薬学部シラバス2024
構造有機化学
Structural Theory of Organic Chemistry
3年 前期 (選択)専門科目Ⅰ 1単位 | |
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三巻 祥浩、横須賀 章人、井口 巴樹 |
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学習目標(GIO)
有機化合物の多くは、機器スペクトルを解析することにより、その化学構造を決定することができる。本講義では、核磁気共鳴(NMR)スペクトル、赤外(IR)吸収スペクトル、マススペクトルを演習形式で学修することで、機器スペクトルを用いた有機化合物の構造決定法を修得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
---|---|---|
1 | 有機化合物の構造決定に重要な機器分析法を列記し、説明できる | C2-4-1-3 C2-4-2-1 C2-4-3-1 |
2 | IRスペクトルで観測される代表的な官能基の特性吸収を列挙し、帰属することができる。 | C3-4-2-1~2 |
3 | NMRスペクトルの原理と応用例を説明できる。 | C2-4-2-1 C3-4-1-1 |
4 | 1H NMRスペクトルにおいて、各水素原子のおおよその化学シフト値を示すことができる。 | C3-4-1-2 |
5 | 1H NMRスペクトルの積分値の意味を説明できる。 | C3-4-1-3 |
6 | 1H NMRスペクトルのシグナルが近接プロトンにより分裂(カップリング)する理由と、その基本的な分裂様式を説明できる。 | C3-4-1-4 |
7 | 1H NMRスペクトルのスピン結合定数から得られる情報を列挙し、その内容を説明できる | C3-4-1-4 |
8 | 1H NMRスペクトルから、代表的な有機化合物の部分構造を決定できる。 | C3-4-1-5 C3-4-4-1 |
9 | マススペクトルのピークの種類(基準ピーク、分子イオンピーク、同位体イオンピーク)を説明し、構造解析に用いることができる。 | C3-4-3-1,3~4 |
10 | 高分解能マススペクトルによる分子式の決定法を説明できる。 | C2-4-3-1 |
11 | 1H NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトルを総合的に解析することにより、基本的な有機化合物の構造決定ができる。 | C3-4-4-1 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
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1 | 横須賀 | 有機化合物の構造決定(総論)、薬学研究分野への応用 | 1 |
2 | 三巻 | 電磁波の種類と分析法、IRスペクトル(1)(概要、代表的な官能基の特性吸収) | 1、2 |
3 | 三巻 | IRスペクトル(2)(種々の化合物のIRスペクトル) | 2 |
4 | 横須賀 | 1H NMRスペクトル(1)(測定の原理) | 3 |
5 | 横須賀 | 1H NMRスペクトル(2)(化学シフト、積分値、カップリング、スピン結合定数) | 4-7 |
6 | 横須賀 | 1H NMRスペクトルの解析・演習(1) | 4-8 |
7 | 横須賀 | 1H NMRスペクトルの解析・演習(2) | 4-8 |
8 | 横須賀 | 1H NMRスペクトルの解析・演習(3) | 4-8 |
9 | 井口 | マススペクトル(概要、基準ピーク、分子イオンピーク、同位体イオンピーク、種々の化合物のマススペクトル) | 9、10 |
10 | 井口 | 総合演習(1) | 2、8-11 |
11 | 井口 | 総合演習(2) | 2、8-11 |
12 | 井口 | 総合演習(3) | 2、8-11 |
13 | 三巻、横須賀、井口 | 講義内試験 | 1-11 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
演習問題を各自に解いてもらう。任意の学生に解析のプロセスの説明を求め、その内容について受講者全員で討論する機会を設ける。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
国家試験レベルの基礎的な問題の演習を中心に、学生の理解を確認しながら段階的に講義を進める。
成績評価方法
<試験により評価する>
1)形成的評価
a)知識:問題演習を行い、習熟度を確認する。
2)総括的評価
a)知識:講義内試験(100%)。
教科書
構造有機化学 講義資料(生協にて購入のこと)
参考書
マクマリー有機化学、第9版(上)、J. McMurry著、伊藤ら訳、2017、東京化学同人、978-4-8079-0912-4
有機化合物のスペクトルによる同定法、第8版、R.M. Silversteinら著、岩澤ら訳、2016、東京化学同人、978-4-8079-0916-2
オフィスアワー
三巻 祥浩 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
横須賀 章人 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
井口 巴樹 原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
所属教室
漢方資源応用学教室 研究2号館4階
準備学習(予習・復習等)
授業ごとに、予習と復習を各々70分以上行うこと。講義で行なった演習問題を復習し、構造解析のプロセスをしっかりと理解してから次回の講義に臨むように心がけること。
学生へのフィードバック
適宜問題演習を行い、受講者全員が理解できるように解答を解説する。
教員からの一言
有機化合物の構造式がたくさん出てきますが、有機化学が苦手の方でも構造解析の方法を理解することは十分に可能です。ただし、構造解析は知識と理解の積み重ねですので、欠席をすると十分な学習効果が得られません。全回出席することを心がけてください。
備考
ナンバリングコード
EH3101