薬学部シラバス2024

医薬品安全性評価学
Safety and Risk Assessment of Medicines

 4年 前期 4年必修科目 1単位
杉浦 宗敏
別生 伸太郎

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学習目標(GIO)

医薬品をめぐる様々な事故が頻発している。医薬品の適正使用を促し、医療安全を確保するために薬剤師が積極的に関わる必要がある。薬学教育6年制の導入に伴い5年次に医療機関において実務実習を受けるが、本講義では4年次の事前実務実習に連携して、基本的な医薬品の適正使用による医療安全に関する知識を習得することを目的とする。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 WHO による患者安全の考え方について概説できる。 A-1-3-2
2 医療に関するリスクマネジメントにおける薬剤師の責任と義務を説明できる。 A-1-3-3
3 医薬品が関わる代表的な医療過誤やインシデントの事例を列挙し、その原因と防止策を説明できる。 A-1-3-4
4 代表的な薬害の例(サリドマイド、スモン、非加熱血液製剤、ソリブジン等)について、その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。 A-1-3-6
5 医療倫理に関する規範(ジュネーブ宣言等)について概説できる。 A-2-2-1
6 薬剤師が遵守すべき倫理規範(薬剤師綱領、薬剤師倫理規定等)について説明できる。 A-2-2-2
7 医療の進歩に伴う倫理的問題について説明できる。 A-2-2-3
8 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の目的及び医薬品等(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品)の定義について説明できる。 B-2-2-1
9 患者の基本的権利の内容(リスボン宣言等)について説明できる。 A-2-3-2
10 患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる。 A-2-3-3
11 保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。 A-4-1-1
12 多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。 A-4-2-1
13 チーム医療に関わる薬剤師、各職種、患者・家族の役割について説明できる。 A-4-3-1
14 製造販売後調査制度及び製造販売後安全対策について説明できる。 B-2-2-5
15 「医薬品等の取扱いに関する医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の規定について説明できる。 B-2-2-7
16 医薬品情報源の一次資料、二次資料、三次資料の分類について概説できる。 E3-1-2-1
17 医薬品情報源として代表的な二次資料、三次資料を列挙し、それらの特徴について説明できる。 E3-1-2-2
18 厚生労働省、医薬品医療機器総合機構、製薬企業などの発行する資料を列挙し、概説できる。 E3-1-2-3
19 医薬品添付文書(医療用、一般用)の法的位置づけについて説明できる。 E3-1-2-4
20 医薬品添付文書(医療用、一般用)の記載項目(警告、禁忌、効能・効果、用法・用量、使用上の注意など)を列挙し、それらの意味や記載すべき内容について説明できる。 E3-1-2-5
21 医薬品インタビューフォームの位置づけと医薬品添付文書との違いについて説明できる。 E3-1-2-6
22 医薬品情報の信頼性、科学的妥当性などを評価する際に必要な基本的項目を列挙できる。 E3-1-3-3
23 EBM の基本概念と実践のプロセスについて説明できる。 E3-1-4-1
24 代表的な臨床研究法(ランダム化比較試験、コホート研究、ケースコントロール研究など)の長所と短所を挙げ、それらのエビデンスレベルについて概説できる。 E3-1-4-2
25 臨床研究論文の批判的吟味に必要な基本的項目を列挙し、内的妥当性(研究結果の正確度や再現性)と外的妥当性(研究結果の一般化の可能性)について概説できる。 E3-1-4-3
26 メタアナリシスの概念を理解し、結果を説明できる。 E3-1-4-4
27 処方から服薬(投薬)までの過程で誤りを生じやすい事例を列挙できる。 F-2-6-1
28 特にリスクの高い代表的な医薬品(抗悪性腫瘍薬、糖尿病治療薬、使用制限のある薬等)の特徴と注意点を列挙できる。 F-2-6-2
29 代表的なインシデント(ヒヤリハット)、アクシデント事例を解析し、その原因、リスクを回避するための具体策と発生後の適切な対処法を討議する。(知識・態度) F-2-6-3
30 医薬品のリスクマネジメントプランを概説できる。 F-2-6-7
31 基本的な医療用語、略語の意味を説明できる。 F-3-1-1
32 身体所見の観察・測定(フィジカルアセスメント)の目的と得られた所見の薬学的管理への活用について説明できる。 F-3-1-3
33 代表的な疾患に対して、疾患の重症度等に応じて科学的根拠に基づいた処方設計ができる。 F-3-3-1
34 病態(肝・腎障害など)や生理的特性(妊婦・授乳婦、小児、高齢者など)等を考慮し、薬剤の選択や用法・用量設定を立案できる。 F-3-3-2
35 患者のアドヒアランスの評価方法、アドヒアランスが良くない原因とその対処法を説明できる。 F-3-3-3
36 代表的な疾患に用いられる医薬品の効果、副作用に関してモニタリングすべき症状と検査所見等を具体的に説明できる。 F-3-4-1
37 チーム医療における薬剤師の役割と重要性について説明できる。 F-4-1-1
38 多様な医療チームの目的と構成、構成員の役割を説明できる。 F-4-1-2
39 病院と地域の医療連携の意義と具体的な方法(連携クリニカルパス、退院時共同指導、病院・薬局連携、関連施設との連携等)を説明できる。 F-4-1-3
40 地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア)およびその意義について説明できる。 F-4-2-1

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1 杉浦 医療倫理と医薬品安全管理 1.2.5~10
2 杉浦 職種間コミュニケーション 12.13.37.38
3 杉浦 地域医療および医療機関間の連携とリスクマネージメント 11.39.40
4 杉浦 医療事故の定義・分類と代表的な事例(1) 2.3.27.29
5 杉浦 医療事故の定義・分類と代表的な事例(2) 2.3.27.29
6 杉浦 医療事故の発生要因と分析法(1) 2.3.27.29
7 杉浦 医療事故の発生要因と分析法(2) 2.3.27.29
8 杉浦 医療事故の防止対策(1) 1.3.27.29.30
9 杉浦 医療事故の防止対策(2) 1.3.27.29.30
10 別生 医薬品作用の評価法(1)  14~26.28.31.33.34
11 別生 医薬品作用の評価法(2)  14~26.28.31.33.34
12 別生 医薬品作用の評価法(3)  14~26.28.31.33.34
13 杉浦 まとめ 1~40

アクティブ・ラーニングの取り組み

実例・症例を紹介しながら、知識の確認を図る。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

成績評価方法

<試験により評価する>
2) 総括的評価
a) 知識:定期試験(100%)によって評価する。ただし、受講態度によっては定期試験の受験停止措置を講じることがある。

教科書

医薬品安全管理論 京都廣川書店

参考書

医療安全 メディカ出版
医療安全学 篠原出版新社
これだけは身に付けたい患者安全のためのノンテクニカルスキル超入門 メディカ出版

オフィスアワー

別生 伸太郎 事前に予約が必要。薬学教育推進センター 教育2号館1階
杉浦 宗敏 事前に予約が必要。医薬品安全管理学教室 医療棟3階304号室

所属教室

別生 伸太郎 薬学教育推進センター
杉浦 宗敏 医薬品安全管理学教室 医療棟3階 M304

準備学習(予習・復習等)

次回の講義で扱う内容を教科書を使用して予習しておくこと。

学生へのフィードバック

講義内容等に対する質問等は随時回答する。

教員からの一言

備考

実務家教員担当科目

ナンバリングコード

RF4102

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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