薬学部シラバス2024
香粧品科学(産学連携教育プログラム)
Cosmetic Science
3年 前期 (選択)専門科目Ⅰ 1単位 | |
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芦田 豊(資生堂グローバルイノベーションセンター) 平尾 直靖(資生堂グローバルイノベーションセンター) 原 英二郎(資生堂グローバルイノベーションセンター) 佐藤 隆(取り纏め) |
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学習目標(GIO)
香粧品(通常、化粧品と同義語)は、健常人の日常生活と深くかかわりあい、様々な目的で使用されている。化粧品(薬用化粧品といわれる医薬部外品を含む)は、医薬品医療機器等法で定義されているように、人の身体の清潔、美化、魅力づけ等を目的に用いられ、その作用は緩和であり医薬品とは本質的に異なっているものではあるが、その化粧品を支える研究開発、技術領域は、薬学と関連の深い製剤化技術、原料・素材開発、品質保証技術開発、皮膚科学、ヒューマンサイエンス等、きわめて広く多彩である。本講では、まず化粧品の概要を学び、その上で化粧品に対する科学的理解の向上を目標として、化粧品の基本的特性に加え、主たる研究技術領域について具体的な事例を取り上げ、自らの考察も交えて学習する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 化粧品の特性の理解(役割、定義、種類等) | B-2-2-1 C7-1-6-1 X-1-1-1 |
2 | 化粧文化、歴史を知る | X-1-1-1 X-2-1-2 |
3 | 化粧品の品質特性の理解 | B-2-2-1 C5-2-4-3 |
4 | 皮膚の構造と基本機能ならびに皮膚の細胞と機能の理解 | A-5-1-4 C7-1-6-1 C8-1-1-1 D2-1-4-4 X-6-2-1 |
5 | 化粧品主要成分の理解 | B-2-2-1 C3-1-1-6 C3-1-2-2 C4-1-1-1 C4-1-2-3 E4-1-1-2 E4-1-2-2~3 E5-1-3-1 |
6 | 化粧品の基本的な製剤技術の理解 | C4-3-2-1 C7-1-6-1 C8-1-1-1 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 芦田 | 化粧品概要(1):化粧品の持つポテンシャル・特性、化粧品の定義、分類、法規、品質特性 | 1、2、3、4 |
2 | 〃 | 化粧品概要(2):化粧品の歴史、文化 皮膚科学(1):皮膚の構造、外観 |
1、2、4 |
3 | 〃 | 皮膚科学(2):皮膚生理機能、皮膚の計測技術 | 3、4、5 |
4 | 〃 | 皮膚科学(3):皮膚細胞と機能 環境と皮膚(1):乾燥と皮膚、保湿化粧品の技術 |
3、4、5 |
5 | 〃 | 環境と皮膚(2):紫外線と皮膚、紫外線ケア化粧品の技術 | 3、4、5、6 |
6 | 〃 | 化粧品技術の研究開発例(1) 化粧品成分の開発例 | 1、3、4、5 |
7 | 〃 | 化粧品技術の研究開発例(2) 化粧品技術の応用例 | 1、3、4、5 |
8 | 平尾 | 化粧品と心理科学:情緒価値に優れた製品開発のために | 1、3、4 |
9 | 原 | 化粧品の製剤技術概要:化粧品の基本的な原料と製剤技術 | 3、5、6 |
10 | 〃 | 化粧品各論(1):乳化技術の概要とスキンケア化粧品 | 3、5、6 |
11 | 〃 | 化粧品各論(2):メーキャップ化粧品の基礎 (色彩の科学) |
2、5、6 |
12 | 芦田 | 化粧品各論(3):芳香化粧品の基礎(香りとニオイの科学) | 3、4、6 |
13 | 〃 | 総括:全講義内容の要点の確認 | 1~6 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
・講義の補足資料を必要に応じWebClassに掲載する。
・受講ノートとして活用できるよう補足資料には空欄を設定する。
・講義時には受講者名簿をもとに随時質問を行う。
・ターゲットとする現象や技術の背景について自分なりに考える機会を提供し、その結果をフィードバックすることで、さらに自分で深く考えられるようにする。、
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
・講義の要点については講義一週間前、講義を補完する資料は必要に応じ講義時または講義後に配布・配信し、都度WebClassで確認できるようにする。
・基本的な技術だけでなく、イノベーティブな基礎研究から製品化研究、さらに人文科学的アプローチ、社会との関係など、幅広い視点から講義を構成する。
・図、動画を組み込むなどの工夫を施して理解の促進、学習意欲の向上を図る。
・課題を提示して考察・表現する機会を提供するだけでなく、回答内容を解析して適切に講義に反映させフィードバックすることで理解の促進を図るとともに、思考力の深化に結び付けられるようにする。
成績評価方法
<試験により評価する>
1) 形成的評価
a)知識:講義内の質疑応答や、講義内または講義後の確認テストへの回答状況によって、習熟度を確認する。
2) 総括評価
a)知識:定期試験(80%)、講義内ないし講義後の確認テスト(20%)にて評価する。
教科書
講義の補足資料を配布、配信するので教科書の指定はしない。
参考書
・化粧の力の未来―コスメティック・サイエンスによる人と社会の新しい可能性(資生堂みらい開発研究所編著 フレグランスジャーナル社)
・新化粧品学(第2版)(光井武夫編 南山堂)
・化粧品の有用性 (日本化粧品技術者会編 薬事日報社)
・化粧品事典 (日本化粧品技術者会編 丸善)
・医師・医療スタッフのための化粧品ハンドブック:平尾 哲二 著(中外医学社)
・トコトンやさしい化粧品の本(第2版):福井 寛 著(日刊工業新聞社)
オフィスアワー
1)芦田・平尾・原
講義日 講義時間終了後(質問は講義時間内にも受け付ける) 講師控室
2)佐藤
原則としていつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
所属教室
芦田・平尾・原 講師控室(講義日のみ)
佐藤 生化学教室 研究4号館4階4417号室
準備学習(予習・復習等)
・講義の要点を補完する資料を講義前にWebClassで確認し、講義ごとに予習・復習をそれぞれ70分以上行うこと。
・講義内容が前後せざるを得ないこともあるので、講義スケジュールを都度WebClassで確認すること。
・WebClassに掲載された講義要点の補足資料はあくまで補足資料なので講義の中で必要事項を自己で補記、追記するなどして理解を深めること。
・講義を受ける前に講義予定項目のSBOを確認して、関連事項を調べてから講義に臨むようにすること。
・講義後は必ず復習し、参考書等で調べ直すことで理解を深めること。
・それでも理解できない場合には、オフィスアワーや次回の講義のときに質問すること。
学生へのフィードバック
・学生が考察して回答した内容の解析結果を講義内またはWebClassでフィードバックする。
・最終講義で全講義の要点について講義資料を基に確認し、理解が不十分な点をフォローする。
教員からの一言
研究の現場では、今まで学んできた知識に加え、自分で考えることがとても重要です。身近な存在である香粧品を題材に、基礎科学から最新のテクノロジーまで、薬学も含む幅広い分野の科学技術がどのように実際に活用されているのか、そして、どのようなプロセスでイノベーティブな価値が生み出されているのか、具体的に研究事例を踏まえて一緒にみていきたいと思います。
備考
本講義は株式会社資生堂の協力のもと,資生堂GIC支援教育プログラムとして開講します。
*GICとは、Global Innovation Centerの略号。
ナンバリングコード
EH3105