薬学部シラバス2024
代謝生化学
Biochemical Metabolisms
3年 前期 (選択)専門科目Ⅰ 1単位 | |
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今田 啓介 |
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学習目標(GIO)
生体に摂取された物質あるいは生体を構成する成分の化学反応(代謝)から生じる生体エネルギーや生理活性物質は、生物(ヒト)における生命活動調節に欠くことはできない。当該科目では、生物学、細胞生物学および生化学I、Ⅱ、Ⅲで学んだ糖質、脂質、タンパク質および核酸代謝とエネルギー産生機構について、基本的な知識を復習し、これらの代謝調節を統合的に理解することを学習目標とする。また、これら代謝の異常と疾病との関連性を復習し、生化学的視点から代表的な代謝調節薬の作用について理解を深める。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 代表的な糖質、脂質、アミノ酸(タンパク質)および核酸(ヌクレオチド)の種類、構造、性質、役割を説明できる。 | C6-2-1-1 C6-2-2-1~2 C6-2-3-1 C6-2-4-1 C6-2-5-1 |
2 | 細胞小器官の構造と機能を説明できる。 | C6-1-2-1 |
3 | 酵素反応の特性と反応速度論、酵素反応に対する補酵素および微量金属の役割を説明できる。 | C6-3-3-1~3 |
4 | 解糖系(基質レベルのリン酸化)の特徴と経路について説明できる。 | C6-5-2-1 |
5 | ピルビン酸の代謝、アルコール発酵と乳酸発酵について説明できる。 | C6-5-2-1 Y-3-53-2 |
6 | クエン酸回路について説明できる。 | C6-5-2-2 |
7 | ペントースリン酸回路やグルクロン酸経路の生理的意義と解糖系との繋がりについて説明できる。 | C6-5-5-3 |
8 | 糖新生およびグリコーゲン代謝およびそれらのホルモン調節について説明できる。 | C6-5-2-4~5 |
9 | 電子伝達系(酸化的リン酸化)におけるATP産生について説明できる。 | C6-5-2-3 |
10 | 電子伝達系および酸化的リン酸化の阻害物質を挙げ、その阻害機構を説明できる。 | Y-3-53-1 |
11 | 脂肪酸の酸化(β酸化)について説明できる。 | C6-5-3-1 |
12 | ケトン体の生成とその生体内利用について説明できる。 | C6-5-4-1 |
13 | 脂肪酸の生合成、伸長と不飽和化について説明できる。 | C6-5-3-1 C6-5-4-2 |
14 | リン脂質の分解およびアラキドン酸代謝経路とその阻害物質について説明できる。 | Y-3-59-1 |
15 | コレステロールの生合成経路と代謝について説明できる。 | C6-5-3-2 |
16 | 貯蔵脂肪からの脂肪酸の動員機構について説明できる。 | C6-5-4-2 |
17 | 脂質の代謝異常により生じる代表的な疾患を挙げ、その病態を概説できる。 | E2-5-1-2 |
18 | アミノ酸の転移・除去(酸化的脱アミノ化)について説明できる。 | C6-5-5-1 |
19 | 尿素回路(オルニチン回路)について説明できる。 | C6-5-5-1 |
20 | アミノ酸が関与する特殊な生体成分の生合成について、アミノ酸ごとに説明できる。 | C6-5-5-1 |
21 | アミノ酸の代謝異常により生じる代表的な疾患を挙げ、その病態を概説できる。 | C6-5-5-1 |
22 | 核酸塩基の代謝(生合成と分解)とその代謝調節薬について説明できる。 | C6-5-5-2 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 今田 | 糖質、脂質、アミノ酸(タンパク質)、核酸(ヌクレオチド)の種類,構造と性質 | 1 |
2 | 〃 | 酵素の特性と酵素反応速度論 | 3 |
3〜4 | 〃 | 糖質代謝 | 2,4〜8 |
5〜6 | 〃 | 脂質代謝 | 11〜17 |
7〜8 | 〃 | 生体酸化とエネルギー産生 | 9,10 |
9〜10 | 〃 | アミノ酸代謝 | 18〜21 |
11〜12 | 〃 | 核酸代謝 | 22 |
13 | 〃 | 総括試験 | 1〜22 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
1. WebClassを利用した予習課題により、その時点での理解度を把握すると共に、予め講義のポイントを確認できるようにしている。
2. 補助プリントを配布し、講義を進行しながら、空欄部分を記入させるようにしている。
3.講義終了時の演習問題(小テスト)を利用して、講義後も復習できるようにしている。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
1. 1年生の「生物学」、「細胞生物学」および「生化学Ⅰ」、2年生の「生化学II」および「生化学III」で学習した内容を横断的に理解するため、演習問題(小テスト)を活用した知識の統合化を試みる。
2. WebClassでは、講義に使用する補助プリントおよびスライド資料(一部)についても公開している。
成績評価方法
1) 形成的評価
a) 知識: 毎回、講義前のWebClassによる予習課題でその時点での知識を確認する。また、講義後の演習問題(小テスト)により知識レベルの到達度を確認する。
2) 総括的評価
a) 知識: WebClassの予習課題(24%)、演習問題(小テスト)(26%)および総括試験(50%)にて評価する。
教科書
薬学領域の生化学 第2版(伊東 晃編集 廣川書店)ISBN:978-4-567-24411-4
参考書
スタンダード薬学シリーズⅡ-4 生物系薬学Ⅰ.生命現象の基礎(日本薬学会編 東京化学同人)ISBN:978-4-8079-1708-2
スタンダード薬学シリーズⅡ-9 薬学演習II.基礎科学(日本薬学会編 東京化学同人)ISBN:978-4-8079-1724-2
ハーパー・生化学 原書30版(清水 孝雄監訳 丸善出版)ISBN:978-4-621-30097-8
細胞の分子生物学 第6版(中村 桂子、松原 謙一監訳 ニュートンプレス)ISBN:978-4-315-52062-0
オフィスアワー
原則としていつでも可であるが、事前に予約するのが望ましい。
所属教室
今田 啓介 薬学基礎実習教育センター 教育1号館3階
準備学習(予習・復習等)
・必ずWebClassの予習課題に取り組んでください。
・教科書および講義プリント(WebClassにより事前配布)は事前に読んで、講義に臨んでください。
・前回の講義内容を必ず復習して、次回の講義に臨んでください。
学生へのフィードバック
・授業中に実施する演習問題(小テスト)の解説(フィードバック)を次回の講義で行います。
教員からの一言
・生化学に苦手意識をもち、生化学の理解度を深めたいと考えている学生に受講して頂きたいと思います。
・教科書を読んで理解することを心がけてください。また、WebClassを活用して繰り返し勉強する習慣をつけてください。
備考
ナンバリングコード
EH3104