薬学部シラバス2024
薬局・病院薬学
Practical and Hospital Pharmacy
4年 前期 4年必修科目 1単位 | |
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藤﨑 玲子(株式会社 望星薬局 教育・実習支援課 課長) 下枝 貞彦、杉浦 宗敏、堀 祐輔、平田 尚人 |
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学習目標(GIO)
薬局薬剤師と病院薬剤師は、患者の薬物療法に関する情報を相互に提供し、円滑な連携関係を構築することにより医療安全の確保に資することを目的に、それぞれの職能を発揮する必要がある。病院において行なわれている薬に関する様々な患者サービスが、医薬分業によって地域に広がった場合でも、当該患者が同じサービスを享受できるようにしなくてはならない。そのためには、薬局薬剤師と病院薬剤師が共通の認識を持ち、調剤と情報提供が行なわれる必要がある。そこで本講義は、薬局薬剤師と病院薬剤師の役割を学ぶことを通じて、薬薬連携で薬剤師が職能を果たすことができる環境を作るための基礎的知識が身につくことを目的とする。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
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1 | 医療と薬学の歴史を認識するとともに、国民の健康管理、医療安全、薬害防止における役割を理解し、薬剤師としての使命感を身につける。 | A-1-2-2~3,6~7 A-1-3-4 |
2 | 医療・福祉・行政・教育機関及び関連職種の連携の必要性を理解し、チームの一員としての在り方を身につける。 | A-4-1-1 A-4-2-1 A-4-3-1 |
3 | 社会保障制度のもとで提供される医療と福祉について、現状と課題を認識するとともに、薬剤師が担う役割とその意義を理解する。 | B-3-1-1~7 B-3-2-1~4 |
4 | 地域の保健、医療、福祉について、現状と課題を認識するとともに、その質を向上させるための薬局及び薬剤師の役割とその意義を理解する。 | B-4-1-1~6 B-4-2-1~4 |
5 | 医療の担い手として求められる活動を適切な態度で実践するために、薬剤師の活躍する臨床現場で必要な心構えと薬学的管理の基本的な流れを把握する。 | F-1-3-1~2 |
6 | 医療機関や地域で、多職種が連携・協力する患者中心のチーム医療に積極的に参画するために、チーム医療における多職種の役割と意義を理解するとともに、情報を共有し、より良い医療の検討、提案と実施ができる。 | F-4-1-1~3 F-4-2-1 |
7 | 地域での保健・医療・福祉に積極的に貢献できるようになるために、在宅医療、地域保健、福祉、プライマリケア、セルフメディケーションの仕組みと意義を理解するとともに、これらの活動に参加することで、地域住民の健康の回復、維持、向上に関わることができる。 | F-5-1-1~3 F-5-2-1~2 F-5-4-1~2 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 下枝 | 医療人として薬剤師が果たすべき役割 | 1 |
2 | 杉浦 | ①緩和医療を通じて考える多職種連携協働とチーム医療 ②医療の担い手として期待される薬剤師の役割と薬学的管理の基本的な流れ |
2.5.6 |
3 | 堀 | ①かかりつけ薬局・薬剤師の役割 ②地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア) |
4.5.7 |
4 | 杉浦 | ①医療安全に関わる多職種連携協働とチーム医療 ②医療の担い手として期待される薬剤師の役割と薬学的管理の基本的な流れ |
5.6 |
5 | 堀 | ①在宅(訪問)医療・介護への参画 ②地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア) |
7 |
6 | 〃 | ①調剤報酬、診療報酬及び介護報酬の仕組み ②医薬品と医療の経済性を加味した薬剤師の役割とポリファーマシー ③病院と地域の医療連携の意義と具体的な方法 |
4.5.7 |
7 | 下枝 | ①臨床における地域の保健、医療、福祉と社会における薬局の役割(医薬分業) ②地域における保健、医療、福祉の連携体制と薬剤師 |
5.6 |
8 | 平田 | 中毒各論 各種中毒事例への薬剤師対応 |
4.7 |
9 | 下枝 | 地域保健(公衆衛生、学校薬剤師、啓発活動)への参画 | 2.4.7 |
10 | 藤﨑 | スポーツファーマシストの役割を通じ薬剤師の代表的な活動(薬物乱用防止、自殺防止、感染予防、アンチドーピング活動等)について説明できる。 | 2.4.7 |
11 | 堀 | ①ドラッグストアとセルフメディケーション ②医薬品の市場の特徴と流通の仕組み |
3.4.7 |
12 | 平田 | 災害時医療と薬剤師:災害拠点病院および災害時医療体制の概要、災害派遣医療チーム(DMAT)および医療救護班と薬剤師の役割 | 7 |
13 | 下枝 | 保健、医療、福祉と社会における保険薬局・病院薬局の役割 総括 |
1~7 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
各回に補助プリントを配布し,講義を進行しながら,空欄部分を記入させるようにしている。さらに、教科書にある練習問題を実際に解かせ解説を加えたり、各回に学生を指名して練習問題に関わる内容を発表させている。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
具体的な症例や事例を示すことで、考える力を養うための手法が学習できる。本学附属薬局で保険薬局業務に従事する現役薬剤師や、長年にわたる病院勤務経験のある教員が、自らの経験も踏まえ講義を行うことで、臨場感のある知識を修得できる。
成績評価方法
<試験により評価する>
1)形成的評価
知識:課題、演習問題を行う。解説にてフィードバックする。
2)総括的評価
知識:定期試験(授業内)の結果に基づいて評価する(100%)。必要に応じて追再試験を1回実施する。 但し、受講態度によっては受験資格を失うことがある。
教科書
ケーススタディ薬局病院薬学 京都廣川書店
講義資料はWebClassより各自で印刷し、講義時に持参すること。なお講義資料がある場合は、原則として講義前日の18時を目途にWebClass上で公開される。
参考書
学校と学校薬剤師〈2011〉 薬事日報社
くすり教育のヒント―中学校学習指導要領をふまえて 薬事日報社
薬学と社会―医療経済・多職種連携とチーム医療・地域医療・在宅医療 (臨床薬学テキストシリーズ) 中山書店
薬剤師業務の基本[知識・態度]第3版〜薬局管理から服薬指導、リスクマネジメント、薬学的管理、OTC医薬品、病棟業務まで (新ビジュアル薬剤師実務シリーズ) 羊土社
オフィスアワー
藤﨑 玲子:メールによる予約が原則必要。希望者は、下枝貞彦(shimoeda@toyaku.ac.jp)に、その旨をメールにて連絡すること。
下枝 貞彦:火曜日以外はいつでも可。但し、メール(shimoeda@toyaku.ac.jp)による予約が必要。
杉浦 宗敏:いつでも可。但し、あらかじめ予約が必要。
平田 尚人:水曜日以外いつでも可。但し、メールによる予約が必要。
堀 祐輔:いつでも可。但し、メールによる予約が必要。
所属教室
下枝 貞彦 臨床薬剤学教室 教授 医療薬学研究棟2階 M207号室
杉浦 宗敏 医薬品安全管理学教室 教授 医療薬学研究棟3階 M304号室
堀 祐輔 薬学実務実習教育センター 教授 薬学実務実習教育センター(教育5号館)5605室
平田 尚人 臨床薬剤学教室 准教授 医療薬学研究棟2階 M206号室
準備学習(予習・復習等)
70分の授業ごとに予習と復習を各々70分以上行うこと。授業を受ける前に講義予定項目のSBOを確認し,テキスト(プリント)の該当範囲を読んでから講義に臨むこと。また講義の後は必ず復習し、判らないことはそのまま放置せずに、参考書等で調べ理解を深める必要がある。自分で調べることがとても重要であるが、それでも理解できなければ、オフィスアワーや次回の講義時に教員に質問すること。
なお、講義で用いる資料については原則として講義前日の18時までに WebClassにアップするので、受講者各自で印刷し資料に目を通してから講義に臨むこと。
学生へのフィードバック
各講義の終了時に、その日に行った講義内容のポイントを講義中に用いた資料を振り返りながら復習する。また、講義開始時においても前回の講義内容を冒頭で復習して、その日の講義につなげる工夫をしていく。
さらに定期試験の模範解答を提示し、学生自ら理解不足であった箇所を振り返ることができるようにする。
教員からの一言
薬学教育の6年制延長され、既に6年制のカリキュラムを終了した薬剤師が社会で活躍している。薬学教育年限の延長を踏まえ、保険薬局や病院薬局で勤務する薬剤師の役割にも、当然のことながら大きな変化が生じている。そこで本講義では、これら社会情勢の変化に伴う保険薬局や病院薬局やにおける新たな薬剤師の役割について解説し、今後両薬剤師がどのように連携をとることによって、国民からさらなる信頼を得られる職種へと大きく発展していくのか、その方向性を伝授する。
備考
実務家教員担当科目
ナンバリングコード
RF4105