薬学部シラバス2024

医療系実習Ⅰ 薬理学実習
Laboratory Course in Fundamental Pharmacy Ⅰ : Pharmacology

 3年 前期 実習科目 1.5単位
田野中 浩一 丸ノ内 徹郎
田村 和広 吉江 幹浩 草間 和哉 安曇 麻奈 
稲葉 二朗

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学習目標(GIO)

医薬品の薬理作用に関する知識は薬剤師および薬学を学ぶものにとって必須である。薬理学は、様々な化合物や天然物から医薬品としての有用性を判断する医薬品開発や薬剤師としての職能に直結する重要な科目であり、機能形態学、生化学、有機化学など広範囲の知識も合わせて要求される。本実習では、実験動物を適切に使用する心構え(態度)と正確なデータ取得のための技能を身につけ、臓器レベルあるいは個体レベルでどの様な機序を介して薬物の効果が発揮されるかを理解し、講義・演習で得た知識と効果的に連動させ、科学的思考の醸成することを目的とする。また、グループでの実習を通して、チームワークの大切さを理解し、コミュニケーション能力を身につける。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 動物実験における倫理について配慮する。(態度) E1-1-2-1 X-6-9-3
2 実験動物を適正に取り扱うことができる。(技能) E1-1-2-2
3 実験動物での代表的な投与方法が実施できる。(技能) E1-1-2-3
4 中枢神経系に作用する薬物の効果を動物実験で測定できる。(技能) E2-1-3-12
5 中枢神経系疾患の社会生活への影響および薬物治療の重要性について討議する。(態度) E2-1-3-13
6 自律神経系に作用する代表的な薬物の効果を動物実験で測定できる。(技能) E2-1-1-4
7 知覚神経、運動神経に作用する代表的な薬物の効果を動物実験で測定できる。(技能) E2-1-2-3
8 腎臓のネフロンに作用する代表的な薬物(利尿薬)の効果を測定できる。(技能) E2-3-3-1
9 循環器系に作用する薬物の効果を動物実験で測定できる。(技能) E2-3-1-6
10 薬物効果の評価方法を学び、実習で得られたデータの集計とその評価ができる。(技能) E3-1-5-5 X-9-2-1~2 X-9-3-2,4
11 実験に使用した廃液・廃棄物を適切に処理する。(態度・技能) F-2-6-11,13
12 適切な保護具を付けて実験を行う。(態度・技能) F-2-6-11,13
13 周囲の安全に配慮して実験を行う。(態度・技能) F-2-6-11

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 担当者全員 麻酔薬の作用、中枢神経系疾患に関するSGD 1-5、10-13
2   〃 利尿薬の作用 1-3、8、10-13
3   〃 鎮痛薬の作用 1-3、7、10-13
4   〃 演習1 および薬効評価 1-10
5   〃 腸管平滑筋に作用する薬物 1-3、6、10-13
6   〃 血管平滑筋に作用する薬物 1-3、9-13
7   〃 心臓に作用する薬物 1-3、9-13
8   〃 演習2 1-10
9   〃 実習試験 1-10

アクティブ・ラーニングの取り組み

・ 学生の理解を助けるためにプリントを作成し、実習後の解説を進めながら、課題に対処させている。
・ 実験方法の原理および実験結果の解釈について、常に SGD で学生の意見を纏めさせ、口頭試問で確認し、さらに実習レポートに記載するように指導している。
・ 成績評価では、実習試験だけでなく、実習中の態度、技能(実習結果)について評価し、実習中にフィードバックしている。さらに、実習レポートを提出させ、各自の理解度を確認し、必要に応じて個別の指導を行う。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

本実習では、4〜5 名のグループで実習を行う。実験目的の理解、手技習得、SGD によるデータ解析を行い、総合的な理解ができるようにする。実習レポートには、実験結果・考察だけでなく、実習中の口頭試問への対応や SGD の内容についての記述も要求する。また、クループで実習を行うことによって、チームワークの大切さを理解し、コミュニケーション能力の醸成ができるように工夫している。さらに、薬の作用を直接観察することによって、臨床効果を理解できるように工夫している。

成績評価方法

<試験、レポート・課題とそれ以外の方法で評価する>
定期的に実習室内を巡回し、実験手技およびその科学的根拠についてグループあるいは個別に指導を行う。実験内容(目的などを含む)およびその関連知識に関する口頭試問とフィードバックを行い、態度・技能の評価を行う。なお、態度の評価には積極的な参加および提出物の期限遵守も含める。これらの評価に加え、実習試験と実習レポート(課題)の結果から総合的に成績評価を行う。
1)形成的評価
a)知識:実習時間中あるいは終了時にグループ毎に口頭試問を行い、フィードバックする。
b)技能:実習時間に、実験手技について、こまめにフィードバックする。
c)態度:実習期間中を通じて観察を行い、その場でフィードバックする。
d)パフォーマンス:口頭試問にて実験結果を報告させ、質疑応答を通じて、結果の解釈、発表能力についてフィードバックする。
2)総括的評価 :実習試験(40%に換算)、態度と実習レポート(技能)(60%)を総合的に評価する。ただし、それぞれの項目(知識・技能・態度)が独立して到達点(60%)以上であることとする。
a)知識:実習試験が60%以上で合とする。
b)技能:実習期間中の形成的評価におけるフィードバックで改善されれば合とする。
c)態度:繰り返しの形成的評価で改善が認められれば合とするが、総合評価に含める。
d)パフォーマンス:実習レポート(実習中ポートフォリオと同等)を提出させ、結果・考察の表現力について評価する。

教科書

医療系実習Ⅰ 薬理学実習(薬学基礎実習教育センター編)

参考書

薬理学実習の実際とデータの見方(日本私立薬科大学協会薬理学関連教科検討委員会編 南山堂)
グラフィカル機能形態学(京都廣川書店)
薬系薬理学書(南江堂)
最新 薬理学要説(愛智出版)

オフィスアワー

本実習担当教員 いつでも可(原則として実習終了後)

所属教室

田野中 浩一、丸ノ内 徹郎(分子細胞病態薬理学 研究4号館5階4509号室)
田村 和広、吉江 幹浩、草間 和哉、安曇 麻奈(内分泌薬理学 研究4号館4階4415、4416号室)
稲葉二朗 (薬学基礎実習教育センター 教育2号館3階 2306号室)

準備学習(予習・復習等)

実習する項目に関して毎回1時間は予習して実習に望むこと。また、実習項目ごとに、終了後その日のうちに、結果のまとめと考察を1時間以上行い復習を十分に行うこと。また、実習中の SGD および口頭試問にて不明瞭な点は各自で復習する。演習講義の時間を設けており、学習すべき要点を再度指示する。同時に学生はその理解度を確認し、学習を進める。

学生へのフィードバック

実習中は、実験ごとに、口頭試問または実習後の実験結果解析を行って、結果の解釈に関するフィードバックを行う。また、提出してもらったレポートを確認し、間違い等がある場合には、レポートに記載して返却することによってフィードバックを行う。

教員からの一言

本実習では、単に薬理学関連の実験を行うだけでなく、実習及び演習の中で機能形態学、生化学、有機化学等の関連科目の復習も行う。実習中に教員が実習班ごとにあるいは演習中に各自に様々な質問をするので、十分な返答ができない場合には、実習班内で良く検討し、その結果をレポートに加えること。

備考

ナンバリングコード

RG3103

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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