薬学部シラバス2024
臨床推論Ⅰ
Clinical Reasoning Ⅰ in Pharmacotherapy
4年 前期 4年必修科目 1単位 | |
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川口 崇 長谷川 弘 岸田 直樹 |
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学習目標(GIO)
疾病に伴う症状などの的確な患者情報を取得し、患者個々に応じた薬の選択、用法・用量の設定および各々の医薬品の「使用上の注意」を考慮した適正な薬物治療に参画できるようになるために、病態を理解する上で必要な症候の知識を修得する。さらに、症候から疾患を推定するための、臨床推論の理論、病歴、検査、副作用などの基本的な知識を習得する。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
---|---|---|
1 | 全身及び皮膚疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
2 | 血液疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
3 | 呼吸器疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
4 | 循環器疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
5 | 消化器疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
6 | 腎・泌尿器疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
7 | 神経疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
8 | 婦人科及び整形外科疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
9 | 眼科及び耳鼻科疾患の症候について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、該当疾患を推測できる。 | E1-2-1-1 |
10 | 臨床推論の意義とその思考方法について説明できる。 | T-1-1-1 |
11 | 風邪とその周辺疾患について、病態生理と鑑別疾患を説明できる。 | T-1-1-1 |
12 | 疼痛を生じる代表的な疾患について、病態生理と鑑別疾患を説明することができる。 | T-1-1-1 |
13 | 患者情報である病歴の種類を挙げ、説明できる。 | E3-2-1-1~2 |
14 | バイタルサインを挙げ、基本的な解釈を説明できる。 | E3-2-1-1 E3-2-2-3 |
15 | 代表的な検査の特性を感度・特異度・尤度に基づいて説明できる。 | E1-2-2-1~8 E3-2-1-1 |
16 | 有害事象と副作用の違いを説明できる。 | E3-2-2-3 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 岸田 | 臨床推論の概論 | 10,13 |
2 | 川口 | 臨床推論のモデル(理論、バイアスと診断エラー) | 10 |
3 | " | 身体所見、バイタルサイン | 14 |
4 | 岸田 | 検査特性(検査や所見の考え方、感度/特異度/尤度の算出と考え方) | 15 |
5 | 川口 | セルフケアの推論(風邪の定義、風邪の病態生理と症状、風邪様症状の鑑別) | 11 |
6 | " | セルフケアの推論(痛み、痛みの問診、腹痛のレッドフラッグサイン) | 12 |
7 | " | 副作用の推論(有害事象と副作用の違い、評価方法、因果関係の判定(推論)) | 16 |
8 | 長谷川 | 発熱、全身倦怠感、肥満・やせ、発疹、掻痒、貧血、出血傾向 | 1,2 |
9 | " | 呼吸困難、咳・痰、血痰・喀血、喘鳴、胸痛など | 3 |
10 | " | 頻脈・徐脈(心悸亢進・動悸)、低血圧、ショック、チアノーゼなど | 4 |
11 | " | 悪心・嘔吐、吐血・下血、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満、黄疸など" | 5 |
12 | " | 脱水、口渇、浮腫、タンパク尿、血尿、多尿・乏尿、頻尿、排尿障害 | 6 |
13 | " | 頭痛、意識障害、運動障害、知覚障害、睡眠障害、けいれん、月経異常、めまい、聴力障害、視力障害、関節痛・関節腫脹など | 7,8,9 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
・必要に応じて補助プリントを配布し、講義を進行しながら空欄部分を記入させるようにする。
・症例を用いる場合、学生が考える時間を設ける。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
臨床で実際に遭遇しうるケースを提示し、より実践的なイメージを持たせるようにしている。事前実務実習や実務実習で役立つ講義内容を目指している。
成績評価方法
<試験により評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:講義内にミニテストを行う。
2) 総括的評価
a) 知識:定期試験(100%)にて評価する。
教科書
薬学生のための新臨床医学(廣川書店)編集: 細山田真,市田公美、ISBN: 978-4-567-49791-6、発行年月: 2015年9月
薬学臨床推論(南江堂)編集: 川口崇/岸田直樹、ISBN: 978-4-524-40365-3、発行年月: 2021年3月
参考書
今日の診断指針(医学書院)
総合診療医が教えるよくある気になるその症状: レッドフラッグサインを見逃すな!(じほう)
オフィスアワー
川口 崇 メールによる予約をしてください。
長谷川 弘 いつでも可。但し、メールによる予約が必要。
所属教室
川口 崇 医療実務薬学教室 DR棟3階
長谷川 弘 病態生理学教室 研究4号館4階
準備学習(予習・復習等)
授業を受ける前に講義予定項目のSBOを確認し、教科書の該当範囲を読んでから講義に臨むようにしてください。また、長谷川担当分では,補助プリントをそれを必要とする講義日の少なくとも1週間前に配布しますので、事前に予習してください。
講義の後は必ず復習してください。分からないことをそのままにしないで、参考書等で調べてください。
学生へのフィードバック
学生から寄せられた質問や感想などに対して、必要に応じて授業中に全学生に対してその内容を伝え、解説を加える等の対応を行っている。
教員からの一言
症状毎に疾患を捉えることにより、今まで学んできた疾患の知識の整理・統合ができる。
備考
実務家教員担当科目
ナンバリングコード
RE4103