薬学部シラバス2024

プライマリケアⅠ
Primary Care Ⅰ

 5年 前期 (選択)専門科目Ⅱ 1単位
安藤 堅、大嶋 利之

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学習目標(GIO)

高齢化の進展や疾病構造の変化が進む我が国では、肥満や生活習慣病患者数が年々増加し、医療費の増大など深刻な問題が浮上している。国は健康寿命の延伸をめざし、食生活の改善や運動習慣の定着等による生活習慣病予防対策を推進しており、薬剤師はその担い手とされている。この授業は、健常者が疾病に罹患しないような健康の保持増進を図るための、また、生活習慣病患者がその症状を進展させないための栄養の摂り方や運動のとりいれ方に関する理論的実践的知識を習得することにより、個々人の生活環境を踏まえた適切な健康管理方法を提供できるようになることをめざす。

行動目標(SBOs)

番号 内容 コアカリとの関連コード
1 健康とはなにか、健康の維持増進における栄養素摂取の重要性について理解できる。 D1-1-1-1 D1-2-3-1~2 D1-3-1-8
2 我が国における健康増進政策(健康日本21、食事摂取基準、食育など)について説明できる。 D1-2-1-2 D1-3-1-6
3 日本人における栄養摂取の現状と問題点について説明できる。 D1-3-1-8
4 食事の内容から、健康の維持増進に適切なエネルギー摂取量や栄養バランスなど、食生活のポイントを説明できる。 D1-3-1-5
5 健康食品の概念を理解し、説明できる。 D1-3-2-6
6 特別用途食品について説明できる。 D1-3-2-6
7 保健機能食品を挙げ、生活習慣病対策として期待できる役割について概説できる。 D1-3-2-6
8 食品成分と医薬品との相互作用の事例を挙げ、リスク回避に必要な注意点を説明できる。 E2-9-1-1 E2-9-6-1 E2-9-7-1
9 食生活などの生活習慣と疾病との関わりについて討議する。(態度) D1-2-3-3
10 運動不足に伴う身体諸機能の変化と生活習慣病との関わりを説明できる。 D1-2-3-2 E2-9-6-1
11 中高年者の健康の維持増進に対し、適切な運動指導ができるようにその原理と方法を説明できる。 E2-9-6-1
12 運動可能な疾病者に対し、適切な運動指導ができるようにその原理と方法を説明できる。 E2-9-6-1
13 健常者への生活習慣の改善方法や生活習慣病患者の症状の進展等の重症化予防にむけたアドバイスができる。(知識・態度) D1-2-3-2 F-5-3-4
14 現在の医療システムの中でのプライマリケア、セルフメディケーションの重要性を討議する。(態度) F-5-3-1

授業内容

回数 担当 内容 対応(SBOs)
1-5 安藤、大嶋 我が国の健康づくり対策、
適正な食生活(栄養摂取と運動)の実践、
健康食品、保健機能食品、食品の機能性
1-7,9,10,13,14
6-8 安藤、大嶋 健康の維持増進および運動可能な患者に有効な運動のしかた 2,4,9-14
9-11 安藤、大嶋 生活習慣病の発症・重症化予防を目的とした栄養指導 1-4,9,13,14
12-14 安藤、大嶋 食品成分と医薬品との相互作用の事例と適切な情報提供のあり方 5-9,13,14

アクティブ・ラーニングの取り組み

講義プリントを配布し、講義を進行しながらプリント内の空欄部分を記入させるようにしている。
正しい情報をその場で速やかに入手し的確に提供する場面を想定し、インターネット検索を活用した演習を組んでいる。
学生同士が討議する時間を設け、討議した内容を発表させている。

授業で行っている工夫(思考力・判断力・表現力の向上に向けた取り組み)

学生が自らの食生活や運動記録をつけることによって健康管理の重要性を理解し、健康維持・増進のために必要な知識は何かを考えさせている。
栄養と健康維持、生活習慣病対策に関する具体的な事例を用いた演習を行うことにより、1年生の「基礎栄養学」や2年生の「栄養と食品機能」「健康保持と疾病予防」などの健康保持・増進に関連する科目で得た知識を実践的に活用できるよう努めている。
食品や健康に関するデータや政策、関連法規などの最新情報を提供し、実践に役立つ授業となるよう努めている。

成績評価方法

<レポート・課題とそれ以外の方法で評価する>
1) 形成的評価
a) 知識:講義や演習中に適宜口頭試問や小テストなどを行う。
b) 技能:プレゼンテーションや討議をグループ学習で行い、フィードバックする。
c) 態度:受講態度(グループ演習など授業に臨む姿勢など)から評価し、フィードバックする。
2) 総括的評価:演習課題(50%)、受講態度・プレゼンテーション能力・パフォーマンス(50%)として総合的に評価する。
a) 知識:課題、発表資料、レポートの内容などから評価する。
b) 技能:栄養・運動指導が適切にできるかどうかについて、課題内容やプレゼンテーションなどから評価する。
c) 態度:受講態度(演習や課題等に臨む姿勢)から評価する。
d) パフォーマンス:発表資料や課題の考察や表現力から評価する。

教科書

講義ごとにプリントを配布

参考書

最新衛生薬学第3版、別府正敏・平塚明編(廣川書店)2019年、ISBN978-4-567-47152-7
衛生薬学-健康の維持と増進をめざして- (早川磨紀男・藤原泰之・山折 大編著、京都廣川書店、2023年、ISBN 978-4-910844-09-1)
日本人の食事摂取基準2020年版、伊藤貞嘉・佐々木敏監修(第一出版)2020年、ISBN978-4-8041-1408-8

オフィスアワー

原則的にいつでも可であるが、事前に予約することが望ましい。
安藤 堅 薬学基礎実習教育センター 教育2号館3階 2309教員室
大嶋 利之 衛生化学教室 研究棟1号館4階

所属教室

安藤 堅 薬学基礎実習教育センター 教育2号館3階 2309教員室
大嶋 利之 衛生化学教室 研究棟1号館4階

準備学習(予習・復習等)

2年科目の「健康保持と疾病予防」、「栄養と食品機能」で学んだ身体活動とエネルギー代謝、生活習慣病、栄養素、健康食品などの健康保持・増進に関する内容が関連します。授業ごとにこれらの内容について予習と復習を70分以上行ってください。

学生へのフィードバック

授業中に適宜口頭試問やチェックテストなどを行い、授業内容の理解度をフィードバックする。
個別あるいはグループ毎にプレゼンテーションをしてもらい、質疑応答を通じて発表能力をフィードバックする。
授業中に受講態度(演習に対する取り組み方など)を観察し、フィードバックする。

教員からの一言

本科目は、薬剤師による「健康(栄養、運動)相談」を想定しています。患者や顧客が問題解決できるように的確かつ適切なサポートするためのスキルを身につけることをめざしています。実務実習に臨む直前の学生には、実務実習中に役立つことを意識した内容になっています。また、実務実習後の学生には、振り返り授業として役立てていただければと思います。

備考

ナンバリングコード

EH5106

授業計画の見方・注意

①行動目標(内容)

…科目毎に設定された本学独自の行動目標が記載されている。

②行動目標(コアカリとの関連コード)

…本学の行動目標とモデル・コアカリキュラムとの関連をコード化して記載している。
 コードの具体的な内容は、画面右上の「コアカリとの関連コード一覧」をクリックすると確認することができる。

授業計画の見方・注意の見本シラバス

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