薬学部シラバス2024
有機薬理化学特論
Drug Chemistry
5年 前期 (選択)専門科目Ⅱ 1単位 | |
---|---|
谷口 敦彦 林 良雄 |
すべて開く
すべて閉じる
学習目標(GIO)
・医薬品の性質を理解することに重きを置き、有機化合物としての医薬品の物性、反応性および分子レベルでの医薬品の作用機序について理解し、医療・臨床の現場で説明できるようにする。
・臨床現場で予期される問題点を有機化学的観点からとらえられるようにする。
・各医薬品について、薬理作用・副作用と有機化学を関連づけて理解できるようにし、薬を化学で語れることをめざす。
行動目標(SBOs)
番号 | 内容 | コアカリとの関連コード |
---|---|---|
1 | 医薬品と生体分子との相互作用を化学的な観点(結合親和性と自由エネルギー変化、電子効果、立体効果など)から説明できる。 | C4-3-1-1 |
2 | 医薬品の構造からその物理化学的性質(酸性、塩基性、疎水性、親水性など)を説明できる。 | C4-3-2-1 |
3 | プロドラッグなどの薬物動態を考慮した医薬品の化学構造について説明できる。 | C4-3-2-2 |
4 | 代表的な医薬品のファーマコフォアについて概説できる。 | C4-3-3-1 |
5 | バイオアイソスター(生物学的等価体)について、代表的な例を挙げて概説できる。 | C4-3-3-2 |
6 | 医薬品に含まれる代表的な複素環を構造に基づいて分類し、医薬品コンポーネントとしての性質を説明できる。 | C4-3-3-3 |
7 | 受容体・イオンチャネルに作用する医薬品の構造と性質について概説できる。 | C4-3-5-1~5 C4-3-7-1 |
8 | 酵素に作用する医薬品の構造と性質について概説できる。 | C4-3-4-1~6 |
9 | DNA に作用する医薬品の構造と性質について概説できる。 | C4-3-6-1~3 |
授業内容
回数 | 担当 | 内容 | 対応(SBOs) |
---|---|---|---|
1 | 谷口 | 共有結合薬の概論とカルボニルの基礎 | 1,2,4,5 |
2,3 | 〃 | カルボニル付加反応を伴う薬 | 1,2,6,8 |
4,5 | 〃 | 求核アシル置換反応を伴う薬 | 1,2,6,8 |
6 | 〃 | その他のカルボニル関連反応を伴う薬 | 1,2,6,8,9 |
7,8 | 〃 | 求核置換反応を伴う薬 | 1,2,6,8,9 |
9 | 〃 | ジスルフィド形成反応及び配位結合形成反応を伴う薬 | 1,2,6,8,9 |
10 | 林 | 抗がん剤の化学 | 6,8,9 |
11 | 〃 | 免疫抑制剤の化学 | 6,7,8 |
12 | 〃 | 抗炎症剤の化学 | 6,7,8 |
13 | 〃 | プロドラッグの化学 | 1,2,3,6 |
アクティブ・ラーニングの取り組み
課題を与え、SGD活動および復習により、理解の深化を図る。
授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)
本講義を理解する上で必須な有機化学の復習を含めながら授業を進める。体系的な理解を深めるために、各論と基本原理の関係に重点を置いた解説を行う。
成績評価方法
1) 形成的評価
a) 知識: 小試験により確認する。
b) 態度: 授業態度を評価する。
2) 総括的評価
a) 知識: レポートにより評価する(100%)。
教科書
ベーシック創薬化学(赤路、津田、林 著 化学同人)
参考書
化学系薬学Ⅱ. 生体分子・医薬品の化学による理解(スタンダード薬学シリーズⅡ3、日本薬学会編、東京化学同人)
薬がわかる構造式集(林、青柳、飯島 編 廣川書店)
オフィスアワー
いつでも可。但し、事前連絡が必要。
所属教室
谷口: 薬品化学教室 研究2号館3階306号室
林: 創薬化学研究室 研究4号館3階4315号室
準備学習(予習・復習等)
1~4年次の有機化学・生体分子の化学を十分に復習して講義に望んでください。
学生へのフィードバック
講義や課題に対する質問事項を個々の対応のみならず、学生全体にお話する。
教員からの一言
クスリを単なる「白い粉」として見るのではなく、その本質である化学構造に基づいて理解するための講義です。実際に臨床で使われている医薬品の化学構造やそれに基づく機能を「化学の言葉」で理解してもらいます。化学に立脚した、薬剤師を目指してください。
備考
ナンバリングコード
EH5104