化学教室 研究4号館4階
水野 晃治 生化学教室 研究4号館4階
奥山 勝揮 生化学教室 研究4号館4階
小岩井 利一 生化学教室 研究4号館4階
高木 教夫 応用生化学教室 研究2号館5階
林 秀樹 応用生化学教室 研究2号館5階
森山 慶之 応用生化学教室 研究2号館5階
岩谷 結衣 応用生化学教室 研究2号館5階
今田 啓介 薬学基礎実習教育センター 教育1号館3階
準備学習(予習・復習等)
生化学実習は、1年次から2年次にかけて学んだ生化学の講義内容を基礎とし、その知識を体現する場です。実習に臨むにあたり、予め実習書を読んでおくとともに、教科書を見直すなど生化学の内容を復習しておいて下さい。また、実習で行ったことを、課題レポートなどを活用して必ず復習して下さい。
学生へのフィードバック
実習中は、教員が巡回しながら実験手技やデータ解析について細かく指導し、その場でフィードバックしている。また、各実習項目のレポートについても、確認後すぐに返却し、補足説明などを行っている。さらに、実習内容に関する理解度チェックのための小テストについても、解答を公表し自学習に役立てると共に、理解不十分と思われる内容について補足説明を加えている。
教員からの一言
実習は複雑な操作法が伴います。必ず前日までに実習書を読んで手順を予習しておくこと。
備考
ナンバリングコード
RG3102